特撮向上委員会
『海賊戦隊ゴーカイジャー』最大199人! 戦隊ヒーローの魅力炸裂【篠宮暁の特撮辞典・第10回】
『海賊戦隊ゴーカイジャー』最大199人! 戦隊ヒーローの魅力炸裂【篠宮暁の特撮辞典・第10回】
【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典】
最大199人もの戦隊ヒーローが登場する『海賊戦隊ゴーカイジャー』
前回紹介しました『仮面ライダーディケイド』は、歴代ライダーに変身できたり、往年のキャストが登場したりと、毎週お祭り騒ぎだったんですが、「ディケイド」から2年後、ついに戦隊でもお祭りが始まります。
それが、『海賊戦隊ゴーカイジャー』です。
「ディケイド」も相当派手でしたが、「ゴーカイジャー」の派手さは更にすごいものになりました。
「ゴーカイジャー」は、『秘密戦隊ゴレンジャー』から数えて35作目。第1話では「ゴーカイジャー」を除いた34戦隊が、CGなしで大集結。ライダーと違って戦隊は集団なわけですから、レギュラーメンバーが集まるだけで160人、追加戦士合わせると180人超え、そして映画では199人ものスーパー戦隊ヒーローが登場するという事件が起こりました。
37年間、途切れることなく放映し続けるスーパー戦隊の魅力
過去のスーパー戦隊に変身できたり、往年のキャストが出演してファンを湧かせる点では、「ディケイド」に負けず劣らずなんですが、「ゴーカイジャー」ならではの肝は、ゲストで現れるかつてのヒーロー達が、ヒーローの力を失ってるとこにあります。
まず、「ゴーカイジャー」は全員宇宙人という設定でして、地球にあるといわれている“宇宙最大のお宝”を手に入れようとやってきました。
この“宇宙最大のお宝”を手に入れるには、第1話で描かれたスーパー戦隊ヒーロー総動員の“レジェンド大戦"と言われる戦いで、ヒーロー達が敵を蹴散らすのと引き換えに失ってしまった“大いなる力”が必要不可欠でして、力を失ったヒーロー達に認めてもらわないと“大いなる力”が手に入りません。
そこで、どうやって認めてもらい力を授かるか、また戦隊によって異なる“大いなる力”は、いったいどんな力なのかを確認するのが毎回の楽しみでした。
「ディケイド」同様、過去のスーパー戦隊に変身できるという能力は、特撮ファンを湧かせました。特撮ファンでない方は、「ディケイド」より「ゴーカイジャー」の方が湧いたという声もよく聞きました。
それはなぜかと考えたんですが、仮面ライダーはところどころ放映してない期間がありまして。人によっては、幼少時代に仮面ライダーを触れることができなかったという人もいるんですが、スーパー戦隊は第3作目の『バトルフィーバーJ』以降、一度も途切れることなく放映し続けてきました。
つまり年齢によって多少ツボは違えど、子どもの頃、リアルタイムで観ていたヒーローの姿を「ゴーカイジャー」で観ることができ、特撮ファンでない人も、ノスタルジーをおぼえることができたんだと思います。
豪華ゲストにも負けない、存在感を見せつけた“宇宙海賊”
ゲストは本当にすごい方々ばかりでした。その興奮を伝えようと思ったら、この先の連載の十回分くらい書いてしまいそうなので、今回は僕が興奮したシーンの一部だけを。34歳前後の方に響いていただけるとうれしいです。
第30話、『超獣戦隊ライブマン』のイエローライオンに変身する、大原丈役・西村和彦さん出演。「ライブマン」と同じような立場のゴーカイブルーに、熱く語るシーンは心震えるものとなりました。
第33話、『五星戦隊ダイレンジャー』のリュウレンジャーに変身する、天火星亮役・和田圭市さん出演。当時のキレ以上のアクションを披露。「ダイレンジャー」ファンへの小ネタの数々は、感涙ものでございました。
そしてそして!
第28話、『鳥人戦隊ジェットマン』のブラックコンドルに変身する結城凱役・若松俊秀さん出演。「ジェットマン」の魅力はまた後日に熱く書かせていただきますが、とにかく、この結城凱の最後が壮絶なんです。なんと、死んでしまうんです。敵ではなく通り魔に襲われて。
そこから時を経て、結城凱がどう描かれるんだろうと思っていたら、当時「ジェットマン」の脚本を担当されてた井上敏樹さんが、「ゴーカイジャー」のこの回も脚本を担当されることになり、それはそれは見事に描いてくださいまして、何回繰り返し見て、何回泣いたかわかりません。
まだまだ豪華なゲストが出演されてまして、主役の「ゴーカイジャー」が霞むんじゃないかとお思いでしょうが、そんなゲスト陣にまったく引けをとらない存在感を見せつけてくれます。
戦いでは、とにかく強いし、海賊なので荒々しいアクションで目を奪い、ゴーカイガレオンという海賊船内でのメンバーのやり取りは、賑やかで思わず笑みがこぼれ、徐々に明らかとなるメンバー各々の悲しい過去は、物語に深みを与えてくれました。
見どころが無数の「ゴーカイジャー」、見ないと後悔ジャーになっちゃうよ!
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
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