映画コラム
「絶対当たれへんやろ…これ…」と先輩が呟いた『リベリオン』
「絶対当たれへんやろ…これ…」と先輩が呟いた『リベリオン』
どうも、南川です。
濡れ場の記事が好調だったみたいですが、格闘技やアクション系も語っていきたいので、バランスとりながらやろうと思います。
さて、今回の映画。
『リベリオン -反逆者-』
大学生だった僕は、映画館でアルバイトをしていた。
場所は大阪の難波。
そこには5つの劇場あって、1番大きい劇場には800席を超え、西日本最大のスクリーンを誇っていた古き良き映画館。
当時、「踊る大捜査線」や「スター・ウォーズ」などシリーズ大作が目白押しでバイトがバタバタしてる中、もうすぐ公開のポスターが劇場に届く。
その中で一際異彩を放っていたポスター。
「絶対当たれへんやろ……これ…」
バイトの先輩が呟いた。
そう。これが映画『リベリオン』との出会い。
photo by 写真AC
支配人も何かを感じたのか、5つも劇場があって1番小さい劇場からスタートする始末。
少数のチケットをもぎりながら、「でもクリスチャン・ベールですよ、『アメリカン・サイコ』の」
何故か、かばう僕。
ある日バイトの先輩が駆け寄ってきた。
「観たか? 南川。ガン=カタ観た?」
何の事かさっぱりわからない。
バイトは映画見放題だったので、何かの映画の事だということはかろうじてわかる。しかし何だ? ガン=カタ?
「いやいや、観てないの? ありえない! 観ろよ! 『リベリオン』!! まじやばいから!!」
首根っこ掴まれて、バイト上がりと同時にその日ガラガラの最終の回を観させられた。
ガン=カタとは、この映画に出てくる銃を用いた武道。
そんな「リベリオン」のストーリーをざっくり言います。
第3次世界大戦後、生き残った指導者たちは戦争勃発の要因となる人間のあらゆる感情を抑止させるべく、精神に作用する薬プロジウムを開発。これを国民に毎日投薬することを義務づけ、徹底した管理国家体制を敷いた。
反乱者は、クラリック(聖職者)の称号を持つプレストンを中心とした警察に厳しく処罰される。銃を用いた武道ガン=カタの達人でもあるプレストンは、冷徹に任務を遂行する非情の殺人マシンだった。だがある日、誤ってプロジウムの瓶を割ってしまった彼は、仕方なく薬を投与しないまま仕事を続けてしまう…。
ほら、どうですか?
正直ですよ? 観てる間、「ごめんなさい。ちょっとわからない。」の感情のみ。
待って待って。まだそこ理解してないよー。ちょっと待ってー。
の連続。
しかしやがて諦めるんです。
そしてこの映画の本質にたどり着く。
「いや格好ええやん。もうそれだけでいいわ。」
これ。
これのみ。
映画ファンが言うんです。
「世界観マトリックスに似てね?」とか「ストーリーに粗がある」とか「結局何の物語なの?」
うるせえってんだ。
むしろストーリーいります? いらんいらん。
無表情で殺しまくるクリスチャン・ベールがいたらそれでええ。
何が格好いいか?
まず銃の出し方カッコいい。
映画『タクシードライバー』の主人公のように袖から出てくる。
さらにそれが2丁拳銃。両方からスチャ。
めちゃスムーズ。
弾が切れたら銃をクイっと傾ける。
するとさらに、袖から新たな弾が装填される。スチャ!
そして0距離でバンバン。
そう、四次元ポケットならぬ四次元袖。
袖には永遠の空間があるくらい何でも入る。そこに疑問を持つ奴クソ。
また敵がいっぱいいる時には、先に新しい2つ弾投げちゃう。
そしてそこまでバンバン撃って、よき所でジャンプ。
着地と同時に銃を地面に付けると、自然に装填。スチャ!!!
また0距離でバンバン!
「そんな上手いこと行くか?」と言う奴はもう観るな!!
その一連全てが格好良い。いや良すぎる。
もし僕が中学校の頃にこの映画に出会っていたら、寝る間も惜しんでこの装置作るだろう。
夢と憧れがこの映画には詰まってる。
圧倒的なカッコよさにはメッセージも思想も極論ストーリーもいらないのだ。
ラストのガン=カタの妙義。
カンフーと銃を合わせた戦いは大発明でしょう。
なんでもっと話題にならないんだ!?
そんな作品「リベリオン」 。
観てない方は絶対観て!!
(文:南川聡史)
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