熱狂と失望の“キングオブ特撮”『ゴジラ』が再び!【篠宮暁の特撮辞典・第26回】
【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典・第26回】
再び盛り上がりを見せる“キングオブ特撮”
元祖をテーマに記事を書かせていただいていたのですが、ラストはやっぱりコレ。「ゴジラ」!
キングオブ特撮、元祖オブ元祖。
『シン・ゴジラ』も公開され、再び盛り上がっていますが、僕個人的な「ゴジラ」の歴史は期待、歓喜、裏切りの繰り返しでした。
僕の「ゴジラ」デビューは、平成ゴジラvsシリーズの1作目『ゴジラvsビオランテ』でした。正直、当時小学1年生の僕にはストーリーがさっぱりで、生意気にも「やっぱり自分は東映の特撮の方が合うな」などと思った記憶があります。
しかし、スクリーンに現れたゴジラの迫力に衝撃を受け、ビオランテの凄まじく気持ち悪い姿に恐怖を感じ、いまだにトラウマになるほど記憶にこびりつくも、それと同時に虜になっている自分もいました。
この『ゴジラvsビオランテ』のストーリーは、はっきりいってシリーズでナンバーワンと言っていいほど面白いのですが、その面白さに気づくのはしばらく経ってからでした。
丁寧な描写や戦闘の迫力に熱狂するも…
なので僕が、がっつりハマったのは、91年公開の『ゴジラvsキングギドラ』、92年公開の『ゴジラvsモスラ』、93年公開の『ゴジラvsメカゴジラ』です。
特に「キングギドラ」は、23世紀の未来人が現代に現れて、そこから第二次世界大戦の時代にタイムマシンで行き、ゴジラの存在自体をなかったことにしようとするバリバリSFの内容なのですが、僕がいまだにタイムワープものの作品が好きな原点は、この映画のせいかもしれません。
「メカゴジラ」では、出撃する際の丁寧な描写が“これぞ特撮”といった感じで熱狂しました。幕張を舞台にした戦闘も、もの凄い迫力でした。
しかし続く『ゴジラvsスペースゴジラ』『ゴジラvsデストロイア』が個人的にどうもハマらず、そこにダメ押しでローランド・エメリッヒ版の『GODZILLA』に幻滅してしまい、ゴジラ熱が消えかかる事態に陥りました。
そんなとき、白黒映像に抵抗があり、勝手に子ども騙しの古くさい映画と決めつけて避けてきていた、第1作目の『ゴジラ』をふと見てみることにしました。
原点回帰でテンションアップ!
いざ見てみて一言。めちゃめちゃオモロいやん。
古くささなんて一切なく、映像の不鮮明なところがよりゴジラの怖さを引き立たせていて、特撮自体も戦後たった9年しか経っていないのに、「そんな昔に、よくここまで精巧にミニチュアを作ってあるなぁ」と驚きの連続でした。
戦後の生々しい空気も作品の中に流れていて、いくら技術が発達しようとも、この空気感はこの作品でしか味わえないと思います。『シン・ゴジラ』を見る前に見てもよし、見てから見るもよし。とにかく絶対に見た方がいい1本です。
「ゴジラ」ざるものゴジるべからず。
「キングギドラ」と「モスラ」には、ライダーやウルトラマンでおなじみの小林昭二さんが出られていて、ここでも名演されています。
あとローランド・エメリッヒ版の『GODZILLA』はあまり好きではありませんが、渡辺謙さんが出ている方の『GODZILLA ゴジラ』は日本の「ゴジラ」にも負けず劣らずの作品で、大好きです。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も公開中!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。