暗い・だるい・激しい…松本潤が魅力的な映画『ナラタージュ』
『ナラタージュ』での松本潤
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
とはいえ、やはり、ダントツに表も裏も暗く、重たいキャラクターだったのが『ナラタージュ』の葉山先生です。葉山先生には、「暗い・だるい・激しい」の3拍子が揃っていますので、そのポイントに注目してご紹介します。
1.暗い
とにかく、本編2時間20分、ずっと、暗い。
松本潤さん自身も、今作に関するインタビューで「自分が主役(映画のクレジットで名前が一番に来る)なのはしっくりこない気がした」と話していらっしゃいましたが、たしかに、原作は明らかに泉が主人公であり、作品全体を通しても女性に焦点を当てています。
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
それを、映画であえて葉山先生=松本潤さんを主役に据え置くことで、暗さを引き出しているように見えます。
そうした理由はいくつもあると思いますが、もともと、小説でも葉山先生の描写はさほど多くないうえに、映画ではさらに削られています。小説ではト書きで説明できるのに対し、映画で言葉を入れるとなると、モノローグか、説明台詞になってしまうからでしょうか。
葉山先生がどんな人物なのか、どんな人生を歩んできた人なのか、それを暗に示すための「暗さ」だったと思うのです。
2.だるい
「暗さ」を表すひとつとして、歩き方も、喋り方も重だるい。台詞が聞きづらいなどの弊害はありませんが、それだけで、観ている人の気分も落ちていきます。
もちろん普通に歩いているシーンもありますが、メガネをかけていて普段からあまり表情が読めず、服装にも特徴がないので、全体的に気だるさが漂っていたりします。
もちろん、場面によって歩き方や喋り方は変わっていますので、ぜひ実際に観ていただきたいところです。
3.激しい
全体的に暗さを漂わせているなか、激しさを見せる部分もありました。
ひとつは、高校時代に泉がクラスに馴染めず、いじめの対象になって制服のままプールに落とされたときのこと。あまりに急だったので不自然に感じるほどでしたが、葉山自身の善悪が垣間見られる瞬間です。
もうひとつは、泉に対する想いが爆発する場面です。葉山のこの行動自体には賛否両論あると思いますが、松本潤さんとしても、これまでにない激しさを表現していた部分だったので、見逃せない場面のひとつです。
圧倒的な存在感の松本潤
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
暗い、だるい、激しい、の松本さんご自身とは似ても似つかぬ3拍子、圧倒的な存在感がありました。
これは少し余談ですが、撮影中、泉役の有村架純さんはずっと富山に泊まりがけで『ナラタージュ』漬けだったのに対し、松本潤さんは嵐としての仕事もあるため、東京との行き来が続いたとか。
もう慣れたものなのかもしれませんが、嵐・松本潤としても、俳優・松本潤としても、どちらにも引きずらないところは、流石としか言いようがありません。とくに、今回のように暗くて重みのあるキャラクターならなおさらそう感じます。
今回はストーリーに触れずに紹介したので、映画をご覧になってから、答え合わせのようにこの記事を読んでいただくのも良いかもしれません。
公開は始まったばかりですので、ぜひ劇場でご覧くださいね!
(文:kamito努)
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