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2018-10-26

『もののけ姫』を奥深く読み解く「5つ」のポイント!子供が登場しない理由とは?

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4:なぜタタラ場には子供がいないのか?


『もののけ姫』の劇中に“子供が登場しない理由”にも触れておきましょう。これまでの宮崎駿監督作品には必ずと言っていいほどに子供が活躍する場面があったのですが、製鉄所のタタラ場にはなぜか大人の女性か男性かしかいません。子供どころか、老人に当たる人物もいないように見えます。

これは、ひとえにタタラ場が危険な場所ということも関係があるのではないでしょうか。エボシ率いる男たちは山の神の怒りに触れながらの森林を切り崩し、鉄も地侍たちに狙われていたりしているなど、“戦場になってもおかしくはない場所”です(実際にそうなります)。アシタカが「まるで城だな」と言っていた通り、そこには外部から敵の侵入を防ぐ針山も張り巡らせられていました。タタラ場の人々はとても子供を安心して育てられる環境ではないとわかっており、子供を作らないようにしたか、または親類か近くの村などに預けていたのかもしれません。

なお、宮崎駿監督は「タタラ場では、男が守らなければいけない女とか、家族の中の女性というふうにはしないで、わざと切り離した。子供を入れるとややこしくなるから、入れなかった。そのうち子供もいっぱい産まれてくるんでしょうけど、今はまだそういう時期じゃないっていう状態のタタラ場にしておこうと思った」などと語っています。

そのタタラ場では、女性が「男がいばらないしさ!」と言っていたり、公方の使者がやってきた時は「こっちは生まれたときからズーッと無礼だい!」と追い返していたりなど、“女性が強い”場所になっています。実は、宮崎駿監督はタタラ場という舞台について「従来の時代劇の常識や先入観や偏見に縛られず、より自由な人物像を形象する場所である」とも語っており、その“自由な人物像”には、ステレオタイプな武士や農民とは違う、製鉄所で働く“強い女性”もあったのではないでしょうか。

また、エボシは最後に「誰かアシタカを迎えに行っておくれ。みんな初めからやり直しだ。ここをいい村にしよう」と言っており、争いを避けようとしていたアシタカに感化され、その力を借りて平和な村にしていこう、という意思が見えます。新しくなった村は、安心して子供を育てることができる場所になっていくのかもしれませんね。

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