インタビュー

2018年12月23日

平成仮面ライダーとは“謎の概念”!?『仮面ライダージオウ』白倉P&武部Pに篠宮暁が直撃!

平成仮面ライダーとは“謎の概念”!?『仮面ライダージオウ』白倉P&武部Pに篠宮暁が直撃!



篠宮:その構想というのは、白倉さんがテレビシリーズから離れている間に頭にあったんですか?

白倉P:いえ。かけらも。

武部P:(笑)。

篠宮:なかったんですね! へぇ〜!

白倉P:『ジオウ』を作ると決まってからですね。レジェンド全部を出すというのは考え方としてはあるんだけど、それも大変だし、考えるのも辛くなってきたので、レジェンドという考え方をやめようと思ったんだけど、武部さんから「レジェンドから逃げない!」と言われて…。

武部P:逃げている場合ではありません!と(笑)。

白倉P:ノートに「レジェンドから逃げない!」と書いて(笑)。




武部P:打ち合わせ部屋のホワイトボードにも「レジェンドから逃げない!」と書いたら、今度は田﨑竜太監督から「時間から逃げない」と言われ(笑)。

そう、企画スタートのときはロボットに乗る仮面ライダーでしたもんね。ロボットで巨大戦をするっていう構想が一番最初の最初。

篠宮:それはタイムマジーン?

武部P:そうですね。あとレジェンドライダーの鎧というか、変身スーツもロボットみたいな感じですよね。

白倉P:巨大ロボとか、アーマータイムとか。いろんなロボットやメカを駆使するライダー。

武部P:それぞれのライダーの小さいメカがあるというイメージを出したり、犬みたいなタイプがあったり、いろいろと面白い案がありましたね。

白倉P:ディケイド型巨大ロボとかもね。レジェンドロボシリーズみたいな。

武部P:全部がすごくいかついようなイメージだったけど、どこをどうなったのか…。

白倉P:かけらも残ってないじゃんって(笑)。

武部P:だから、そのレジェンドライダーの鎧もまぁロボの延長ですよね。それを着て戦う。

白倉P:なんでアーマーが自立するんだって(笑)。

武部P:自立したり、飛んできたり。オール20体のロボがいるみたいな。

篠宮:レジェンドや時間から逃げないということと真っ向勝負してるなって感じるんですが、そこはどうですか?

白倉P:…つらいですね。

篠宮:あはは!

武部P:企画側として、どういう企画ってひと言で説明できなくてはいけないっていうのがありますよね。そのときに、『ディケイド』みたいなものを20作でやるんです、というのがいちばんわかりやすいし、受けもよかったんです。




白倉P:通りが良かったですよね。シリーズとしては『ディケイド2』、エピソードとしては『仮面ライダー電王2』。

武部P:電王とかぶるから時間モノはやめよう、とか。そんなこともありましたけど。

白倉P:時間はやめましょうと言ったら、田﨑監督が「顔が時計なのに、時間モノじゃないというのはないでしょう」と(笑)。

武部P:デザインがやっぱり先に決まっているので。なんでそうなったんでしたっけ?

白倉P:平成ってものを、時代ってものをどうしたら仮面ライダーで表現できるんだろうという議論の果てに。

武部P:でも、腕時計は小さくて弱そうなんですよ。そのモチーフだけだとぺしゃっと潰れそうだから、顔にライダーの文字をいれて他にないものにしたという。腕時計だけだと、いかにやっても力強さが出せなかったんですよね。

白倉P:かっこよくはあるんだけど、エグゼイドの眼力に勝てない。

武部P:あと、髪型とかね。

白倉P:レジェンドで並んだときのことを考えると、エグゼイドのインパクトにかなわないっていう(笑)。

篠宮:でも、もう今はそのマスクがカッコよく見えますもんね!

白倉P:不思議なもので。

武部P:あと、子供が似顔絵を描きやすいとか、学校には必ず時計があるので、それを見たら思い出してくれるっていうこともありましたけど。大元は平成を代表するもの、ということでしたね。

篠宮:お二人はAmazonプライム・ビデオでの配信作品『仮面ライダーアマゾンズ』も担当されていらっしゃいましたが、『アマゾンズ』以前、以後で考え方は変わりましたか?




白倉P:変わってはいないと思いたんですが、割り切れるようになっているかもしれないですね。『ジオウ』は日曜午前の番組で、配信ベースの番組『アマゾンズ』とはターゲットが違うし、環境も違う。日曜朝から見たくないあまりに暗いシーンとか、汚い言葉、気分が悪くなるようなことはしないと意識するのは当然のこと。それ以外にもいろんな制約が増えているので、今のテレビを取り巻く環境というものを改めてぶつけられたような気はしますね。でも、『アマゾンズ』を経てきたから、これはこういうものと逆に割り切れる。

武部P:そうですね。別に窮屈な感じはしないですね。変な話、テレビシリーズは武器やフォームがたくさん出てきたり、新しいライダーも出てきますけど、それはそれで盛り上がるので。華やかになって、子供受けもしますし、やっぱり足枷とは感じない。なんか変わりましたかね? 『アマゾンズ』を経て。

白倉P:『アマゾンズ』をやっていなければ、もっとぶつかってたかもしれないですね。

武部P:『アマゾンズ』に比べれば…みたいな(笑)。昔からするとだいぶ変わったなっていう気はしますよね。私も『仮面ライダー鎧武/ガイム』から5年ぶりくらいのテレビシリーズなので。やることが多いといったら変なんですけど、ネットの配信もあって、絶えず何かを発信しつづけてる番組という気がしますね。

篠宮:TTFC(東映特撮ファンクラブ)では、『仮面ライダージオウ 補完計画』を配信していますね。あれは白倉さん発案なんですか?

白倉P:そうですね。

武部P:昔のネットムービーシリーズみたいな感じですね。

篠宮:ありましたね! 『電王』の頃とか。

武部P:『ディケイド』でもありました。あのときもみんなで意見を出し合って作っていました。『電王』のデネブのソフビを作ろう、とか。

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