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子供心を掴まれた『星雲仮面マシンマン』への思い入れ語る
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子供心を掴まれた『星雲仮面マシンマン』への思い入れ語る
小さい頃に見たヒーローで異様に記憶に残ってる作品があります。
スーパー戦隊でも仮面ライダーでもなく、メタルヒーローのようでメタルヒーローでもない。
でも、東映感はものすごくあるヒーロー。
『星雲仮面マシンマン』
子供の脳にバチッと焼き付ける黄色と赤のスーツに、何と言っても一番の特徴はざっくり口元が晒されたマスク。
僕の特撮デビューは1985年の『電撃戦隊チェンジマン』と『巨獣特捜ジャスピオン』でして、このマシンマンは1984年の作品なので、リアルタイムでは見てなかったはずなのですが、雑誌情報からなのか、その強烈なビジュアルは確実に幼少期の自分を捕らえていました。
それもそのはず。
この「マシンマン」は石ノ森章太郎先生のデザインなのです。
子供の心を掴む黄金比が、「マシンマン」にも取り入れられているのかもしれません。
当時おもちゃでヒーローのヘルメットが多数発売されていて、僕もチェンジマンやフラッシュマンのヘルメットを持っていたんですが、当然劇中のマスクとは違い口元には何もない丸見え状態なわけです。
そんな中、友達がマシンマンのヘルメットを持っていまして。
マシンマンは本物も口が出ているわけですから、このおもちゃのヘルメットを被ると、なりきり度が異様に高く、それを見て喉から手が出るほど欲しくなってしまった記憶があります。
ですが、当時はメルカリやまんだらけなんてないので、放送が終わった作品の商品を買うのはほぼ不可能。
透明のカッパを肩につけ、マシンマンのシースルーのマントを再現して遊んで何とか耐え凌ぎました。
さて、この「マシンマン」なんですが、敵と戦った最後にはカタルシスウェーブというのを浴びせ、悪い心を良い心に浄化させ、警察に自首させるヒーローで、この部分だけが一人歩きしてネタ的な感じで扱われることが多かったりもするんですが、敵の作戦が実は子供番組らしからぬ狡猾さで背筋が凍るほどなんです。
例えば、ある少女の前に実は産みの親は私なのよと赤の他人の女に演技させて、本当の母親との絆を裂こうとしたり、ヒロインの弟を人質にして敵幹部の男とヒロインを結婚させようとし、結婚しないと弟をペシャンコに潰すと言って本当に潰そうとしたり。
なんか大胆な作戦とかではなく、ちょっと陰湿なんです。
また出てる子役の演技が上手で、本当にかわいそうに見えるんです。
でも、不思議なのが作戦自体は陰湿なのに、「マシンマン」という作品がポップなのかカラッと見ることができるんです。
特撮は矢島信男さんが手掛けられていて、今では出せないミニチュアを使った独特の特撮を見ることができますし、カメラマンは今やこの方無しでは東映特撮が回らない、現在は『魔進戦隊キラメイジャー』を撮られている松村文雄さん。
なんと、「マシンマン」で初のメインカメラマンに。
そんなマシンマンですが、先日主役の高瀬健を演じていた佐久田脩さんが亡くなられてしまいました。
本当に残念ですが、ヒーローとしてファンの記憶に残るということはすごいことだと思います。
心からご冥福をお祈りいたします。
(文・篠宮暁)
■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
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