2018年アニメ映画20選!本当に面白かったのはコレだ!

もう2018年もほぼほぼ終わり。素晴らしい映画がたくさん公開されましたが、“アニメ映画作品”も大充実していたことをご存知でしょうか。ここでは、2018年に公開されたアニメ映画の中から、筆者が独断と偏見で厳選した本当に面白かった20作品を紹介します! (※紹介する順番は公開日に沿っています)

1:『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』






ご存知『マジンガーZ』の劇場版アニメ最新作で、時代設定はテレビアニメ版の10年後になっています。ロボットアニメの魅力が短い上映時間にこれでもかと詰め込まれており、マジンガーZという作品への愛に溢れていながら、何の予備知識なく観ても楽しめる間口の広い内容になっていました。永井一郎による主題歌にテンションは爆上がり、マンガ家ユニット“うめ”の1人である小沢高広が手がけた脚本には“情熱をぶつけ合う”楽しさが満載で、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイを彷彿とさせる外見ながら天真爛漫なヒロインなど、もう「幸せ……!」となるポイントばかりです。豪華声優陣も勢揃いしており、今年8月に亡くなられた石塚運昇もDr.ヘル役で出演しています。

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2:『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』




ご存知「西遊記」を題材にした作品で、中国では国産アニメとして歴代1位の興行収入(日本円で約192億円)を記録するほどの大ヒットを遂げていました。「ドラゴンボール」を彷彿とさせる吹っ飛びまくりアクション、『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』を思わせるジブリ映画に似た画もたくさんあり、スペクタクルと冒険活劇の楽しさを「これでもか!」と堪能できる作品に仕上がっていました。粗暴だけど優しさを併せ持つ主人公の“成長物語”の要素も備えており、キャラクターは敵も含めて誰もが魅力的で、教育上も良いメッセージも込められていると、まさに親子で楽しめる映画になっていました。日本語吹替版の製作監修および主題歌と挿入歌の作詞を『ゲド戦記』や『コクリコ坂から』の監督である宮崎吾朗が務めており、実力派の声優たちによる吹替版のクオリティも最高クラスです。

3:『ぼくの名前はズッキーニ』




ちょっと人形を動かして、撮影して、またちょっと動かして……という多大な労力を伴うストップモーションアニメで、理由があって両親と暮らせなくなった少年少女たちの姿を追った映画です。その境遇は過酷そのもので、誰もが彼らの幸せを心から祈ることになるでしょう。魔法などのファンタジーもなく、大きな事件もそれほど起きず、大仰な演出もほとんどないにも関わらず、とことんエモーショナルな作品に仕上がっていました。大人こそ、子どもとの接し方について学べることも多いでしょう。後述する『リメンバー・ミー』と合わせて観ると、“家族のあり方”についての見識がさらに広がるかもしれませんよ。

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4:『絵文字の国のジーン』




日本発祥の文化である絵文字を主題にした作品です。特筆すべきはその圧倒的な低評価で、映画情報サービスのIMDbでは10点満点中3.2点、Rotten Tomatoesではたったの8%を記録。しかもゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)において最低作品賞・最低監督賞・最低脚本賞・最低スクリーンコンボ賞の4部門を受賞するという大変不名誉なことになっているのです。しかしながら、実際に観てみるとこれが意外にも(失礼)おもしろい! 「なりたい自分になればいい」という王道のメッセージがあり、ヒロインは可愛らしく、スマホ世代のコミュニケーションをイジったギャグにもニヤリとさせられ、ラスボスがいつもニコニコしているサイコパスなブラック企業の社長っぽいのも皮肉が効いています。確かに絵文字に人格が宿っているという設定にはやや無茶さもあり、後半の展開にもやや強引なところもありますが、個人的にはこれくらいなら許容範囲です。日本語吹き替え版が櫻井孝宏、杉田智和、中田譲治、三木眞一郎、子安武人(う◯こ役)など超豪華なので、声優ファンにもおすすめですよ。

5:『さよならの朝に約束の花をかざろう』




『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『心が叫びたがってるんだ。』の他、多数のテレビアニメの脚本を手がける岡田麿里が初めて監督を手がけた劇場用アニメです。その最大の特徴は、年を取らない種族の女性が、人間の少年の母親になるという“子育て映画”であるということ。劇場用アニメとしてのボリュームは存分で、描く舞台の範囲はミニマムでも壮大な物語を観たという満足感がありました。岡田麿里の脚本は良い意味で男女関係などが“生々しく”描かれることが多くあり、今回は息子が“マザコン”を自覚することにその作家性に表れていました。ファンタジーとして説得力がある世界観、ゲーム「タクティクスオウガ」などの吉田明彦が原案を手がけたキャラクターデザインも秀逸です。

6:『リメンバー・ミー』




メキシコの“死者の日”をモチーフにした画の美しさ、音楽へのひたむきな愛情、普遍的な家族というテーマ、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』にも通ずる死生観の訴えなどがバランス良く描かれており、ピクサー作品のイマジネーションの豊かさ、練りに練られた脚本の完成度がさらに高いレベルに到達していました。2018年のアニメ映画の中でも有数の大ヒットとなったことにも大納得です。併映されていた短編アニメ『アナと雪の女王 家族の思い出』にはやや不評の意見もありましたが、本編との“対比”があることに気づくと、面白く観られるはずですよ。

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7:『ボス・ベイビー』




外見は可愛い赤ちゃんだけど、中身はおっさんというギャップが楽しい作品です。可愛い!でもウザい!ウザい!でも可愛い!というだけでも面白いですし、まさかの大スペクタルなアクションも展開し、“想像の力”を鼓舞する物語もカタルシスがあり、良い意味でカオスなことになっていくクライマックスなど見所は満載でした。“愛情は分け与えられるか”という普遍的な問いに答えを出す作劇も見事です。生まれてくる弟(妹)に嫉妬してしまうというのは、後述する『未来のミライ』にも通じていますね。Netflixではこれまた皮肉が効いていて、大人も楽しめるスピンオフシリーズ『ボス・ベイビー: ビジネスは赤ちゃんにおまかせ!』も配信されていますよ。

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8:『リズと青い鳥』




『聲の形』や『けいおん』の山田尚子監督が全力で「女の子超可愛い!マジ可愛い!」と訴えまくっている内容で、その“百合(女の子同士の愛情または友情)”描写、一挙一動の動きは繊細というかもはや「監督は変態なのでは…」と思わざるを得ない域でした(超褒めています)。物語の起伏は少なくても登場人物の感情の変化はスリリングで、ちょっとしたセリフやアイテムにも意味を持たせているため二度三度と観るたびに新しい発見があり、“日常を魅力的に見せる”というアニメの面白さに満ちています。テレビアニメ『響け! ユーフォニアム』の劇場用最新作にして、サブキャラクターを主人公としたスピンオフ作品でもあるのですが、そちらを知らなくても楽しめるでしょう。

9:『犬ヶ島』




物語は“愛犬を探すロードムービー”と“権力者の悪事を暴く”という2つの軸でわかりやすく展開するのですが、さすがは『ファンタスティックMr.FOX』や『グランド・ブタペスト・ホテル』のウェス・アンダーソン監督、“他の監督が同じ物語を撮っても絶対にこうはならない度”が凄まじく、トレードマークであるシンメントリーな構図、一癖も二癖もあるキッチュなキャラクターたちなど、唯一無二の世界観が全編で大盤振る舞いでした。1回観ただけでは全てを把握できないほどの情報量は、『レディ・プレイヤー1』にも引けを取りません。字幕版では野田洋次郎、渡辺謙、村上虹郎、夏木マリ、オノ・ヨーコなどの日本人キャストが声を担当しているのも目玉。吹替版では森川智之、楠大典、遠藤綾、戸松遥という豪華声優陣を起用している他、ナレーションを故・石塚運昇が務めています。

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10:『アーリーマン 〜ダグと仲間のキックオフ!〜』




『ウォレスとグルミット』や『ひつじのショーン』シリーズでおなじみのアードマン・アニメーションズの作品です。大迫力の試合の演出、思わぬ伏線回収をする作劇、愛すべき登場人物たち、クレイジーなギャグに至るまで超ハイクオリティのクレイアニメで、サッカー映画の最高傑作と呼んでも過言ではないほどの完成度を誇っていました。W杯で日本が大盛り上がりしていた時期に公開されていたのにも関わらず、興行成績はかなり苦戦していたということで悔しい! 字幕版ではエディ・レッドメインが主人公、トム・ヒドルストンが悪役にバッチリとマッチ。吹替版では梶裕貴、大塚芳忠、沢城みゆき、山寺宏一、堀内賢雄、戸田恵子など超豪華声優陣が集結していますよ。なお、アードマンの最新作にして『ひつじのショーン』の長編映画シリーズ第2弾『A Shaun the Sheep MOVIE:FARMAGEDDON(原題)』が2019年12月に日本公開予定ですので、ちゃんとチェックをしてください!(切実)

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11:『インクレディブル・ファミリー』




『Mr.インクレディブル』の14年ぶり(!)の続編ながら、物語が前作の直後から始まるという内容です。この現実での年月の隔たりがありながら作中では登場人物の見た目が変わっていないというのは、アニメでしかできないことですよね。奥行き感や高低差のあるダイナックさとハイスピード感MAXのスパイアクションがたっぷりの上、“スーパーヒーローの活躍を通じて家族の関係を描く”物語としても存分に楽しめる内容になっていました。子育てへの問題提起や解決方法には、大人こそハッと気づくことが多いでしょう。

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12:『ペンギン・ハイウェイ』




町になぜか出現したペンギンの謎を追うジュブナイル(少年期)ファンタジーです。短編『陽なたのアオシグレ』や『台風のノルダ』が高く評価されたスタジオコロリドの第1回長編作品で、『フミコの告白』で話題を集めた石田祐康監督らしいクライマックスの疾走感と表現だけでも必見です。あり得ない現象を通して少年の探究心を追求し、“わかろうと努力すること”を肯定する物語になっており、不条理な世界観と哲学的思考に溢れた『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が好きな人もきっと気にいるでしょう。『夜は短し歩けよ乙女』に続いて、森見登美彦の小説が見事にアニメ映画化されたことが嬉しくて仕方がありません。

13:『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』




(C)2018 STUDIO PONOC  


『メアリと魔女の花』のスタジオポノックの最新作にして、3作品からなるオムニバス映画です。どの短編もアニメでしかできない表現に果敢にチャレンジしており、宮崎駿や故・高畑勲を受け継ぐ演出も随所に見られ、54分という短い総上映時間ながら高い満足感を得ることができました。興行的にはかなりの苦戦を強いられていたようですが、映像作品がありふれている現代で豊かなアニメを“これからも作っていく”という企画の志は極めて高く、アニメ映画の可能性を考えるという意義においても、もっと多くの方に観て欲しい作品です。

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14:『若おかみは小学生!』




 (C)令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会 


『カメラを止めるな!』に続き、SNSでその高評価が話題となった作品です。2週目で公開回数が激減してしまったものの、絶賛の口コミが続々と投稿され首都圏では満席の回も続出し、一部のシネコンでは復活&新規上映が決定、現在も全国各地の劇場でロングランヒットが続いているのです。それもそのはず、『茄子 アンダルシアの夏』の高坂希太郎監督と超実力派のスタッフによる細部まで徹底された見事な作画、前述の『リズと青い鳥』も手がけた吉田玲子によるロジカルに構成された神がかり的な脚本の他、演出、音楽に至るまで、何度観ても新しい発見がある、まさにアニメ映画史に残る大傑作に仕上がっているのですから。タイトルや絵柄で敬遠するのは、あまりに勿体無いです。一生のお願いなので、観てください。

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15:『スモールフット』




(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED. 


体は巨大なのに臆病で心優しいイエティたちと、人間たち(イエティに比べて足が小さいという意味でのスモールフット)の交流と軋轢を描いたファンタジー作品です。大きな魅力は『アナと雪の女王』を思わせる雪の景色を背景にしたミュージカルシーンと、“伝統”や“相互理解”における問題と解決をロジカルに語りきった物語です。吹替版の木村昴、宮野真守、早見沙織、立木文彦という最高の声優陣による楽曲はそれぞれ耳に残り、イエティ側と人間側と価値観それぞれにも納得ができ、“双方にとって最善の道”を探す物語には胸が熱くなりました。人間側の主人公が、かつては動物を純粋に愛していたのに、今では視聴率やネットのバズりを優先するようになってしまう…というのも現代的で何とも身につまされます。前述の『若おかみは小学生!』に続き、「こんなにも素晴らしい作品なのに、ぜんぜん知られてないよ!もっとみんな観てよ!」と心から訴えておきます。

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16:『ムタフカズ』




(C)ANKAMA ANIMATIONS - 2017 


『鉄コン筋クリート』や『マインド・ゲーム』などで知られるSTUDIO4℃が、フランスの映像制作会社ANKAMAと共にバンド・デシネ(マンガ)をアニメ映画した作品です。メインとなるのは血で血を争う戦いに巻き込まれてしまう逃避行で、物語は良い意味で破天荒で先が読めず、可愛い絵柄とギャップのあるバイオレンス描写がたっぷり、カーチェイスと銃撃戦はアニメならではの特徴を生かして大迫力、最悪な状況と場所に身を置くしかない負け犬たちの心情もたっぷりと描かれるなど、独創的な作品に仕上がっていました。吹替版で草なぎ剛と柄本時生が演じる友だちコンビが魅力的な他、人気声優の上坂すみれが演じる可愛くてミステリアスなヒロイン、満島真之介が演じるキャラが披露する見事なラップも聞き逃せませんよ。

17.『劇場版 はいからさんが通る 後編 花の東京大ロマン』




(C)大和和紀・講談社/劇場版「はいからさんが通る」製作委員会 


過去にもさまざまなメディア展開がされてきた少女マンガのアニメ映画作品で、2017年に公開された前編に続く完結編です。大正時代の時代背景と三角関係のもつれと苦しみが丁寧に描かれ、それぞれのキャラを心から応援することができる、“古き良き少女マンガ”の魅力に溢れた内容になっていました。予算と制作期間が厳しかったのか作画はやや物足りず、物語も駆け足になっていることも否定はできませんが、メディア作品で初めて原作のストーリーを最後まで描き切ったことも賞賛されてしかるべきでしょう。早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴(演じているのは“男の娘”!)、瀬戸麻沙美、坂本真綾など、こちらも豪華声優陣が勢ぞろいしていますよ。

18:『映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』




(C)2018 映画HUGっと!プリキュア製作委員会 


ご存知『プリキュア』シリーズの劇場版最新作なのですが……驚きました。なぜなら、“今までのプリキュアを観ていた大人のファン”がターゲットとしか思えない、しかも“映画のプリキュア”でしかなし得ない、大感動のクライマックスが用意されていたのですから! その他も熱いシーンの連発で、例えるなら『シャークネード』の“観覧車アクション”、『うしおととら』の終盤の展開、『ベルセルク』の“蝕”、『デッドプール』の“第4の壁突破”などを連続で体感したかのよう。内容はもはやプリキュア版『ニュー・シネマ・パラダイス』や『ブリグズビー・ベア』や『レディ・プレイヤー1』と呼んでも差し支えないでしょう。筆者はプリキュアシリーズのことをほとんど知らずに観てしまったので、ファンの方が羨ましい!

19:『ドラゴンボール超 ブロリー』




 (C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会


とにかく凄いのが、終盤のハイスピードバトルのつるべ打ち! どれくらいアクションがぶっ続くかと言うと『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ガールズ&パンツァー劇場版』に匹敵するレベル! 前半で丁寧にキャラの関係性を描き、後半でただただバトルを展開するという構成も思い切りがよく、間違いなく『ドラゴンボール』の劇場版の最高傑作と断言できます。新キャラも魅力的で、“適当な性格のイケイケお姉さん(超かわいい)”と“面倒見の良さそうなおじいさん(親しみやすい)”というコンビをずっと観ていたくなります。さまざまな演出が楽しめるアトラクション的上映方式・4DX(MX4D)との相性も最高クラスでしょう。『ドラゴンボール』ファンならずともオススメできる1本です。

20:『シュガー・ラッシュ オンライン』




 ©2018 Disney. All Rights Reserved.


悪役ゲームキャラの魅力を描きながら、普遍的な“仕事”へのメッセージも備えていた『シュガー・ラッシュ』の6年ぶりとなる続編です。今回は“インターネットあるある”なギャグの他、“友情”についても正しい関係性を保つためのヒントが込められているなど、前作に続いて大人こそがハッと気づかされる内容になっていました。吹替版も字幕版も、過去のディズニー作品のキャラにしっかりその時の声優を(一部を除き)再び起用していることも最高です。前述した『若おかみは小学生!』に続き“年の差お姉さん百合”が尊い他、ディズニープリンセスが総出演して“女子会”のような雰囲気になっているのも、たまらないものがありますよ。

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まとめ:他にもこんなに素敵なアニメ映画があった!


その他で本当に面白かったアニメ映画は、DCコミックのヒーローが集結し日本独自の解釈が満載だった『ニンジャバットマン』、少年少女たちが力を合わせてタワーを攻略していくシンプルかつアツい内容の『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 〜2人の英雄〜』、“百合”なカップルのイチャイチャが描かれたマンガのアニメ版(厳密には映画ではなくOVA作品)の『あさがおと加瀬さん』、可愛い女の子たちが沖縄で夏休みを満喫する『のんのんびより ばけーしょん』(こちらも吉田玲子脚本!)、破天荒で海外でも人気を集めた伝説のアニメの新作『フリクリ オルタナ』および『フリクリプログレ』、たったひとりでほぼすべてを作り上げたというホラー作品『アラーニェの虫籠』、両腕を失った少女が逃避行をするハードな物語が紡がれたフランス製アニメ『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』などです。

また、Netflixで配信されているオリジナル作品にも注目して欲しいところ。中国製アニメの底力を見せた『紅き大魚の伝説』、『ベイマックス』にも似たロボットと子供の友情の物語が展開する『ネクスト ロボ』、『君の名は。』を手がけたスタジオが韓国と共同で手がけた『詩季織々』(劇場公開もありました)、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』も高い評価を得たアイルランドのスタジオの最新作『生きのびるために』なども、アニメファンならずとも映画好きであればぜひ観て欲しい映画です。

その他、『未来のミライ』は問題作と言っても過言ではない内容でしたが、細田守監督ならではの家族観、アニメとしての表現、フェチズムも極限に達していた、唯一無二の作家性が表れた内容になっていました。細田監督の次回作にも、大いに期待したいところです。

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おまけ:2019年に早くも公開となる、このアニメ映画も要チェック!


2019年に早くも公開となるアニメ映画には、テレビアニメ「イングレス」などのスタジオが日本独自のアニメ表現をフルデジタルで実現するという触れ込みの『あした世界が終わるとしても』(1月25日公開予定)、テレビアニメ版の声優陣が再集結した『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』(2月8日公開予定)などがあります。

さらに注目は、高森奈津美や星野源など豪華キャストが声優を務めているストップモーション(パペット)アニメの『ちえりとチェリー』。2016年より“スローシネマ”という上映活動がスタートし、3年たった今も全国各地で上映会が行われ、チケットの完売が相次いだ他「もっと多くの方に観て欲しい」などの絶賛の声が続々届いた同作が、ついに2月15日より、全国のイオンシネマにて2週間限定で上映(一部の劇場を除く)となるのです。



オリジナルのアニメ映画、とくに子どももターゲットとした作品はなかなか観られにくいという現状で、やっとの拡大公開が決定したということも含めて、『ちえりとチェリー』は心から応援したくなります。同時上映の『チェブラーシカ 動物園へ行く』も含め、心に残る映画体験になることでしょう。

(文:ヒナタカ)

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