映画コラム

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2019年04月13日

飲み会も戦争も、ヒーローは遅れてやってくる…『キャプテン・マーベル』の魅力を語る

飲み会も戦争も、ヒーローは遅れてやってくる…『キャプテン・マーベル』の魅力を語る

■橋本淳の「おこがまシネマ」

31回目の更新、今回もよろしくお願い致します。

花見シーズンですが、皆様はたくさん飲み会やらで飲んでいるのでしょうか? いいですねぇ。

このシーズン特有の、昼から飲んでも白い目で見られない「まぁいいか的な」ユルさがいいですね。私はといえば稽古場という名の地下隔離施設(実際は二階ですが)で4/10から始まる舞台の稽古の真っ最中です。(HPはコチラ


飲み会などでよく思うのですが。絶対に遅れてくる人がいるのです。

もう毎回、確実に、それは確信的に。だいたい会が始まって1時間くらいですかね、場も盛り上がり落ち着きだして、いい感じのタイミングで「よっ」的な感じでそこに合流するタイプの人、よく居ませんか?

私の周りにはいるのです。毎回主役然として遅れて登場する人。

メールでの事前のやり取りでは〈何時に何処何処になったから〉〈了解、大丈夫間に合うわ〉な感じなのですが、当日の待ち合わせ時間五分前に〈ごめん、仕事が長引いてて、先に始めてて〉というお決まりの遅刻メール。「いやいや、もっと前から分かってたでしょ?」という返信はすることなく〈はーい〉と返す。

なんなんだろう、こっちのほうがキチッとしているはずなのに、、、そして大体トークが上手く先輩に気に入られ、そいつ中心の飲み会になる流れになるんです。理不尽だ。なんだこの世の中は。狂っている。

と、悪態は吐きつつも。

『羨ましい、、』と羨望の眼差しなのは否めない。

そういう人、割と憧れる。


小さい頃から好きなヒーローのタイプだと

《ピンチに最強の戦士が遅れて駆けつけて全員を救う》

という超王道なエピソードに憧れる。


遅れてやってくる人間になりたぁい。

妖怪人間みたいな感じで常日頃ポヤーっと思うのですが、僕の気質には合わないようなので、映画の世界でその妄想は発散したいと思います。


そんな今回は、コチラをご紹介。

『キャプテン・マーベル』




(C)Marvel Studios 2019


MCUの新作です! おこがまシネマでは、やたらとMCUが多い気がしますがお気になさらずに。(割と自分が気にしている)

『アベンジャーズ /インフィニティ・ウォー』のラスト最悪の非常事態にニック・フュリーが通信をした相手。それがキャプテン・マーベル。いよいよ今回、そのキャラクターが主役として登場。

次作の『アベンジャーズ/エンドゲーム』では全宇宙の人口の半数が塵となって(ヒーロー達も半数)消えてしまった世界を、駆けつけたキャプテン・マーベルが中心となり解決するのでしょう。いやぁ期待は高まります。

『キャプテン・マーベル』では、まだアベンジャーズというものがなかった1990年代半ばくらいに時代を設定しています。



(C)Marvel Studios 2019


地球から遠く離れた宇宙で、女性戦士ヴァース(ブリー・ラーソン)は悪夢にうなされていた。

彼女はクリー帝国の戦士であったが、過去の記憶がないという苦悩をかかえている。記憶の断片は、毎夜の悪夢に現れるが、どの光景や人にも見覚えがない。ヴァースはクリー帝国の宿敵スクラル帝国こそが記憶喪失の元凶と考え、打倒を誓っていた。

ヴァースはクリーの特殊部隊〈スターフォース〉に加わり、戦場へ向かう。しかし驚異の変身能力をもつスクラル人の罠にかかり捕らえられてしまう。

スクラルの狙いは、彼女の記憶にある秘密プロジェクトの謎を探ることだった。記憶操縦装置で、その場所が地球であることを知る。ヴァースはなんとか、敵の元から脱出するが、スクラルはすでに地球へと向かっていた。それを追いヴァースは地上に不時着する。

調査しにきたニック・フュリー捜査官(サミュエル・L・ジャクソン)にヴァースは、自分はクリー人でスクラルが危険だと訴えるが、彼は理解することができない。しかし、行動を共にしているうちに徐々に事態を察知していく。

彼女の地球での断片的な記憶とはなんなのか、なぜスクラルは地球へと来たのか、謎を解くためにヴァースは動き出す。



(C)Marvel Studios 2019


なんのこっちゃのあらすじですが、マーベル最強の戦士が覚醒していく話。クリー人とスクラル人の戦争という、MCUにおける二台列強種族の本格的な登場というのも大事な要素です。

もうね、キャプテン・マーベル最強すぎますね。手からは光線のような〈フォトンブラスト〉を出し、敵を吹き飛ばす。生身で飛行する。生身で宇宙空間を飛行する。

もう尋常でないくらい最強です。それが女性戦士というのもいいポイントです。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』メンバー以来の宇宙空間ヒーロー。厳密には地球と宇宙の架け橋的存在と言った方が近いかもしれません。


究極のピンチに追い込まれたアベンジャーズを救うには、このくらい最強ではないと太刀打ち出来ない。しかも遅れての合流、登場が胸熱です。(上に書いたように小さい頃からの憧れポイントなもので)

監督は、アンナ・ボーデンとライアン・フレックの共同監督。マーベルは大胆な監督選びで有名ですが、今回もインディペンデント映画から才能を引っ張ってきました。スペクタクル映画なのですが、しっかりと人間の背景の複雑なものを描きたいという考えの元、この2人に決まったようです。MCU初の女性主人公ということもあり、女性監督をぶつけてきたのもさすがマーベルと言ったところでしょうか。

キャプテン・マーベルを演じるのは、ブリー・ラーソン。『ルーム』でアカデミー賞やゴールデングローブなど数々の主演女優賞を総なめにしました。そんな実力派の彼女が満を持してMCUへ初参加。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』への繋ぎと思いきや、やはりただでは済ませなかったですね。今までの伏線はきっちり回収しつつも、また新たな伏線の種を蒔いたり、MCUファンが喜ぶようなシーンがさりげなく入っていたりと、細かくファンを楽しませてくれます。

主人公ヴァースの心の葛藤も、きっちりと描ききり、『ブラックパンサー』を始め、最近のヒーロー映画は本当によく作り込まれています。

ロナンやコラス登場にぶち上がったりしましたが、やはりニック・フューリーの若かりし時代を見せるのがよかった。

CGなのか特殊メイクなのか、視覚効果チームの超一流の仕事で見事にサミュエル・L・ジャクソンが若返っているのに驚愕です。毛がある、肌ツヤが違う、、、違和感がないほど、リアルです。(一体どんな手法をつかったのでしょうか)

MCUを未見の方でも、充分楽しめますが、せめて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズは見てから鑑賞したほうが楽しめると思います。

"遅れてきた最強のヒーロー"

ああ、この文言だけで白飯がいける。

いや、1時間くらい妄想が出来る。

小さい頃からの憧れを、こうしてスクリーンでリアルに鑑賞できるこの世界に感謝したい。

飲み会には時間通りに向かいます。

それでは、今回もおこがましくも紹介させていただきました。

(文:橋本淳)

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