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2020-02-03

コラム

『バッドボーイズ フォー・ライフ』がシリーズ未見でも大満足!な「3つ」の理由




世界中で大ヒットを記録した、人気アクション映画『バッドボーイズ』。その久々の続編となる『バッドボーイズ フォー・ライフ』が、1月31日から日本でも劇場公開された。

日本の『あぶない刑事』復活を思わせる名シリーズの再登場なだけに、過去作のコアなファン向けの内容になっていて、今の若い観客には敷居が高いのでは? そんな不安を抱きながら鑑賞に臨んだ本作。

気になるその内容と出来は、果たしてどのようなものだったのか?

ストーリー


敏腕ベテラン刑事のマイク(ウィル・スミス)と、最高の相棒マーカス(マーティン・ローレンス)は、マイアミ市警の名物コンビ"バッドボーイズ"の二人。
マーカスは家族や生まれたばかりの孫のために、危険と隣り合わせの仕事から引退を決意する。そんな中、マイクは若手エリート捜査官で結成されたAMMO(マイアミ・ハイテク捜査班)への配属を命じられる。
若手捜査官たちと衝突しながら新しい事件の捜査に当たるマイクは、自身も何者かに銃撃を受け、更にはマイクの周囲の人間にも容赦なく凶弾が…。
追い詰められたマイクは、マーカスと共に再び"バッドボーイズ"を結成、捜査を進めるうちに、事件と過去の自分との深い因果関係に気付く。自らの過去と対峙するため、マイクはメキシコに渡るのだが…。


予告編




理由1:引退作と見せて、実はバリバリの新作だった!



1作目が1995年、2作目が2003年の公開となる、この『バッドボーイズ』シリーズ。前作から数えて実に17年振りの続編公開ということもあり、てっきり最後に一花咲かせて終わるファンサービス映画、あるいは、まだ作品の知名度と商品価値があるうちに稼いでおこう、そんな目的のために作られた映画なのでは? 鑑賞前は、そんな考えでいたのだが…。

結論から言ってしまえば、そんな心配は一切無用の内容に仕上がっていた本作。そう、「一生、バッドボーイズします」のタイトル通り、この二人、完全にヤル気100%だった!




なぜなら、単に過去のヒット作の再現を懐かしんだり、年齢を重ねた二人の境遇を自虐的な笑いのネタにするのではなく、現代の観客に向けてアップデートした新作として、新たなファンを獲得する目的で作られたその内容は、むしろ過去作の公開を体験していない世代にこそ、楽しんでもらえる内容となっていたからだ。

確かに、過去2作から相当の年月が経過しているため、孫の誕生を迎えたり老眼鏡が必要になるなど、相棒のマーカスに関しては、寄る年波を笑いのネタにしている部分も目立つのだが、一方のマイクに関してはまだまだ現役であり、理想の"バッドボーイズ道"を貫く男として登場する。

そんな彼が新たに配属された、若手捜査員で結成されたAMMO(マイアミ・ハイテク捜査班)での捜査の過程で謎の男から銃撃を受け、更に周囲の警察関係者が次々に襲撃・暗殺されていく事態に、バッドボーイズの二人は、再び事件の真っ只中に飛び込んでいくことになるのだが…。




今回の新作が秀逸なのは、マーカスだけでなく、マイクの人生にも大きな変化が訪れるという点にある。

単に肉体的な衰えや時代の流れとのズレではなく、過去の行いがもたらした悲劇が現在のマイクを苦しめる展開により、彼の年齢的な積み重ねを表現するのは見事!

加えて、娘に孫が生まれる年齢となり、さすがに引退を考えていたマーカスが再び危険な捜査に飛び込んでいくのも納得な今回の悪役設定や、マイクの過去にまつわるシリアス展開も、今後のシリーズに対する新たな可能性を感じさせるものとなっているのだ。

後述するように、過去2作を未見でも最初から作品世界に入り込める親切設計と、過去作を超えて現代に通用するアクション映画を目指したその内容は、これこそ『バッドボーイズ』シリーズ最新作にして最高傑作! そう観客に思わせてくれるはず。

人気シリーズの再始動となる、その見事な出来栄えは、ぜひ劇場でご確認を!

理由2:進化を続けるアクションシーンが凄い!



敵味方入り乱れて撃ちまくる派手な銃撃戦やカーチェイス、そして時にギョッとさせる残酷描写など、その素晴らしいアクションで観客を楽しませてくれた、この『バッドボーイズ』シリーズ。

そのサービス精神は新作でも引き継がれており、とにかく派手なアクションの連続で、最後まで観客の興味が途切れることがないのはさすが!

何しろ、すでに冒頭の10分間で派手なカーチェイスが繰り広げられる上に、その後はラストまで全く退屈する暇がないほど、スピーディな展開で楽しませてくれるのだ。




特に、映画の後半に登場するバイクを使ったチェイスシーンからのド派手なアクションは、まさに『ターミネーター』級!

とても刑事引退を考える年齢の二人とは思えない、文字通り体を張ったアクションで観客を楽しませてくれるのだが、「これだけ派手なアクションを見せてしまったら、ラストはこれ以上の見せ場じゃないと観客は納得しないのでは?」、正直そんな心配を覚えたのも事実。

果たしてそのラストは? そして、バッドボーイズの二人の運命はどうなるのか?

この後の展開は、ぜひ劇場で観て頂きたいのだが、カーチェイスや銃撃戦の派手さだけでなく、感情の爆発と、過去の因縁や人間ドラマの決着をラストに持ってくることで、更に盛り上がりを見せるラストは必見!

個人的には、前作『バッドボーイズ2バッド』で戦争映画の域まで行ってしまったアクションシーンを、銃撃戦の派手さに頼ることなく、主演二人の体を張ったアクションへと戻してくれた点に、今回の新たな監督起用の意味を感じさせられた、この『バッドボーイズ フォー・ライフ』。

こうして新たな才能を取り込むことで、シリーズが今後も継続することを願ってやまない。

理由3:シリーズ未見でも問題なし!



もしも過去作を未見で劇場での鑑賞を躊躇されているのであれば、何の心配もなく劇場に足を運んで頂きたい、この『バッドボーイズ フォー・ライフ』。

あくまでも本作単体として楽しめるストーリーな上に、確かに昔からのファンへのサービスとして、過去作についてのセリフも登場するのだが、むしろ新作を観てから過去作に触れた方が、マイクの過去やマーカスの娘の夫の成長ぶりなどがより楽しめるからだ。

特に、過去2作を監督したマイケル・ベイから、今回アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー監督へとバトンタッチした点は、本作大成功の大きな要因と言えるだろう。

何しろ全編を通して強烈な印象を残す名悪役イサベルや、その命令を忠実に実行する彼女の息子アルマンド、更にマイクが新たに加わることになるAMMOのメンバーなど、新たな登場人物が魅力的なキャラクターばかりな上に、彼らが昔からのファンと若い観客層とを繋ぐ架け橋となる趣向も、実に上手いのだ。




実際今回の新作では、マイクに深く関係する過去の事件が彼を苦しめるのだが、前述した魅力的な悪役の存在と家族の絆の深さが、本作を単なるド派手なアクションに終わらせない内容にしている点も、このシリーズを現代に通用する作品にしようという、新たなスタッフの熱意の表れと言えるだろう。

ある意味、昨年公開されたウィル・スミス主演映画『ジェミニマン』の不満を解消してくれる作品なので、全力でオススメします!

最後に



本作の印象をひと言で表現するなら、『バッドボーイズ』の『ワイルド・スピード』化! やはり、この言葉がぴったり当てはまる。

過去作からのファンの期待に応えつつも、主人公たちの年齢を反映し、現代的にアップデートした内容へと進化を遂げることで、『ワイルド・スピード』のような長期シリーズ化を期待させる内容に仕上がっていたからだ。




特に、強烈な印象を残す悪役や味方側のAMMOメンバーなど、脇役ながら非常に魅力的なキャラクターたちの登場や、敵味方の敵対関係を超えた共闘など、一作ごとに新たな人物や敵が登場しながら作品世界を広げていくであろう展開には、次回作を早く観たい! そう思わずにはいられなかった。

加えて、マーカスの娘の結婚式シーンに司会役で登場する某有名映画監督の存在も、昔からシリーズを応援していたファンへの最高のプレゼントとなっているのだ。

とはいえ、ついに孫が生まれたり老眼鏡が必要になるなど、本編中で笑いのネタに使われるマーカスのその後の描写には、前作のラストで見せたマーカスの射撃の腕前を考えると、やはり少し寂しい気がするのも事実。

その反面、前作でマーカスの妹と結ばれたはずのマイクが、今もフリーの身で相変わらず"バッドボーイズ道"を突き進んでいる姿が、「やはりこれでなきゃ!」と観客に思わせてくれるのだ。

こうして、まるで正反対な二人の生き方やキャラクターの違いが明確になることで、だからこそ、お互いが必要な存在なのだ! そう観客に納得させる点には、監督が変わってもやはり『バッドボーイズ』の本流は引き継がれている、そう再確認させられた。




加えて、年を重ねるごとに広がっていく二人の生き方のギャップを、どう処理して"バッドボーイズ"を存続・維持させるのか? この大問題に対する解決方法がちゃんと提示される点も、本作をオススメする大きな理由と言える。

これから鑑賞される方のために、ここで詳しく書くことは避けるが、『バッドボーイズ フォー・ライフ』のタイトルに嘘はない見事なエンディングが待っている! そう思って頂ければ間違いないはずだ。

今までシリーズを観たことがない若い観客層やカップルにも、予備知識なしで充分楽しめる大エンタメ作品に仕上がっている、この『バッドボーイズ フォー・ライフ』。

ぜひ多くの方に観て頂きたい作品です!

(文:滝口アキラ)