映画コラム

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2020年08月09日

「半沢直樹」ファンが映画『七つの会議』を絶対に見るべき理由

「半沢直樹」ファンが映画『七つの会議』を絶対に見るべき理由


映画『七つの会議』と『半沢直樹』の共通点と異なる点


『七つの会議』と『半沢直樹』の共通点は、分かりやすいところでは先に挙げた通りスタッフ・キャストの部分でしょう、製作幹事もTBSです。
また、双方のメインキャストで見比べると、『半沢直樹』ではオネェ言葉が印象的なキャラクターを演じている片岡愛之助は、ここでいたって普通(?)の凄腕の営業マンというキャラクターを演じています。クセという分ではかなり薄いのですが、彼が物語の発端を作る役なので見逃しは厳禁です。



一方、彼の後任として重責を任される及川光博のキャラクターは、重責に耐え続け苦しみ続ける中間管理職で、『半沢直樹』の渡真利の飄々としたキャラクターに比べると、こちらは眉間にしわが寄りがちなキャラクターです。ただ、物語が進んで行くと熱さも籠ったコメディリリーフ的な立ち位置になるので共通点もあります。



営業部長役の北川役の香川照之とゼノックスの“御前様”北大路欣也は、面白いぐらい『半沢直樹』と同じキャラクターになっています。





特にクライマックスの御前会議に登場する北大路欣也はそのまま東京中央銀行の頭取室の席に座っていても驚きません(笑)。

香川照之と北大路欣也の並びは作り手側の意図的な“『半沢』重ね”狙いなところもあるのかもしれませんね。一種の遊び心と言えるでしょう。

遊び心と言えば一瞬だけ登場する坂戸元営業一課長の兄の勤め先が東京中央銀行になっています。

ストーリーの展開で言えば「半沢直樹」と同様に多くの個性的な人間が複雑に絡み合った経済エンターテイメントであると同時に、深い謎解きと意外な展開が絡み合った経済クライムサスペンスとなっているところも同じです。

もちろん、物語の後半になればなるほど濃くなる、豪華キャストの顔芸芝居の連発も見ることができます。

狂言界のプリンス野村萬斎を筆頭に歌舞伎界の片岡愛之助、香川照之、古典芸能から春風亭昇太や立川談春など、さらに演劇畑の勝村正信、役所広司、橋爪功、鹿賀丈史などなど表情と眼力で勝負してきた面々が揃っているので、『半沢直樹』並みの顔芸芝居を堪能することができます。



「半沢直樹」2ndシーズンも前半戦の「ロスジェネの逆襲」編だけでも歌舞伎界からの市川猿之助(香川照之=市川駐車の従兄弟)や尾上松也、劇団☆新感線の古田新太、TEAM NACSの戸次重幸などなど演劇畑の役者で溢れていて、顔芸芝居は健在です(ちなみに賀来賢人や池田成志などなど外連味の多い作品で知られる劇団☆新感線作品出演経験者がとても多いです)。

まさに濃縮版・凝縮版「半沢直樹」(&日曜劇場)というべき『七つの会議』。

日曜日以外の“半沢が見れない状況”を埋めるためにも、さらにいえば『半沢直樹』2ndシーズン放映終了後の“ロス”を埋めるためにもこの機会に映画『七つの会議』をご覧になるのはいかがでしょうか?

©2019映画「七つの会議」製作委員会 

(文:村松健太郎)

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