あなたに役立つ映画・ドラマのプラスαがあるメディア「シネマズプラス」

©cinemas PLUS Committee. All Right Reserved.

2020-11-30

「日常の小さな幸せ」を再確認 大切なことを教えてくれるドラマ3選

SHARE

(c)TBS



今年も残すところあとわずか。今年は誰から見てもある意味忘れられない1年になったのではないでしょうか。

マイナスな気持ちになってしまうなかで、日常の大切さを実感する日々でもありました。ここでは、些細な幸せを改めて実感でき、大切なことを教えてくれるドラマ3作品をご紹介します。

新型コロナウイルスで実感した日常の大切さ

2020年、私たちは未曾有の経験をしました。これから教科書に載るであろうひとつの歴史を体験したのです。

新型コロナウイルスの流行によって、4月に緊急事態宣言が発令され「ステイホーム」が私たちの合言葉のひとつとなったのは記憶に新しい話。

経験したことのないような事態のなかで、会いたい人に会えなくなってしまった人、仕事で心無い言葉を浴びせられた人、仕事がなくなってしまった人もいるでしょう。

何を隠そう私もその中のひとり。マイナスを溜め込むほど、心の棘が増えていく。そのたびに、これではいけない、と自分を奮い立たせて、希望を求める日々でした。

舞台が中止になったり、映画の公開が延期になったりと、外に出かけてこそ成立するエンターテインメントは気軽に楽しめなくなってしまいました。ですがその分、家の中で楽しめるエンターテインメントは教えてくれました。

人のぬくもりに触れたり、家族に心配されたり、「日常がどれだけかけがえのない存在なのか」ということを。

「逃げるは恥だが役に立つ」
触れ合うことの喜びを再確認



2020年の5月、2016年に放送されたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が未公開シーンを新たに加えた特別編として帰ってきました。同作は、誰にも必要とされないつらさを抱える主人公・みくり(新垣結衣)が、恋愛経験のない“プロの独身”平匡(星野源)と契約結婚をし、不器用ながらも愛を育んでいくラブコメディー。みくりと平匡が時間をかけながら心を通わせていく姿に“ムズキュン”しつつも、なんでもないシーンに大切な日常が詰まっていて、涙してしまうことも。

最初は“雇用主”と“従業員”として相応しい関係でいる2人。生活を続けていくうちに、周囲からの目を気にすることもあり、新婚らしさを求めて毎週火曜日を「ハグの日」と制定します。





今年の私たちは、気軽にハグすることも、手に触れることさえも憚られました。みくりが「最も手軽で偉大なスキンシップの手段」として選んだハグが、とても遠いものになってしまったのです。

その代わりに取り入れられたのが、オンライン飲み会やリモートワーク。感染予防の観点だけでなく、移動時間が短縮できるなど、効率的な取り組みでもありました。

ですが、ミュージカルを生で観るのと配信で観るのとでは感じ方がまったく違うように、オンラインで繋がっていることと、人と触れ合うことはやはり別物なのです。

第5話では、みくりが初めて心から平匡をハグしたシーンがあります。平匡のある言葉に心を動かされたみくりは、平匡を抱きしめ、一言。「平匡さんに何かあったら、私は平匡さんの味方です」。

みくりの気持ちを受け取った平匡は、ぎこちなくみくりの頭を撫でる…という名シーン。言葉だけでなく、触れ合ったことで気持ちがさらに繋がったことがわかります。

確かにオンラインで繋がることは効率的ですが「会わない」と「会えない」、「触れない」と「触れられない」はまったく違うことです。

久しぶりに会う友人と交わすハグ、仕事が成功したときに交わす同僚とのハグ、愛情を伝えるためにする恋人とのハグ、ずっと応援しているアイドルとの握手…私たちは知らないうちに、言葉だけではなく、ぬくもりで相手に感情を伝えていました。人と触れ合うことの意味、それは言葉にできない思いを伝える手段だったのかもしれません。

以前までは当たり前だった「触れ合うこと」。その大切さを、みくりと平匡は教えてくれました。

「私の家政夫ナギサさん」
大切な人に心配されることの幸せ



2020年の7月期(本来は4月期でしたがコロナ禍で延期に)に放送されたドラマ「私の家政夫ナギサさん」は、仕事は出来るけど、家事は苦手なアラサー独身女性・メイ(多部未華子)がスーパー家政夫・ナギサさん(大森南朋)と出会い、関係を深めていくラブコメディー。回を重ねるごとにメイがナギサさんを受け入れていく姿が微笑ましく、誰かに甘えてみてもいい、苦手なことがあってもいいんだ、と勇気を与えてくれます。

ナギサさんは、ある後悔から、仕事が忙しいメイを過剰なほど心配します。メイはそんなナギサさんを鬱陶しく思うことも。

同作のなかで、メイが1人でいるときに、ナギサさんの作った料理を思い出す場面や、外から自分の部屋を見て、明かりがついているか確認するシーンがあります。そこで私は、初めて実家を出て暮らしたときのことを思い出しました。いつもは鬱陶しく思っていた心配も、なくなると少し寂しい。人は誰かに心配してもらったり、世話を焼いてもらったりすることで、自分の存在価値を確認しているのかもしれません。

今年は、家族や大切な人に会えなかった人も多いはず。心配してくれる人がいること、自分のことをわかってくれる人がいること。そんな些細な幸せを、メイとナギサさんの関係が深まっていく過程を見守りながら実感できる作品です。

「凪のお暇」
未来がちょっとだけ楽しみになる方法を教えてくれる



2019年の7月期に放送されたドラマ「凪のお暇」は、周りの空気ばかり読んでいた凪(黒木華)が、SNSも仕事も恋人も、すべてをリセットして人生の再生を図るというストーリー。最初はなかなか意見を言えない凪にヤキモキするのですが、いつの間にか凪を全力で応援したくなります。自分らしく生きることの大切さと難しさを教えてくれる物語です。

抱えているものをリセットしてもなお空気を読んでしまう凪は、自分の足で歩いていくためにやりたいことをリスト化した「ウィッシュリスト」を作ります。「好きな服をみつける」「美味しい空気をあげられる人になる」…凪の作ったリストはとても前向き。大きなことじゃなくていい、すぐに取り組めることでもいい。ウィッシュリストを見ながら凪は言うのです。「今、ちょっとだけ未来が楽しみなんだ」。

楽しみだったことを我慢したり、スケジュールが白紙になったり…挙げればきりがないほど、今年は泣きたくなるようなことが多い年でした。1人で考える時間が増え、マイナスな言葉を発する機会も増えてしまったように感じます。

現状を嘆くだけではなく、今より楽しい未来を想像することで小さな希望が見えてくる。いきなり前を向くことは難しくても、顔を上げた瞬間から少しずつ人は変われる。視点を変えれば未来はちょっとだけ楽しみになる。そんなことを凪は教えてくれました。

当たり前のことが当たり前ではなかったと痛感する日々が続いた2020年。日常に転がっていた当たり前を、特別だったと感じながら、それでもやはりそれは「当たり前だ」と言える日々が戻ってくることを願うばかりです。

些細な幸せを実感し、ちょっとだけ未来が楽しみになるような3作品。後ろ向きになってしまったときには、ぜひ力を借りてみてください。

(文:ふー)

続きを読むには、無料会員登録が必要です。

無料会員に登録すると、記事全てが読み放題。
記事保存などの便利な機能、プレゼントへのご招待も。

いますぐ登録

(c)TBS