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2020-12-30

洋画実写

『新感染半島 ファイナル・ステージ』が傑作映画である「5つ」の理由|アクション映画に飢えた人に観てほしい!

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2021年1月1日より、映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』が公開されます。(2020年12月25日よりTOHOシネマズ日比谷・池袋・梅田の3劇場にて特別先行上映)

なんとも思い切りの良い邦題がつけられた本作、結論から申し上げれば、最初から最後までつまらないところが1秒たりともない、アクション映画に飢えている全ての人に観てほしいと心から願える、とんでもない面白さを持つ傑作でした!

しかも、コロナ禍の今こそ観るべき理由も大いにあったのです。その具体的な魅力を、大きなネタバレのない範囲で以下に紹介しましょう。

1:わかりにくいところがない、
理想的なエンターテイメント!



あらすじ
人を凶暴化させるウイルスのパンデミックから4年後、家族を守れなかったことに負い目を感じていた元軍人のジョンソクは、亡命先の香港で廃人同然の暮らしを送っていた。そんな彼のもとに、ロックダウンされた朝鮮半島に乗り捨てられたトラックに積まれている大金を回収し、3日以内の帰還を目指すという仕事が舞い込む。ジョンソクは義兄のチョルミンらとともに半島に上陸するが……。

序盤こそやや込み入った事情も描かれてますが、基本的な物語は「チームが危険地帯に乗り込み、命からがらの生還を目指す」という、『エイリアン2』をはじめとした、たくさんのホラーアクション映画で踏襲された「脱出サスペンス」です。道中の「ありとあらゆる場所に死の危険がある」や「誰が生き残るかわからない」というハラハラ感や緊張感、「行って帰ってくる」ことを目指す大筋の物語のシンプルさは、こう言い換えてもいいでしょう。「わかりにくいところがない」と。

それでいて、単純な物語構図だけに押し込まず、後述する様々な派手な見せ場がふんだんに用意され、コロナ禍に通ずる事情や人間ドラマなどの奥深い要素も備えているということも大きな魅力。「間口は広く、奥は深く」というエンターテインメントとして理想的な内容になっています。「ゾンビ映画」というジャンルそのものはやや観る人を選ぶところがありますが、本作はそれだけで語るのはもったいない、万人向けの面白さがあるということを、まずは訴えておきたいのです。

しかも、本作はゾンビがたっぷりと登場し、銃撃によるアクションシーンもふんだんな刺激的な内容であるのにも関わらず、G(全年齢)指定になっています。アクションの迫力を損なうことなく、残虐描写を最小限にして、誰でも観られる内容にしていることも賞賛すべきですし、劇中には幼い姉妹のキャラクターもいるため、彼女たちと同じ年代の子どもであればさらに感情移入して観られるはず。友達との鑑賞、デートはもちろん、ファミリー映画としてのチョイスさえもおすすめできるのです。ちょっと怖い映画に興味が出てきたという小中学生くらいのお子さんが観れば、きっと忘れられない思い出になるでしょう(さすがに、あんまり小さい子には怖すぎるのでおすすめしませんが)。

2:前作を観ていなくても楽しめる、
スケールアップした続編だ!



本作『新感染半島』は、2016年(日本では2017年)に公開された『新感染ファイナル・エクスプレス』の4年ぶりの続編であり、劇中の設定でもちょうど4年の時が経過しています。前作は「列車の中」という狭い限定空間でのサスペンスが魅力的でしたが、今回はウイルスのパンデミック後の半島全体が舞台。前作の大ヒットを受けた潤沢な予算のおかげもあり、見た目にもわかりやすくスケールアップをした続編と言っていいでしょう。

そのため、本作には前述の「脱出サスペンス」の他にも「ポスト・アポカリプス」と呼ばれるジャンルの魅力も備えています。ポスト・アポカリプスとは、大規模な災害や戦争などによって、人類の文明が崩壊した世界を描くSFのジャンルの1つ。言うまでもなく多くのゾンビ映画もポスト・アポカリプスものであり、その退廃的で絶望的な世界観で「生き延びようとする」人間たちのドラマも、また見応えがあるのです。

そのポスト・アポカリプスで重要なのは、本当に「荒廃していると信じられる世界」の構築でしょう。本作では、1年間をかけて撮影の準備を行い、2000平方メートルもの巨大セットを製作し、VFXにアジア随一のクリエイターが参加。高速道路に乗り捨てられた車、鉄錆に覆われた建築物、陸に打ち上げられた船など、スタッフたち心血を注いだだけのことがある、圧巻のビジュアルが構築されていました。

なお、本作『新感染半島』は、前作『新感染ファイナル・エクスプレス』とは直接的な物語の繋がりはなく、キャラクターも一新されているため、そちらを観ていなくても全く問題なく楽しめます。それでいて、とある「ゾンビが密集している場所」が前作のオマージュになっているというサービスもありました。「前作を観ていなくてもOKだけど、観ているとさらに楽しめる」というバランスにおいても、理想的な続編と言えるでしょう。前作とテイストが異なっていること、ゾンビ映画の“らしさ”よりも派手なアクションに比重が置かれていることに賛否両論はあるかもしれませんが、前作の二番煎じにはしないという気概もあるため、筆者は大いに支持します。

3:『マッドマックス』が好きな方も必見!
怒涛のカーアクションが展開!



本作は『マッドマックス』シリーズが大好きという方にも大いにおすすめします。前述のポスト・アポカリプスの世界観が『マッドマックス2』以降で続いているということはもちろんですが、3作目の『サンダードーム』および4作目『怒りのデス・ロード』のオマージュと思われるシーンもあるのです。

何しろ、本作では中盤から「人間とゾンビを戦わせる闘技場」が登場するのですから。ここで「サンダードームじゃん!」と思わせてからの、クライマックスでは20分に渡る怒涛のカーチェイスが展開!あの伝説と化した『怒りのデス・ロード』を彷彿とさせる、「狂っている」が最高の褒め言葉になるアクションがぶっ続き、そこにゾンビも、荒廃した都市というポスト・アポカリプスの世界の要素も加わっているというゴージャスには、涙が出てくるほどの感動もありました。

なお、ゾンビそのもののアクションも、明確にパワーアップをしています。振付師は光や音に過敏に反応するゾンビの表現のため、前作よりも洗練された細かいジェスチャーや振り付けを取り入れるように心掛けたそう。スタント・ディレクターも背景の地形を利用した、新しいアクションを構築するよう苦心したようです。その甲斐あって、大量のゾンビが襲いかかるシーンには漏れなく叫びたくなるほどの驚きがありました。

とにかく、ゾンビ映画という枠を超えて、「驚きと興奮に満ちた、すごいアクション映画を観たい!」という方にとっても、本作は大満足できる逸品です。コロナ禍で洋画の大作アクション映画の公開延期が続いている今こそ、「こういうのが観たかった!」と、願望を最大限に叶えてくれることでしょう。

4:幼い姉妹と、その母親と、老人と共闘!
女性が強い映画だ!



本作には、前述した「脱出アクション」というわかりやすいプロットの他に、「幼い姉妹と、その母親と、老人との共闘」という要素があります。彼女たちは、軍人であり屈強な身体と戦闘能力を持つはずの主人公を“助ける側”に回ることも多く、お互いの目的が一致したために共同戦線を張ることになり、いつしか擬似的な親子のような信頼関係をも育んでいきます。

また、主人公は「家族を守れなかった」という負い目を持っており、出会った母親とも浅からぬ因縁があります。だけど、当の母親と幼い姉妹はそんなセンチメンタルさとは無縁の、ゾンビがはびこる地獄のような世界でもたくましくサバイバルしてきたからこその、精神的な強さを持っているのです。「強い女性像」というのは『ターミネーター:ニューフェイト』や『ワンダーウーマン1984』などの昨今のアクション映画やアメコミヒーロー映画の潮流であり、この『新感染半島』もその1つに数えられるでしょう。

さらに、本作にはゾンビの他にも、人間の民兵集団という敵が登場します。彼らはゾンビを使役し、前述した人間と戦わせる闘技場を作るなど、この世界の支配者のような存在でもあり、その人数も膨大。対して、主人公たちは元軍人と一般女性とその幼い姉妹と老人という、客観的には多勢に無勢にもほどがあるメンバー。そんな彼らがお互いの欠点を補い合い、民兵集団という強大な敵に対峙し、困難な道を切り開いていくということにも、大きな感動があるのです。

味方キャラクターが大好きになれるというのももちろんですが、その民兵集団のボスがものすごくクセが強い、良い意味での“小物感”があるクズということも、また魅力的だったりします。「こいつ最低だ!」と心から思える、絶対に倒すべき敵がいるということもまた、主人公たちを応援できる大きな理由になっているのですから。

5:コロナ禍の現実を思わせる作劇、
そして大感動のクライマックス!



本作の撮影が終了したのは2019年10月のことであり、新型コロナウイルスの蔓延という現実を踏まえて作られているわけではありません。にも関わらず、コロナ禍だからこそリアルに、真に迫るものとして突きつけられる展開も多くありました。

例えば、序盤に一般市民がウイルスの感染から逃れ船内にたどり着くものの、そこにゾンビ(=感染者)がいたために、ゾンビが大量発生(=クラスター)してしまいます。言うまでもなく、これはコロナ禍の初期における、クルーズ船での出来事をどうしても思い出させるのです。

さらに、香港に逃れたものの、韓国人であるということだけで感染者だと差別を受ける様は、世界各地でみられたアジア人に対する偏見や迫害そのもの。結果的に、この『新感染半島』はコロナ禍の世界を“予見”したかのような内容になっていたのです。

そうしたリアルなウイルスのパンデミック後の事情の描写と同時に、本作は巧みな伏線がそこかしこに仕込まれています。優れた伏線とは、その時は何気ないセリフであったり、それ自体で面白みのある展開だったものが、後に全く別の意味を持ち、それでいて“フリ”であることを気づかせてはならないという、二重三重にハードルが高いもの。そのハードルを軽々と超えた、「あの時のアレがこう生かされるのか!」という物語の妙を期待しても、裏切られることはないでしょう。

そして、圧巻なのはクライマックスの展開。その直前の怒涛のカーチェイスから続き、今までの膨大な積み上げられた伏線が、ここで立て続けに回収されていくのですから。前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』の序盤の伏線を生かした幕切れも見事でしたが、今回も別の形で、それに匹敵するエンデイングを用意してくれたことに、もう感涙するしかなかったのです。

このクライマックスには、(理由はネタバレになるので具体的には書けませんが)コロナ禍の今こそ心にズシンと来る、大切な価値観も表れていました。エンターテインメントとして楽しむこと以上に、1人でも多くの人に観てほしいと願える理由が、そこにはあったのです。

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』のようにコロナ禍の救世主に



本作『新感染半島』は2020年7月に韓国で公開され、コロナ禍のため座席数を減らしての興行にも関わらず、オープニングの動員数35万2926人、公開後5日間で動員180万人を突破する大ヒットスタートを記録し、メディアでは「コロナ禍にあえぐ韓国映画界を救った」と報道されていました。これは、歴史的な超大ヒット記録を更新中の『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が「日本の映画館の救世主となった」と語られていることも彷彿とさせます。

その事実のみならず、『新感染半島』の本編そのものにも『鬼滅の刃』に通ずる要素があります。前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』も実質「無限列車編」(舞台が列車だから)でしたし、『鬼滅の刃』における“鬼”との駆け引きのある迫力のバトルは、今回の『新感染半島』におけるゾンビまたは民兵集団との一進一退の攻防戦も思わせるところもありました。『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を観て映画の面白さを知ったという方にも、ぜひ観ていただきたいのです。

「ドライブインお化け屋敷」とのコラボも開催!



最後に、この『新感染半島』とコラボしたイベントについても紹介しましょう。2020年12月30日から5日間、東京タワーフットタウン1階で開催される「ドライブインお化け屋敷 新感染半島 ゾンビバージョン」も、またとない素敵な体験ができるイベントだったのです。

ドライブインお化け屋敷とは、コロナ禍となった2020年の春から開催されており、新時代の「非接触型アトラクション」と銘打たれています。何しろ、体験者は車内に逃げ込み、アクターは常にガラスの外にいるため、存分に感染症対策ができているというわけ。それでいて、「フロントガラスに群がり貼りつくゾンビ」といった恐ろしい光景を目の当たりにしつつ、ホラー専門のアクター集団「怖がらせ隊」たちによる迫真の演技、種々のギミックを楽しむことができます。



今回のコラボイベントでは『新感染半島』のシチュエーションにインスパイアを受けており、ある意味では本編の「アナザーストーリー」のようにも捉えられます。体験する観客は、荒廃してしまった半島に生き残った人間として、”戦利品”としてのライトを持たされ、このライトを使うことによって、自分も物語の中に参加したようなインタラクティブな体験ができるようにもなっていました。

実際に体験してみたところ……これはめちゃくちゃ怖い!「ゾンビから安全な車内に逃げ込む」というゾンビ映画あるあるのシチュエーションが、「目の前にゾンビがいる」「車内に響くゾンビがぶつかる音」「マジで車が揺らされる」といった種々の要素により、こんなにも怖くなるのか……と驚きを隠せませんでした。それでいて、ゾンビものならではのドラマティックな展開も用意されており、最初から最後まで観客を退屈させまいとする、プロフェッショナルたちの仕事ぶりも堪能できました。



さらに、あるポイントで「そう来たか!」な予想を覆すサプライズも用意されており、大満足でイベントを終えることができました。VRや映画では実現不可能な、刺激的なこのイベントを、ぜひ『新感染半島』と合わせて楽しんでみてください。

ドライブインお化け屋敷 新感染半島 ゾンビバージョン」概要

場所
東京タワー フットタウン1階 (東京都港区芝公園4-2-8)

日程
2020年12月30日(水)~2021年1月3日(日)

料金
1チケット(車一台):9000円(税込) ※予約制

開催時間
平日 17:00~21:00  
休日 11:00~21:00

予約専用ページ

⇒「怖がらせ隊」アカウント:@kowagarasetai

(取材・文:ヒナタカ)

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