【徹底解説】KinKi Kidsコンサート、ぶっちゃけ「どれから観ればいい?」
【エピソード9:KinKi Kids CONCERT 20.2.21-Everything happens for a reason-】
CDデビュー21年目に突入したKinKi Kidsの20回目の東京ドーム公演。総勢100人を超えるオーケストラによる全編オーケストラ公演だ。この公演は、一言では表現出来ない。今までの歌って踊って特効を使って…というこれまでのKinKi Kidsのコンサートとはまるで違う。客席にもペンライトはなく、神聖なコンサートといった雰囲気の公演だ。しっとりとKinKi Kidsの歌を楽しみたい人や、眠れない夜におすすめ。
というのも、剛は2017年6月に突発性難聴を患い、踊りながら歌う、演奏しながら歌う、など複数のことを同時に行うのが難しい状態だった。2021年現在も完治はしていないという。当時の剛の状態で出来ることを模索してたどり着いた結論がこの全編オーケストラ公演だったというけれど、本当はとても無理してステージに立っていたのだと思う。実際にMCの中で剛は「無理して立っています」と告白している。しかし、KinKi Kidsにとって20回目の東京ドーム公演ということで「無理して、それでも立ちたい場所とか、過ごしたい時間はあるじゃないですか。20回目をどうしても2人でどうしてもドームで立ちたいと思った」と胸の内を明かす。そんな剛の覚悟と踏ん張りが伝わってきて、この公演は時折胸が苦しくなってしまう。
オーケストラの演奏から始まる本公演。全編オーケストラということで、アレンジも音源とは違う。ここでもまたKinKi Kidsの楽曲の素晴らしさと2人の声の相性の良さを改めて実感出来るだろう。また、剛の耳のことを配慮して、MCがこまめに挟まれていることにも注目。それはそれで2人のゆったりとした会話を楽しめる。
2017年7月には、横浜スタジアムにて20周年のイベントが行われたが、会場には光一のみ登場し、剛は映像で参加した。そのイベントでは、新しい2人の合作が披露された。光一が作曲した曲に剛が短い期間で歌詞をつけたものだ。そのときには完成形ではなかった同曲が「Topaz Love」という曲になり今回披露されている。「愛のかたまり」に負けず劣らずの名曲なのでぜひ聴いてほしい。明るくキラキラした中にちょっぴり切なさがプラスされていて、最後のフレーズの2人の掛け合いが最高にロマンティックだ。
KinKi Kidsは、1回ハマると間違いなく癖になるし、抜け出せない。デビュー当時、デビュー前からのファンも今だって多いだろう。なぜこんなに心を鷲掴みにされるのか。それはKinKi Kidsが「信じられるから」ではないかと思う。真摯で誠実でまっすぐ。変わらずにそこにいて、いつも自分たちをアップデートしているグループ。それはパフォーマンスを観るたびに感じることだ。「俺たちについてこい」タイプでは決してないけれど、「理解出来る人はついてきて。そして一緒に楽しもう」という意志を感じる。そんな空間が何年経っても心地良いし、幸せだ。「KinKi Kidsを応援してきてよかった」と今まで何度思ったかわからないほどに。
(文:ふー)
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