映画コラム
『名探偵コナン 緋色の弾丸』を楽しむ「10」のポイント
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『名探偵コナン 緋色の弾丸』を楽しむ「10」のポイント
その8:大人でも楽しめるミステリー!考えさせられる正義とは?
今作では4年に一度のスポーツの祭典WSGが開催され、開会式に合わせて真空超電動リニアが最高時速1000kmのスピードで名古屋と東京間を走り抜けます。15年前にアメリカで起きた連続拉致事件。WSGのスポンサーが相次いで拉致され、拉致された内の一人は射殺されてしまいます。11年前にも15年前と似た模倣事件が起き、その事件がまた東京で起きようとしている。
FBIが担当した事件であり、日本の事件でありながらFBIが事件解決のために動きだします。連続拉致事件と東京で開催されるスポーツの祭典通称WSGの因縁がストーリーの大きなポイントとなっています。最高時速1000kmの真空超電動リニアのように、コナンのミステリーも最速で進んでいきます。
筆者は複数回観てようやく呑み込めました。『名探偵コナン ゼロの執行人』でも公安に恨みをもつ犯人が描かれていましたが、今作ではFBIに恨みをもつ人物の犯行。『名探偵コナン ゼロの執行人』も今作でも、こんなやり方が許せるかという、いわゆる組織の悪い部分がでてきます。犯人の勘違いや、結果的にはよかったのかと思うこともできますが、公安の違法捜査や犯人が言った薄汚い司法取引に納得がいかないと思うときもあります。
犯人とジョディの会話の中ででてきた勝手な司法取引という言葉。承認保護プログラムも犯人が言う薄汚い司法取引の一部だと言うジョディ先生。『名探偵コナン ゼロの執行人』でも、今作を観ても思うことですが、組織への恨みをもつ犯人の動機を聞くと、正義ってなんなんだろうと考えさせられますね。
子供の頃はコナン映画の犯人の動機にはあまり注目していませんでしたが、大人になってから観ると、自分ならどうするのかと考えてしまいます。筆者はFBIや公安に恨みを持っていたとしてもカプセルを落下させたり、リニアを暴走したりはしないと思いますが。
コナン映画の醍醐味はド派手なアクションやラブコメ、大人もハマるミステリー、魅力的なキャラクターなど魅力はたくさんありますが、犯人の動機について考えてみるのもいいかもしれません。
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(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会