映画コラム

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2021年04月16日

『名探偵コナン 緋色の弾丸』レビュー|いちばん観たかった赤井秀一、世良真純、羽田秀吉、メアリーの活躍があったという話 ※ネタバレなし

『名探偵コナン 緋色の弾丸』レビュー|いちばん観たかった赤井秀一、世良真純、羽田秀吉、メアリーの活躍があったという話 ※ネタバレなし

(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会


2021年4月16日より上映されている『名探偵コナン 緋色の弾丸』を観ました。新型コロナウイルスの影響により丸々一年の延期を経てやっと公開された本作は、「赤井一家(ファミリー)、集結」というキャッチコピーが示すように、赤井秀一、世良真純、羽田秀吉、メアリーという人気キャラクターたちが、初めて家族として揃って登場した劇場版です。

結論から申し上げれば、「これこれ!彼らのこういう活躍が観たかったんだよ!」と、少し前に劇場で公開された『名探偵コナン 緋色の不在証明』も予習した上で期待していた筆者にとっては、大満足の出来でした。明確なネタバレにならない範囲で、その理由を記していきましょう。

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コナン


赤井秀一:信用できる大人&ゴルゴ13を軽く凌駕した狙撃能力

(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

赤井さんの魅力と言えば、個人的に「大人」なことが個人的に第一にあがります。冷静沈着で、コナンのことを「ボウヤ」と呼ぶけれど、実はコナンの力を心から信じている。『機動戦士ガンダム』のシャアでもおなじみ(名前の由来も同じ)池田秀一さんというベテラン声優の落ち着いた声もあって、「この人だったら信用できる」という安心感がハンパないのです。

今回の赤井さんは、最高時速1,000kmを誇る「真空超電導リニア」にまつわる、とあるミッションを遂行するのですが……はっきり言って、その狙撃能力はゴルゴ13を軽く凌駕しています。正直リアリティのことを考えれば「できるわけねーじゃん!」とツッコミたくもなりますが、でも「いや、赤井さんならできそう!」という説得力も持たせている、そんな規格外のキャラのマジで想像以上にすごすぎるところを観られて感無量でした。

世良真純:最終的にはコナンと推理や行動が合致するボクっ娘

(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

世良真純と言えば八重歯がかわしいボーイッシュな女の子。しかも格闘技も使えて推理力も抜群で、性格はさっぱりとしていて親しみやすい、個人的には名探偵コナンでも1、2を争う推しキャラです。日高のりこさんという『となりのトトロ』や『ふしぎの海のナディア』や『赤ずきんチャチャ』などで子どもの頃から親しんでいた声優が、こんなにもボクっ娘にも似合っていたんだ!ということも含めて嬉しいキャラクターでした。

『名探偵コナン 異次元の狙撃手』に続いての劇場版で登場する彼女は、コナンとは別行動をしているように見えても、最終的にはコナンと「推理」も「行動理由」も合致するという役割を担っています。服部平次と似た役割とも言えますが、コナンの正体も含めてお互いにさらけ出してコミュニケーションをしている平次とは違って、世良真純とは信頼の裏にちょっとだけ「疑い」もお互いにあるということもポイント。でも、やはり事件の解決という目的意識は同じで、なおかつ抜群のコンビネーションも見せる。そんなコナンと世良真純の関係が大好きなのです。

羽田秀吉:頼りないけど「いざ」という時はカッコいい

(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

羽田秀吉は将棋のプロ棋士。しかし性格は子どもっぽくて頼りないという、兄の赤井秀一とは好対照なキャラクターです。トム・クルーズの吹き替えや『クレヨンしんちゃん』の現ひろしでもおなじみの森川智之さんのが、そのコミカルなキャラにもぴったりです。今回は恋人の婦警の宮本由美とのイチャイチャも描かれるため、「お前ら末長く爆発しろ」ととっても良い意味で思いました。

そんな彼は、終盤で将棋における「先を読む力」で大活躍をすることになります。普段が頼りないからこそ、この「いざとなると(将棋のことになると)カッコいい」というギャップに惚れ惚れできるのです。ちなみに『名探偵コナン』には、羽田秀吉以外にも将棋にまつわる話題があち、将棋が事件のダイイングメッセージとして使われたこと(単行本9巻と10巻に収録されている「雪山山荘殺人事件」)もありました。青山剛昌先生は、女流棋士の香川愛生さんの誕生日(本作の公開日と同じ)に色紙をプレゼントしていましたし、間違いなく将棋ファンですね。

メアリー:陰から見守る&小さい体から格闘技も?

(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

メアリーは赤井秀一、羽田秀吉、世良真純の実母ながら、コナンや灰原哀と同じく体が小さくなってしまった大人。子どもたちを陰から見守る、というより監視しているような厳格さがあり、それは良い意味で子どもらしくない、『攻殻機動隊』でもおなじみの田中敦子のカッコイイ声でもわかります。

もちろん今回もどちらかと言えば「裏に回っている」役柄であり、よく咳をしていて体を心配してしまうのですが……その小さい体にも関わらず、わずかなシーンながら格闘技も披露!あるシーンで「凄み」を効かせる精神的な強さもまたカッコよく、やはり赤井ファミリーの「後ろ盾」を担う重要な人物であることがわかりました。

まとめ:園子姉ちゃんの優しさや灰原哀の活躍も嬉しかった!

そんなわけで『名探偵コナン 緋色の弾丸』は、赤井秀一、世良真純、羽田秀吉、メアリーの活躍を期待していた自分には大満足だったというわけです。

加えて、終盤では大掛かりな見せ場とスペクタクルも用意!だいたいいつも国際問題レベルの巨大事故か爆発が起こる劇場版コナンシリーズ。今回は「ぶっ飛び」具合もシリーズ随一なのではないでしょうか。

あえて本作の不満をあげるとすれば、事件の発端やその周りの人物の描写が説明で進むところが多く、物語のエンジンがかかるまで少し長いこと。このシリーズは人気キャラクターを満遍なく活躍させる情報の整理力が素晴らしいと思うのですが、そのぶんそれらのキャラが直接的に関わらない、メインの事件にまつわる種々の出来事に感情がノリにくいところがあるとも思っていました。これは今後の課題と言えるかもしれません。

でも、そんな不満も1年の延期を経て「おなじみのキャラにまた会えた!そして大活躍してくれた!」という喜びの前では些細なこと。今回は園子姉ちゃんが少年探偵団たちに対して「大人のたしなめ」をしていても実は優しかったり、灰原哀が「なんだかんだ言いつつもやっぱりコナンの良き相棒」だったことも嬉しかった!ぜひぜひ、皆さんも推しキャラの活躍を楽しんできてください。

(文:ヒナタカ)

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