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2021年05月04日

Netflixの大傑作アニメ『ミッチェル家とマシンの反乱』、「5つ」の魅力を全力解説!

Netflixの大傑作アニメ『ミッチェル家とマシンの反乱』、「5つ」の魅力を全力解説!


4:「変」を肯定するメッセージ!そしてクライマックスの大感動!

本作の大きなテーマに、「変」であることの肯定があります。ミッチェル家は全員が全員とも変人で欠点だらけ。パパは娘を心配するあまり過干渉する上に夢を素直に応援できずウザがられ、ママは「完璧に見えるお隣さん」に無駄に嫉妬していて、その子どもであるケイティとアーロンは周りになかなか馴染めていない、ついでに犬のモンチも見た目も行動もいろんな意味ですごい。初めに「WORST FAMILY OF ALL TIME(史上最悪の家族)」と自虐的に文字で書かれるくらいにダメダメです。でも、この映画は「変人一家が世界を救う!」というプロットから「変」であることを肯定しまくってくれるというわけなのです。



さらに見事なのは、数々のハイテンション&ぶっ飛んでいるギャグが、この「変」を肯定するメッセージに密接に絡んでいること。例えば、中盤で「完璧なお隣さん」が抜群のチームワークを見せて危機を回避する(その方法もぶっ飛んでて全然まともじゃなくて笑ってしまう)のですが、ミッチェル家がそれを見よう見まねで真似をしようとするとちっともうまくいかない、というシーンがあります。しかし、後半の怒涛の展開からは、「変人一家のミッチェル家らしいやり方」で次々と問題を乗り越えることに成功します。その方法が、やっぱりハイテンション&ぶっ飛んでいる=「変」なのでもうゲラゲラと笑いながら感動できる、というわけなのです。



変人ばかりでダメダメだった家族が、最大限に家族のチームプレイを発揮する方法を学び、「変」であることをプラスに生かしまくります。これは、「人と違う」「普通になれない」ことをコンプレックスに感じている方にとって、「変わっているって最高に楽しいじゃんか!」と勇気をもらえるメッセージではないですか!

さらに、クライマックスでは「変」でもいいということを、全力で肯定してくれます!もう、ここでは数々の伏線の集積と、音楽と演出の見事さも相まって、爆笑しながら泣きじゃくるという凄まじい体験ができました!



また、本作は様々な事象を「こっちだから正しい」と恣意的に決めつけていないことも誠実です。例えば、前述した「完璧なお隣さん」もママが勝手にそう思っているだけで、全く悪者にしていませんし、その娘も実は恐竜好きで「変」であったりするのです。

さらに、AIが反乱を起こす一方で、その中には味方になってくれる者たちがいたりもします。また、パパはスマホやタブレットを触ってばかりいる家族を憂いていたのですが、ずっと映画だけが友だちだったケイティはネットに短編映画を投稿し、自分の趣味に合った仲間を見つけることができていました。IT技術の進歩による脅威と、その恩恵という両者を、しっかりと描いている、というわけなのです。

そんな風にゲラゲラ笑って、「変」であることへの肯定に泣いて、物語そのものの誠実さに唸って、大満足をしていたら……さらにさらにエンドロールにも大感動が待ち受けていたという超大サービス!ありがとう!この映画を作ってありがとう!と拍手喝采をして褒め称える大傑作でした!

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