《SPAAK!SPAAK!SPAAK!カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ》でキュートな小悪魔の魅力を再確認!
《SPAAK!SPAAK!SPAAK!カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ》でキュートな小悪魔の魅力を再確認!
■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT
カトリーヌ・スパークをご存じでしょうか?
1960年代にイタリア映画界で世界的人気を博したフランス人女優です。
パリジェンヌの気品とあどけない少女っぽさを残しつつ、男たちを手玉にとるキュートでコケティッシュな小悪魔的魅力を銀幕に発散し続けた彼女、父親は何とあの『大いなる幻影』(37)『七つの大罪』(53)『裁きは終りぬ』(54)などの名脚本家シャルル・スパークです。
もっとも彼女が女優になることに父親は猛反対(実は彼女の家系、名門の政治家一族でもあったとのこと)。
しかしイタリア映画界の大女優ソフィア・ローレンの後押しで、アルベルト・ラットゥアータ監督の『十七歳よさようなら』(60)で主演デビューを果たし、瞬く間に人気を博していったのでした。
そして現在《SPAAK!SPAAK!SPAAK!カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ》と題し、彼女の代表作4本が東京のヒューマントラストシネマ渋谷で上映中、以後も全国順次公開が予定されています。
『狂ったバカンス』(C) Licensed by COMPASS FILM SRL – Rome – Italy. All Rights reserved.
夏の終わりのある一日、別居中の中年男がひとりの美少女フランチェスカに惑わされ、翻弄されていくという滑稽ながらも哀愁漂う『狂ったバカンス』(62)は、彼女の日本での人気を決定づけた作品でもあります。
ナポリ湾に浮かぶイスキア島で、イタリア人青年ニコラと名前が一字違いの気丈なフレンチガール、ニコルとの出会いを描いたビーチ・バカンス映画『太陽の下の18才』(62)はアイドルとしての可愛い彼女を堪能できます。
アルベルト・モラヴィアの小説「倦怠」を原作に、画家とモデルの不条理な愛を展開させていく『禁じられた抱擁』(63)は、これまでとは一転した妖艶な魅力が放たれています。
『女性上位時代』(C)1968 SNC (GROUPE M6)
亡き夫が秘密の部屋でアブノーマルな性的趣味に勤しんでいたことを知った未亡人ミミが、次第に自身もその世界へのめりこんでいく『女性上位時代』(68)は名優ジャン・ルイ=トランティニャンも共演!
アンナ・カリーナやクラウディア・カルディナーレと並んで当時人気を博したカトリーヌ・スパークは、今でいうフレンチ・ロリータの体現者として、男性は無論のこと今の女性たちにもファッショナブルに受け入れられること必至でしょう。
この良き機会に、ぜひとも彼女の魅力に触れてみてください!
(文:増當竜也)
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