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『それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国』レビュー:2年ぶりのアンパンマンはいつも以上に素朴で奥深く心に響く!


■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

今やお子さまの映画館デビュー映画として非常に貴重な劇場版『アンパンマン』のシリーズ32作目がようやく公開!

このシリーズ、実はお子さまはもちろんのこと、大人が見ても十分面白い! 

というか、親が納得できないものを我が子に見せようとするわけもないので、その分作り手も毎回親子に納得してもらえるものを作るべく腐心しているのです。

その点、やはり原作者やなせたかしならではの素朴ながらも心に響くメッセージの数々は、意外と日常に忙殺される大人たちにこそ大いに有用であるともいえるでしょう。

作画的にもシンプルな図柄ながら動かすところはちゃんと動かすという丁寧なスタッフ・ワークが毎回きちんとなされており、さらには戸田恵子をはじめとする日本声優界を代表するベテラン勢が勢揃いしているので、作品のクオリティとして申し分なし!



現在、多くの映画ファンはまず幼い頃に『アンパンマン』や『しまじろう』あたりから映画や映画館に接するようになり、成長と共に次のステップの作品へ移行し、それを繰り返しながら映画の奥深さを知るようになります。

そしてふと映画体験の原点に立ち戻ったときに、改めて見直す『アンパンマン』も格別なものがあるのです。

今回は雨や虹を生み出す“雲の国”からバイキンマンのせいで地上に落ちてきた赤ちゃん雲が、ドキンちゃんにフワリーと名付けられ、育てられるというお話。



このシリーズ、毎回ゲスト声優が誰になるかがキモになるところがありますが、今回のフワリー役・深田恭子は大正解で、実に味のある雲の赤ちゃんを可愛らしく演じてくれています(彼女は3Dアニメ映画『豆富小僧』(11)の声もよかったですね)。

また「アルプスの少女ハイジ」オープニングのように、キャラクターが乗ることのできる夢のある雲とは、老若男女を問わずファンタジックな憧れの情緒のひとつでしょう。

そんな夢を作り続ける素敵な国を汚染しようとするバイキンマンのいつもながらの悪だくみ。



でも、そんなことに決してめげることのないアンパンマンたちの活躍は、こんなご時世だからこそ、いつも以上にカタルシスがみなぎっているのでした!

親子でご覧になることを基本とするシリーズではあるのでしょうが、結構デートムービーとかにも向いているとも思います。

ハードSFだったり、キラキラ萌えだったり、はたまたアーティスティックだったりと、常にさまざまな形を提示し続けるアニメーション映画というジャンルの中、その体験の原点を振り返ってみるのも一興でしょう。
(マジに結構忘れていたものを思い出したりしますよ!)

(文:増當竜也)

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