2021年08月26日

『白頭山大噴火』レビュー:韓国映画の快進撃を象徴するパニック・スペクタクル&ポリティカル・アクション超大作!

『白頭山大噴火』レビュー:韓国映画の快進撃を象徴するパニック・スペクタクル&ポリティカル・アクション超大作!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

韓国映画の勢いはどこまで続くのか? 新作が公開されるごとにその快進撃に圧倒されっぱなしの昨今ですが、ここにまた超ド級のエンタメ大作が登場です!

見る前は単純に中国と北朝鮮の国境にある白頭山(ペクトゥサン)噴火による惨禍を描いたディザスター映画かと思っていたら、噴火の後の更なる大噴火による朝鮮半島崩壊を阻止するための決死のミッションを描いた、いわば『アルマゲドン』のラインに近い作品です。



噴火のエネルギーを抑えこむための核を北朝鮮から盗み出すというアイデアはかなり無謀で、またそれゆえに北朝鮮どころか中国もアメリカも動き出すという超国際的ポリティカル・サスペンス・アクションに加えて、噴火に伴う地震や津波などのパニック・スペクタクル描写にも怠りはなく、まさにエンタメ要素てんこもりの超大作として成立しまくっています。



さらには今回のキャスティング、特に男性陣は任務を遂行する特殊部隊隊長役のハ・ジョンウがいつもながらの冴えを示していますが、それ以上に謎の北朝鮮工作員に扮したイ・ビョンホンのベテランの貫禄が作品世界観そのものまで多大な影響をあたえているかのように際立っています。



さらに驚くべきは、あのタフガイ兄ィのマ・ドンソクが、何とインテリ科学者役!?



しかし、これが意外なまでにぴったりはまっていて、彼の演じるキャパシティの広さまで改めて知ることが出来た次第なのでした。

第41回青龍映画祭最多観客賞&技術賞、第40回韓国映画評論家協会賞映評10選、そして第56回大鐘賞主演男優賞(イ・ビョンホン)&技術賞と、こういった作品に多くの映画賞が寄せられるのも嬉しい事象。

とにもかくにも徹底してとことんいくところまでいく現代韓国映画のエネルギーをそのまま白頭山大噴火に置き替えつつ、さらにはそれを食い止めることでその膨大なエネルギーを体全体に浴びようと欲する韓国映画界そのものを体現したかのようなスペクタクル大作です。

(文:増當竜也)

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