『唐人街探偵 東京MISSION』レビュー:超豪華な日本人キャストと大見せ場でお届けする、もはや実写版名探偵コナン!
2021年7月9日より『唐人街探偵 東京MISSION』が公開されます。
聞き慣れないタイトルかもしれませんが、結論から申し上げれば予備知識ゼロで観に行って大丈夫、万人向けのどエンタメ最前線だったのですから。具体的な作品の魅力を簡潔に紹介していきましょう。
日本人にとって嬉しい&驚嘆すべきなのは妻夫木聡、長澤まさみ、浅野忠信、三浦友和という有名日本人キャストが「主要キャスト」として大活躍しているということ。さらに染谷将太、鈴木保奈美、六平直政、橋本マナミも印象的なキャラを演じているのです。次々と「ええっ!?この人がこの役柄で中国映画に出るの?」という意外性がある同時に、「そうそう、この人にはこういう役が似合うんだよなあ」と納得もできるキャスティングで嬉しくなるのです。
さらにバブリーなのは、そのお金のかかりっぷり。
総製作費は約65億円、日本だけでも約31億円にのぼっているのです。
本編でのド派手な演出の数々、実際に日本でロケをした大規模な撮影を見れば「そりゃそれだけお金もかかるよ!」と大納得できるでしょう。しかも、この映画がきっかけで実物大の渋谷スクランブル交差点のセットが栃木県足利市に製作され、それはNetflixドラマ『今際の国のアリス』や映画『サイレント・トーキョー』(20)でも使用されていたりするのです。本編では「そりゃ実際の渋谷スクランブル交差点では絶対に撮影できないよ!」と思える大見せ場が用意されていました。ていうか、初めの日本の空港に降り立ったシーンから「こんなの見たことない」な超大見せ場が用意されてヤバいという特盛サービスっぷりに頭がクラクラしてくれるほどでした。あとエキストラの人数も超ヤバい!
何よりも嬉しいのは、全編がとてつもなく「面白い」ということ。その内容を端的に言えば「密室殺人の謎を解くため、探偵たちが東京中を駆け巡る!」というもの。犯人から次々とミッションを告げられ、様々な場所で「謎解き」を強要されるも知恵と勇気で解決していく様は、『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(97)のよう。ケレン味のあるアクションも満載、しかも「キャラ萌え」もあって、何より物語の発端の密室殺人のトリックが意外性がありながら論理的で納得できる「探偵もの」の魅力もしっかりあるのですから、もう「実写版名探偵コナンだ!」にならざるを得ないのです。本作は人気シリーズの第3作ということですが、基本プロットがシンプルかつ、「よく知っている日本人キャストが大活躍」という嬉しさも手伝って、本作から観てもなんの問題もないようにもなっていました。
さらに、多くの劇場で展開している吹き替え版の声優も豪華。ハイテンションでバカで若干ウザい探偵を前田剛、冷静沈着で常識人の探偵を神谷浩史、そしてストイックなタイの探偵の吹き替えを浪川大輔が務めています。このタイの探偵役のトニー・ジャーが、『モンスターハンター』(20)に負けず劣らずキュートで愛おしいキャラを嬉々として演じているので、(吹き替え版でも)存分に萌えられることでしょう。
ちなみに、本作は新型コロナウイルスの影響で1年以上の公開延期となっていたにも関わらずの、中国で2021年2月21日の公開初日に約164億円の興行収入を記録し、なんと『アベンジャーズ エンドゲーム』(19)が打ち立てた記録を破って全世界オープニング週末興行収入歴代1位という、莫大な製作費に見合った以上の超特大ヒットを遂げています。
本編の面白さと「超お金かかってんな…!」と心から思える見せ場の数々を見ればそれも超納得。日本人が観れば『キル・ビル Vol.1』(03)に通ずる「ちょっとだけ変な日本」もむしろ楽しく、日本が誇る「コスプレ」の文化にもリスペクトが存分にあることも嬉しくなれるはず(よく見ると、あの大ヒット作品のあのヒロインのコスプレも…?)。ぜひぜひ、塞ぎ込みがちなコロナ禍でこそスッキリ爽やかにみられる、夏に相応しい「お祭り感」満載の本作を、劇場でご覧になってください!
(文:ヒナタカ)
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