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「ナイト・ドクター」第5話レビュー:誠実な医師に求められるふたつの条件とは(※ストーリーネタバレあり)

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波瑠主演のフジテレビの連続ドラマ「ナイト・ドクター」が、2021年6月21日(月)より放送開始した。

“昼夜完全交代制”を試験的に導入した病院を舞台に、夜間救急専門の医師チーム「ナイト・ドクター」の奮闘を描く本作。“月9”ドラマ初出演となる波瑠が強い信念を持つ主人公・朝倉美月を演じる。

本記事では、その第5話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

「ナイト・ドクター」第5話レビュー



深澤、美月、桜庭、高岡ときて、ついに成瀬のフィーチャー回。前回の終盤で成瀬が訴えられていることが判明し、どうなることやらと5話の放送が待ち遠しかった。どうやら成瀬は、過去に手術を担当した患者の家族から訴えを受けているようだ。

成瀬自身に非はなく、専門機関の調べによって医療ミスの事実はないことも確かめられている。手術を受けた患者は半身麻痺が残ったものの、一命を取り留めたーーそれなのに、なぜ家族は訴えを取り下げないのか?

家族の主張は「専門用語が羅列された手術同意書を見せられ、サインするよう求められた。医師は“必ず元気になる”と言ったからサインをした。半身麻痺が残ったのには納得いかない」といったもの。手術は難しいもので、深い知識と経験を持った成瀬だからこそ成功したと言えるだろう。家族として気持ちの整理がつかないのはわかるが、互いに落としどころが見つけられず泥沼にはまっている印象を受ける。

「患者は100%の医療を求める」ーーだからこそ、医師に失敗は許されない。患者の命を守るためにも、常に完璧な処置をしなければならない。成瀬に限らず、夜間の救急医療に携わるナイトドクターチームは全員が同じ気持ちだろう。だからこそ、患者に真意が伝わらないと憤りも倍増するのだ。

“完璧”とはなんだろう。“絶対”とはなんだろう。

成瀬を訴える患者家族は、成瀬の口にした「必ず元気になる」という言葉を信じて手術同意書にサインをしたのだ。命は守られたにもかかわらず(たとえ半身麻痺が残ってしまったとしても)、約束が守られなかった、裏切られたと感じるのは避けられないことかもしれない。成瀬は成瀬で、軽率に口にしてしまった“約束”がいつまでも自分の首を締める結果になってしまう。この葛藤が、ストイックすぎる今の成瀬を形作ったのだろう。

医者に限らず、どんな職業人も、仕事に対する姿勢を見直さねばならない。そう思わせられた。

成瀬を訴えていた患者家族は、成瀬が直々に謝罪したことで訴えを取り下げた。急を要する場面だったとは言え、不十分な説明だけで同意書にサインを求めたこと自体に対する、誠実な謝罪だった。自分がとるべき姿勢はなんなのかが分かっていること、そして、謝罪すべきときは潔く謝罪できることーー誠実な医師に求められることは、そう多くはないのかもしれない。


「ナイト・ドクター」第5話ストーリー

朝倉美月(波瑠)は、成瀬暁人(田中圭)が訴えられている事を知った。しかし、訴訟の詳細を成瀬が美月に話す事は無い。以降、成瀬の態度は以前にも増して美月に冷たくなる。患者の治療も、少しでも美月がもたついていると成瀬が奪ってしまう。美月だけでなく深澤新(岸優太)たちも成瀬の変化を感じていた。本郷亭(沢村一樹)は後輩を育てるつもりは無いのかと成瀬に聞くが、自分が処置した方が確実だと譲らない。

これでは救急医としての腕を磨けないと美月は焦る。そんな時、夜はキャバクラで働いているが昼は会社員をしているという患者の話を聞いた美月は、昼間の非常勤救急医の応募病院を調べ始めた。そこに、ホットラインが鳴り、母親の越川法子(紺野まひる)に付き添われた子供、日向(正垣湊都)が運び込まれる。美月と高岡幸保(岡崎紗絵)が処置に迷っていると、またも成瀬に奪われてしまった。日向は一命を取り留めたが、法子を安心させようと「絶対に助ける」と言った深澤にも、成瀬は患者や家族の前で二度とその言葉を口にするなと手厳しい。

美月は八雲徳人院長(小野武彦)に成瀬の訴訟について聞く。八雲は成瀬が手術を担当した子供の母親に訴えられているのだと美月に教えた。その母親、秋山真紀(山本未來)が病院を訪ねて来たため、成瀬が訴訟を抱えていることが病院スタッフに知れ渡ってしまう。一方、日向の疾患原因はなかなか判明しない。本郷は法子が記入した日向の問診票に疑問を持ち、美月と成瀬が法子から詳しく話を聞くことになった。

(文:北村有)


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