「サ道2021」第7話レビュー:震災に負けずに受け継がれた神戸サウナ(※ストーリーネタバレあり)
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テレビ東京はドラマ25枠で、「サ道」の新シーズンを放映する。
出演は、前作に引き続き原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗が決定。今回、“ディスタンスと継承”をテーマとし、様々な距離をこえて受け継がれていくものを描く。
本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「サ道2021」第7話レビュー
「サ道2021」第7話は、ナカタアツロウ(原田泰造)が大阪、京都に続いて神戸を訪れる。“サウナ三都物語”だ。神戸で向かったのは老舗「神戸サウナ&スパ」。三宮駅から徒歩5分の立地ながら、堂々たる佇まいの建物だ。入口ではフィンランドの“サウナの神様”トントゥがお出迎え。中に入ると、フロントのつくりにも従業員の立ち居振る舞いにも品格が漂う。
広々としたメンズフロアには、天然温泉「神乃湯温泉」を使用した大浴場、露天風呂、メインサウナ、フィンランドサウナ、トルコ式岩盤浴のハマーム、塩サウナ、露天の水風呂、六甲おろしが吹き抜ける休憩スペースなど至れり尽くせり。見るだけでととのいそうだ。
メインサウナでは土日祝20分おき(1日67回!)にロウリュサービスが行われ、フィンランドサウナではセルフロウリュができ、ヴィヒタ(白樺の葉)もある。
食事中のナカタが声をかけたのは、神戸サウナ社長の米田篤史。神戸サウナの創業者を祖父に、“サウナ界のゴッドファーザー”ことウェルビー社長の米田行孝を従兄弟に持つことから、彼のことを“サウナ界のプリンス”と呼ぶ人もいる。
水風呂の水温が11.7℃に設定されているのは、阪神淡路大震災が発生した1995年1月17日を忘れないため。当時、地震の直撃を受けて全壊認定された神戸サウナ。取り壊さなければいけなかったが、街の人々からの声の後押しによって再オープンにこぎつけたという経緯があった。神戸の人々に愛されたサウナはしっかりと受け継がれたのだ。
なお、「サ道2021」の五箇公貴プロデューサーの取材によると、米田はこのとき、本物志向のサウナを中心とした「大人のディズニーランド」を作ろうと決意したという。それまでサウナの常連だった、終電を逃した泥酔客には帰ってもらっていたというのだから、本気のほどがうかがい知れる(文春オンライン 2020年11月15日)。「神戸サウナ&スパ」の持つ品格はこのようなところから生まれたのだ。
米田社長の話を聞いたナカタは、偶然さん(三宅弘城)とイケメン蒸し男(磯村勇斗)にこう語りかける。
「あらためて思いました。今のコロナもそうだけど、サウナに入れるってことは当たり前じゃないんだって」
東京では昨年の緊急事態宣言によって多くのサウナが休業となった。現在もいつまたサウナが休業に追い込まれるか、予断を許さない状況が続いている。好きなときに好きなだけサウナに入れるのは、実はありがたいことなのだ。そして、素敵なサウナ文化を後世に残し、新たなサウナ好きを生み出そう。あらためてそんなことを考えた第7話だった。ああ、神戸サウナ行きたい。
(文:大山くまお)
「サ道2021」第7話ストーリー
実家への帰省ついでに関西圏のサウナ施設へと行ってみる事にしたナカタアツロウ(原田泰造)は、全サウナーの憧れと名高い王者の風格漂う神戸のサウナ施設を訪れる。老舗のホテルのような雰囲気の受付に満足しながら浴場へ向かうと、そこには神々しさすら感じる開放的な空間が…。
さらに、隅々まで行き届いた施設に感激する!お目当てのロウリュサービスや塩サウナ、フィンランドサウナなど様々なサウナを楽しんだ後、レストランで一息ついていたナカタの前にあの人が現れる…!
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