『スパイラル:ソウ オールリセット』レビュー:警察腐敗を題材にアップデートされた残虐ホラー・シリーズの新章!
『スパイラル:ソウ オールリセット』レビュー:警察腐敗を題材にアップデートされた残虐ホラー・シリーズの新章!
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■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT
猟奇殺人鬼ジグソウ及びその影響下にある者らがもたらす悪夢のような残虐殺人ゲームの数々を描いた大ヒット・サイコ・ホラー映画『ソウ』シリーズは、第1作『ソウ』(04)から第7作『ソウ ザ・ファイナル3D』(10)で一度完結し、第8作『ジグソウ:ソウ・レガシー』(17)では時を経てのジグソウ事件の再来(?)が描かれていました。
そして今回の第9作『スパイラル:ソウ オールリセット』は前作の続編ではなく、前作と同じくジグソウがかつて存在し、今や伝説とも化している世界を舞台にした、全く新たな猟奇連続殺人事件の謎を描いていきます。
今回はシリーズの熱烈なファンであるという主演クリス・ロックのアイデアを基に企画がなされており(彼は製作総指揮にも名を連ねています)、ジグソウを模倣したかのようなおぞましき殺人の数々もさながら、バディ刑事ムービーとしてのミステリ要素が大いに増幅されています。
そう、今回殺されるのは警察側の人間で、そのすべてがダーティな所業を犯した者ばかり。
アメリカ警察の腐敗を描いた映画は数多くありますが、本作はそのスリラー・ホラー版とみなすと入り込みやすいでしょう。
正直、従来のシリーズ・ファンからは残虐度の薄さを感じる意見も出てくるかもしれませんが、それでも初めてシリーズに接する方は、衝撃的にもほどがあるデスゲームの趣向の数々に恐れおののくこと間違いなし!
(今回はシリーズをアップデートした新章なので、それまでの作品を見ていない方でも、まったく問題なく作品世界に入っていくことが出来るのです)
監督はシリーズ第2作(05)から第4作(07)を担当したダーレン・リン・バウズマンなだけに、世界観のツボを心得つつ、時にオマージュ的なショットも盛り込みながら新しい『ソウ』ワールドの構築に腐心してくれています。
そして今回、ハリウッドのヒット映画シリーズの大半には出演しているのではないかと思われる名優サミュエル・L・ジャクソンが、シリーズ初登場!
(彼のファンならおなじみの“あの名セリフ”が出てくるか否かは、見ての楽しみ!)
ついに彼が出演してくれたということは、改めてこのシリーズが不動の人気を得たことのお墨付きをいただいたのと同義とみなしてもよいでしょう!
(文:増當竜也)
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