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2021年09月19日

「鬼滅の刃」 炭治郎と彼を取り巻く人たちとの関係性:「長男力」がポイント?

「鬼滅の刃」 炭治郎と彼を取り巻く人たちとの関係性:「長男力」がポイント?




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「鬼滅の刃」のアニメが地上波でオンエアされるのは何度目だろうか。
年末だけではなくどこかのタイミングで昼間にも放送していた。個人的には録画したものを何度となく観ていたので、今さら地上波で観ても……やっぱりおもしろい。困ったものである。
 
物語がおもしろいのはもちろんのこと、際立っているのがそれぞれのキャラクターだ。そしてそのキャラクター同士の絡みによってさらに個性が際立たせられる。

本記事では、それぞれのキャラクターの関係性について、筆者の独断と偏見で考察してみた。

(※竈門禰豆子の「禰」のへんは「ネ」の字です。)

長男と長女の危ういバランス【炭治郎×禰豆子】



まず注目したいのは、やはり物語の始まりとなる炭治郎と禰豆子の関係性だ。兄と妹でしょ? そのとおりだ。5人きょうだいの長男と長女だ。
禰豆子の鬼の特性として身長の伸縮があり、幼子のように見えるときがあること、また炭治郎の背負う木箱の中に入っていることもあり、庇護対象のように思えるが、人間だったころは炭治郎と共に母を支え、妹と弟たちの面倒を見ていた。
 
また、鬼襲来後、炭治郎が発見したときの禰豆子の様子が印象的だ。弟の六太をかばって倒れていた。物語の冒頭では、六太をおんぶして寝かしつけている。この2つのシーンでも、禰豆子の優しく家族思いの性格と、炭治郎がいない中、家族を守らなければならないという責任を感じていたのでは、と推察できる。



炭治郎は、まだ息がある禰豆子を背負いながら「俺が他所の家でぬくぬくと寝ていたときにみんなは惨いことに」と後悔と罪悪感、うしろめたさを感じていた。
でも、禰豆子は鬼に襲われた瞬間、「お兄ちゃんが家にいなくてもよかった」「お兄ちゃんだけでも助かってよかった」と考えている可能性はありそうだ。
 
ふたりとも単純に、たったひとりの家族を亡くしたくないという気持ちはあっただろう。同時に、炭治郎も禰豆子も互いをひとりにさせない、自分は死んではならない。それでも、何かあったときは自分の命を投げ出すというは責任感を持っていたのではないか。兄と妹の間にはそんな危ういバランスの中にいて、2人の関係は保たれていたのかもしれない。



早い段階から、禰豆子は守られる立場ではなく、兄と背中合わせで戦うようになっているのも、もともとの家族としての力関係が反映されているのだろう。
父が死んだばかりで父の代わりを果たそうとしていた炭治郎。そんな炭治郎を支えていた禰豆子。父を失った中で懸命に生きようとしていた2人の想いを踏みにじるような初回は、あらためて「鬼滅の刃」の残酷な世界観を凝縮している。
 
ちなみに物語スタート時、炭治郎が13歳で禰豆子が12歳という設定だ。だからこそ、これほどピュアにきょうだいのことを思えたのかもしれない……と思うが、どう転んでも鬼がクソである。

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(C)吾峠呼世晴/集英社©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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