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2021年09月24日

アニメ「平家物語」山田尚子と吉田玲子のアレンジは大胆かつ、原作のエッセンスに忠実

アニメ「平家物語」山田尚子と吉田玲子のアレンジは大胆かつ、原作のエッセンスに忠実




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『聲の形』(16)や『リズと青い鳥』(18)などで知られる山田尚子監督の最新作が、サイエンスSARU制作の「平家物語」であることに注目が集まっています。

本作は、2022年の1月からテレビ放送が開始となりますが、フジテレビ・オンデマンド(FOD)で、9月16日から独占先行配信されています。「平家物語」は日本人のほとんどがその名を知る古典の名作ですが、今回のアニメ作品が原作としているのは、古川日出男さん訳による現代語版です。

京都アニメーションで数々の傑作を監督した山田監督が、それ以外の会社と初めて組んで、日本人の心象に深く刻まれたこの物語をどう描こうとしているのか、原作と映像を比較しながら考えてみたいと思います。

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平家物語の概要



「平家物語」は、鎌倉時代に成立したとされている軍記物語で、平安時代に台頭した武家である平家の栄華と滅亡を綴っています。「祇園精舎の鐘の声」で始まる冒頭の一節は非常に有名で、学校で習った人も多いと思います。

琵琶法師が演奏しながら語る「語り物」であるのが特徴で、文字の読めない庶民にも耳で聞く文芸として広まりました。全12巻に膨大なエピソードが細かく語られ、総登場人物は1000人を超えると言われています。



冒頭部分が示すように、どんなに隆盛を誇ったものも、いつかは朽ち果て、永遠のものはないのだという「無常感」を描いています。作者は不明とされており、多くの人によって書き足されて、今日知られる形になったとされています。

現代語訳を古川日出男さんは、前語りにて「私はほとんど一文を訳し落とさなかった、章段の順番もいっさい入れ替えなかった」と語っており、原作のもつエッセンスを削ぎ落さずに全ての挿話を反映させ、琵琶法師の語ったニュアンスや調子、掛け声なども入れた上で、現代語に落とし込もうと試みています。

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(C)「平家物語」製作委員会

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