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2022-01-19

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アニメ「平家物語」歴史に詳しくなくても楽しめる「3つ」のポイント



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2022年1月12日(水)24:55〜フジテレビ系列にて放送中のアニメ「平家物語」。

「平家物語」は鎌倉時代に成立したといわれ、平家の栄光と没落を描いた軍記物語。「祇園精舎の鐘の声……」という冒頭文は覚えているという人も多いのではないでしょうか。

「平家物語」のアニメ化について、「歴史にあまり詳しくないから」と観るのを躊躇する人もいるかもしれません。しかし、「それはあまりにももったいない!」と声を大にして言いたいのです。

というのも、筆者は高校生以降「平家物語」に触れておらず、物語の大枠の知識しかありません。それでも、ストーリー・音楽・映像美の3つの点でどんどん作品に引き込まれていきました。

今回は、「平家物語」の原作をよく知らない人でもアニメを楽しめる3つのポイントを紹介します。

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ポイント1:オリジナルキャラクター「びわ」の存在でドラマが大きく展開



アニメ化に際し、オリジナルキャラクターとして誕生したのが琵琶法師の少女である「びわ」。

アニメ版「平家物語」は、びわの父親が平家の武士に殺される残酷な場面から始まり、視聴者は当時の平家が持つ圧倒的な力の大きさを見せつけられます。

びわの特徴は、青い右目で「未来が見える」点。びわはその力を使って平家の滅亡を察知し、平重盛に「お前たちは じき滅びる」と言い放ちます。その結果、重盛から「ここにいてほしい」と懇願され、一緒に暮らすことになりました。

びわという存在や「未来が見える」といったフィクション的な要素があることによって、原作の「平家物語」とは違った視点でも楽しめます。このびわの能力が今後の展開を大きく左右することになるでしょう。



また視聴者である私たちも、びわと同様に平家が滅亡する未来を知っています。びわと同じ目線で平家を追い続ける、という点もアニメならではの楽しみ方です。

武士の力が強い時代を描いた作品のため、人を殺すような残虐な場面はありますが、何気ない人々の生活や自然の描写も多く描かれています。印象的だったのは、びわが重盛の次男・資盛と口喧嘩をする描写。コメディ要素があり、ほっこりとした場面でした。

ポイント3でも紹介しますが、人々の日常や会話、自然の描写を丁寧に描いているのがアニメ版「平家物語」の見どころのひとつです。

ポイント2:琵琶の音と共存する現代的なOP・EDテーマソング



アニメ「平家物語」では、作中でびわが弦楽器・琵琶を演奏します。

BGMとして琵琶の音が流れると場面の雰囲気が変わり、これまでの流れを一新させるような効果があります。その音色は美しく、聞いていると心がゆったりとします。

琵琶によって作品に奥行きが出るため、「平家物語」の世界観がぐんと広がったように感じました。

また、印象的だったのはOP(オープニング)とED(エンディング)テーマソングです。

1話の冒頭でびわの父親が斬首されたあと、「平家物語」の冒頭文「祇園精舎の鐘の声……」を琵琶の合いの手とともに女性が読み上げます。その一節を聞いて「これから古典文学『平家物語』を題材にしたアニメを観るのだ」と心を構えました。



しかし次の瞬間、爽やかなボーカルの声で始まるOPテーマ・羊文学の「光るとき」が流れます。これまでびわたちと一緒の時代にいた自分が、曲によって時代を超えて一気に現代に戻ってきた気がしました。

公式サイトでは羊文学のボーカル・ギターであり、今回の主題歌を書き下ろした塩塚モエカ氏が、自分たちの曲を「傲慢なイメージで語られがちな平家の人々の、人間らしく美しい側面を知りました。そんな姿を、私たちなりに讃え、照らし出す曲」だとコメントしています。

コメントの通り、「君たちの足跡は、進むたび変わってゆくのに 永遠に見えるものに苦しんでばかりだね」や「最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても 今だけはここにあるよ 君のまま光ってゆけよ」という歌詞から、やがて平家が滅びる未来を知りつつも、「今」戦い続けている彼らを勇気づけ、希望を照らしているような曲になっています。

古典的な琵琶の音から一転、現代的な疾走感のある曲が『平家物語』のOPテーマになっているので、曲を通して現在から過去の彼らを応援している気持ちになりました。



そしてEDテーマ「unified perspective」は、「平家物語」の背景音楽を担当する牛尾憲輔氏が、ソロユニットagraphとして担当。自身で手掛けたトラックにANI(スチャダラパー)のラップを載せた一曲です。

驚いたのが、琵琶の音を奏でている「平家物語」の世界とはほど遠い距離にありそうな「ラップ」の曲だったこと。

しかし歌詞を聞いてみると「伝える栄華と 没落」「鐘の声 響き 儚く」「物事と言うのは 常々 上 下 裏 表」「変化をするのは 常」と歌っており、「この世のすべての現象は絶えず変化していく」「どんな勢いが盛んな者も必ず衰える」といった道理を表している「平家物語」の冒頭文と重なります。

古典文学に「ラップ」という意外な組み合わせですが、現代の人が観ているアニメ「平家物語」で流す曲だからこそ、冒頭文の意を現代的なラップという手段で表現することに意味があるのだと思いました。

このように、OPとEDテーマどちらも印象に残っている「平家物語」。琵琶の音色も特徴的であるため、「音楽」に注目して作品を追っていくのも楽しみ方のひとつです。

ポイント3:息をのむほど美しい繊細な描写



アニメ「平家物語」のアニメーション制作は、『夜は短し歩けよ乙女』(17)や「映像研には手を出すな!」(20)のサイエンスSARUが担当します。

ぜひ注目して観てほしいのが「丁寧で繊細な描写」です。

画面に映り込む一つひとつの絵が繊細で、観ていてうっとりします。

例えば、自然の描き方。パタパタと羽を広げて飛んでいる蝶やキラキラ輝くホタル、牡丹や桜などの花、楓など、たとえ背景の一部であったとしても堂々とした存在感があり、「平家物語」の世界観を作り出しているのです。

また、人間の描写も印象的でした。例えば、父親が殺される残酷な場面。刀が鞘から抜かれ、殺されると悟った時の父親の表情。父親の血を顔に浴び、何が起きたのか理解が追いつかないびわの表情。そして、父親は殺されたと気づいた時の絶望的な瞳。声が無くとも、キャラクターたちの表情で感情が理解でき、視聴者は幼い娘が父親を目の前で殺された絶望的な状況に感情を持っていかれます

このように人間の表情や感情を丁寧に描写しつつも、動植物も主役としてフレームに収めているサイエンスSARUの絵は、息をのむほど美しい映像になっています。

「平家物語」は、アニメーションにも注目して観てみてください。

今後の展開も見逃せないアニメ「平家物語」



平家の栄光と没落を描いた「平家物語」。

監督、脚本、音楽、映像……精鋭のクリエイターたちが手掛ける本作品は、物語が展開していくたびに面白さが増していくに違いありません。

平家の様子がどう描かれるのか、アニメオリジナルキャラクター・びわは平家とどう関わっていくのか、今後も追い続けていきます。

(文:きどみ)

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