『僕の姉ちゃん』黒木華×杉野遥亮対談「あざとい人は苦手です」「イケメンにも面白い人はいるし、面白くない人もいます」
『僕の姉ちゃん』黒木華×杉野遥亮対談「あざとい人は苦手です」「イケメンにも面白い人はいるし、面白くない人もいます」
益田ミリの人気マンガ『僕の姉ちゃん』が黒木華&杉野遥亮により、実写ドラマ化され、Amazonプライム・ビデオで配信中。何気ない日常の中から独自の視点で人生観を語る姉のちはると、ピュアで実直な新社会人の順平のユーモラスな掛け合いが魅力的な作品だ。
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ドラマの主軸となる姉弟を演じた二人に、初共演のエピソードや互いの印象、自身の恋愛観などを聞いた。
——ドラマでは家で二人芝居のシーンが多いですが、撮影はいかがでしたか?
黒木華(以下、黒木):ちはると順平のような関係になれた気がします。休憩中に同じ空間にいても、それぞれがスマホを見ていたりと、いい意味で相手のことが気にならないんですよね。それがまるで本当の姉弟みたいで、ちょうどいい距離感だったと思います。
杉野さん(以下、杉野):だんだん黒木さんが関西弁で話してくれるようになって、お姉ちゃんみたいでうれしかったです。
黒木:杉野君もふとした拍子にタメ口だったりして、私もそれがうれしかった!
杉野:えっ、本当に⁉ それは大変失礼しました!
黒木:本当にふとした拍子に「あ、そうだよ〜」と、返事をしてくれたときは「今の弟っぽい!」と思って、うれしかったな。
杉野:撮影も深夜に及んでいたりしたから、そういう態度を無意識にとっていたかもしれません。本当にすみませんでした!
黒木:いえいえ! 撮影現場が本当に素敵な雰囲気だったから。監督がこだわって作り上げた空気が流れていて、とても居心地がよくて、まるで自分の家にいるような感覚になってましたね。
杉野:こうやって、ちゃんと話をまとめてくれるところが本当にお姉ちゃんっぽくて、助けられてます!
黒木:私も杉野君のような弟ができてうれしいです(笑)。
——最初のお互いの印象はどうでしたか?
黒木:最初からいきなり距離を詰めるのもどうかなと思っていたんですが、杉野君がとても接しやすい空気を出してくれたので、やりやすかったです。
杉野:撮影期間が短かったので、お互いに距離感があるとだめだと思ったんですが、黒木さんととても自然に姉弟のような間柄になれました。
——撮影現場で印象に残っていることはありますか?
黒木:2人が暮らしている実家の大道具がとても素敵でした。カウンターは美術さんがこだわって、オリジナルでアレンジして作ってくださった一点もので。とても居心地のいい家でした。
杉野:僕は黒木さんがとてもおいしそうにご飯を食べるので、それが印象的でした。順平はちはるに比べて食べるシーンが少ないので、「姉ちゃんはいつもうまそうなものを食べてて、うらやましいな」と思ってました(笑)。
黒木:確かに。一番おいしかったのはチャーシュー! あとは、ホワイトロリータを食べているシーンも印象に残っています。このドラマでは、2人の日常生活が丁寧に描かれているので、シンクに置いてある食後の食器が、生活としてちゃんと映っているんです。そういう端々に「あぁ、2人はここで本当に暮らしているんだな」と感じられるところがいいなと思いました。
セリフにはなくても、ちはるが好きなホワイトロリータを順平が買い足していることがわかるシーンがあって。2人の関係性がさりげなく描かれているところも素敵だと思います。会話だけでなく、目でも楽しめるドラマになっています。
——劇中では男女の些末なあれこれが描かれています。1話では「あざとい女」というのがテーマでしたが、お二人は「あざとい女」はどう思われますか。
杉野:僕は男女関係なく、あざとい人は気になっちゃうかな。あざとさって別に女の子だけのものじゃないですよね。社会に出てる男の人でもたくさんいると思うんです。同僚と上司の前で顔を使い分ける人とか。計算高いっていうんでしょうか。僕はそういうのはちょっと苦手だなって思います。
黒木:私はあざとくてもあんまり気にならないかな。「わざとやってるのかな」と思うことはあっても、自分に被害が及ばなければ気にならないタイプです(笑)。
——では、黒木さんが「この人は無理だ!」と思うような人はどういうタイプでしょうか?
黒木:コミュニケーションで解決できない人。たとえ大好きな人でも「ちょっと気になること」ってあるじゃないですか。例えば食べ方のクセだったり。そういうちょっとしたことを「気になるからできればやめてほしい」とお願いしたときに、聞く耳を持たない人や、拒絶してくる人は無理かもしれません。きちんと話し合いができない人は苦手ですね。
——杉野さんは苦手なタイプはいますか?
杉野:僕は結構いますけど…(笑)。例に挙げるなら、一つの価値観でしか物事を見れない人は嫌だなって思います。やけにヒロイックな人とか。「私は被害者なんだ!」って喚いているような人は「外側から見たら違ったりするんだけどな」って思っちゃいます。
——劇中では「イケメンは女のストライクゾーンが広い」と、ちはるが順平に言っていますが…(笑)。
杉野:あー僕は狭いですね(笑)! 多分、イケメンじゃないんですね。
——逆にちはるは「イケメンはつまらない」とも言っています。黒木さんはイケメンについてどう思いますか?
黒木:職業柄、これまでいろんなイケメンを見てきました(笑)。それで思ったんですけど、イケメンにも面白い人はいるし、面白くない人もいます(笑)。多分、ちはるが言いたいのは「イケメンはイケメンであることに甘んじて努力をしていない」ということなのかなと、とらえました。私に言えるのは人それぞれだということです!
杉野:なるほど(笑)。
——ちはるは「イケメンと付き合うのは青春を振り返る小道具」と言っていますが、ふたりには「青春を振り返る小道具」のような思い出ありますか?
杉野:これまでの人生を振り返ると、やりたいようにしかやってきていない気もしますが、あえて言うなら部活でしょうか。そこまで「バスケがやりたい!」という熱意もなく始めたものですが、やってみたら意外と楽しくて、いい思い出にはなりました。
黒木:私も杉野君と同じで、やりたいことしかやってきていません(笑)。ただ、思い出をいつでも振り返ることができるように、なるべく写真に残すようにしています。母が私の幼い頃からの写真を撮りためていてくれたので、たくさん思い出の写真があるんです。学生時代に演劇部だったころの写真は、見返すだけでもとても楽しいです。いつか子供ができたら、その子に見せてあげたいと思っています。
杉野:僕はほとんど写真とか残ってないです…。全然撮らないし…。
黒木:撮らなそう(笑)!
——このドラマでは、日常のちょっとした一こまをほっこりと視聴者に届けてくれます。それにちなんで、お二人の「最近うれしかったこと」を教えてください。
黒木:演出家のジョナサン・マンビィさんと二度目の舞台のお仕事ができたことです。このご時世に舞台に立たせていただけるだけでも幸せなことですが、改めて彼から俳優として、とても大切なことを教えていただきました。誰一人最後までかけることなく、たくさんのお客様に足を運んでいただけたことが本当にうれしかったです。
杉野:僕も黒木さんとほぼ同じなんですが、初めて舞台に立たせていただきました。奇しくも僕もフィリップ・ブリーンさんという海外の演出家とお仕事をさせていただいたんですが、とても勉強になったし、俳優として刺激を受けました。これからの自分を作る新たな一歩になったと思います。
黒木:本当にほぼ一緒だ(笑)。さすが姉弟!
杉野:うまくまとまりましたね(笑)。
(撮影:八木英里奈、取材・文:AK)
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