「アバランチ」第2話レビュー:羽生の目的は?テンポが速い物語に次々と明らかになる真実(※ストーリーネタバレあり)
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綾野剛主演のドラマ「アバランチ」が2021年10月18日に放送開始した。
カンテレ・フジテレビ系で月曜夜10時の新たな連続ドラマ枠がスタート。第1作目となる本作は、破天荒な謎の集団“アバランチ”の活躍を描くピカレスクエンターティンメント。7年ぶりのフジテレビ系連ドラ主演となる綾野剛が主人公・羽生誠一を演じる。共演は福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、木村佳乃ら。
本記事では、その第2話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
「アバランチ」第2話レビュー
少しずつ、メンバーたちが「なぜアバランチにいるのか」が明かされていくのだろうか。
今回、アバランチが調査することになったのは半年前に転落死した夏川洋子。しかし、初動から牧原の様子がおかしい。1話でのニコニコ笑顔が揺らぎ、駄々っ子のように感情をあらぶらせる。そんな牧原の肩を抱き、どうしたのか問いかける羽生。優しいトーンの声にグッと来る。なだめるわけでもなく、問い詰めるわけでもなく、胸のつかえをとってやろうとするかのような話し方だ。
ためらいながらも牧原が口にしたのは、夏川が自分の姉だということ。その姉の無念を晴らすためにここにいる、と話す。
だからと言って、大きくアバランチのテンションが変わらないというのが彼ららしいところなのかもしれない。
そんな中で動揺し、同情するのが西城だ。スペシャリスト揃いで常人離れした感覚を持っているアバランチの中で、西城の反応は一番常識人に近い(警視庁の人だけども……)。いまのところあまり戦力になっていないように見えるが、「それは違うのでは?」「どうしてそんなことをするんですか?」と視聴者側の疑問を投げかけるようなキーパーソン的な立ち位置にいると言ってもいいのかもしれない。
最近は「強い福士蒼汰」を見ることが多かったので、へっびり腰で「えーっ!? えーっ!?」と言いながらオロオロする姿はなんだか新鮮だ。
その一方で、羽生の落ち着きっぷりは恐ろしささえ感じる。1話冒頭――爆破事件が起きたときの羽生はもっと熱く、無鉄砲なところがあるように感じられたが、そういった部分がそぎ落とされているように思う。が、冷静さと洞察力は並外れているものがある。
重要人物のマンションを訪れ、そこですれ違った引っ越し業者に違和感を覚える。だいたい、「あそこで気がついていれば!」と後悔する場面なんだが、そういうところがスルーされない。証拠は確実に掴み、黒幕を追い詰めていく。
思っていたより話のテンポが速い。アバランチの正体を突き止めようとしている内閣官房副長官の大山は、すでにその尻尾を掴みかけている。
大山はあの爆破事件にも関わりがあるようだし、今回はラストに牧原が距離はあるものの大山と対面している。そして意味ありげな牧原の笑み。最終的な敵は大山なのか、それともさらに“何か”があるのか。
この物語、一筋縄ではいかなそうだ。二転三転を覚悟しておいたほうがいいかもしれない。
「アバランチ」第2話ストーリー
山守(木村佳乃)は、半年前に転落死した夏川洋子(中島亜梨沙)についての調査をアバランチメンバーに命じる。東南アジアの開発途上国支援に精力的に携わってきた彼女の死について、警察は残された遺書の存在から自殺と断定するが、山守の調べでは不審な点やある大物政治家との関係が疑われていた。
夏川の身辺を調査するうちに、死の直前までやり取りをしていた永井慎吾(久保田悠来)というジャーナリストの存在を知った羽生(綾野剛)、西城(福士蒼汰)、リナ(高橋メアリージュン)は彼の自宅に向かうが、予想外の事態に遭遇する。一方、その頃、大山(渡部篤郎)は内閣情報調査室のエース・桐島雄司(山中崇)を呼び出し、アバランチについての調査を依頼していた。
次第に明らかになっていく夏川が近づいていった“大きな闇”。そんな中、牧原(千葉雄大)はこの事件に対して、メンバーの中でもひときわ特別な感情を抱いていた…。
(文:ふくだりょうこ)
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