吉高由里子の魅力:『最愛』でのヴィジュアル最強説をここに宣言する


演技派女優としての地位を確立、『きみの瞳が問いかけている』

吉高由里子と横浜流星がダブル主演を務めた『きみの瞳が問いかけている』(20)。
チャールズ・チャップリンの名作『街の灯』にインスパイアされて製作された韓国映画『ただ君だけ』(11)を、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、『僕等がいた』の純愛映画の名手・三木孝浩監督によるリメイク作品だ。


(C)2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会

視力を失くした女・柏木明香里(吉高由里子)と、とある闇を持つ元ボクサー・篠崎塁(横浜流星)の、希望、後悔、苦悩、葛藤…あらゆる感情が入り混じる、涙涙の純愛物語。
キャラクターこそ違うが、現在放送中の日本テレビ2021年10月期水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』を連想させる。

大人になってから視力を失くしてしまったにも関わらず、いつも明るく笑顔な明香里の姿に心打たれる。だからこそ、対比する”悪”ーー弱みにつけ込んでくる明香里の上司・尾崎隆文(野間口徹)や、塁のことをどこまでも追い詰める佐久間恭介(町田啓太)への憎悪は増すばかり。

とある小さな勘違いから出会った明香里と塁。異なる意味で”暗闇”で生きてきた2人に、観ている誰もが幸せになってほしいと願ったことだろう。
しかし、そんな陽だまりのような生活はそう長くは続かない。明香里と塁の秘密が混じり合った瞬間、豊かだった日常は一気に崩れてしまう。運命って、どうしてこうも残酷なのか。


(C)2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会

本作品で注目してほしいのは吉高由里子の確かな演技力
感情を操ることが得意な女優といえど、体験しようのない盲目という事象を自らの身体を用いて反映させることは想像以上に難しいことだろう。
彼女の女優人生において成長を加速させた作品であることは誰の目にも明らかだ。


『蛇にピアス』でセンセーショナルな姿を世に魅せつけ、数々のドラマで多様な役柄をコンプリートし、『きみの瞳が問いかけている』で女優としての集大成を披露、そして『最愛』でそれをも越える存在感で魅了する吉高由里子。

彼女の快進撃はまだまだ止まることを知らない。

(文・桐本 絵梨花)

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