「サムライカアサン」第5話レビュー:オカンはいつだってたけしの味方!たこ焼きとヒョウ柄から見えた愛情(※ストーリーネタバレあり)
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城島茂主演の「サムライカアサン」が、2021年10月11日(月)放送スタートした。
板羽皆原作の同名コミックをドラマ化。
反抗期の高校生息子にウザがられながらも、その大きすぎる愛でみんなを巻き込み大暴走する大阪のオカン・よい子を城島茂が演じる。共演は大西風雅(Lil かんさい/関西ジャニーズJr.)、井頭愛海、有野晋哉ら。回を追うごとにパワーアップしていくオカンと愛らしい登場人物たちが送る、全力愛情コメディ。
本記事では、その第5話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
「サムライカアサン」第5話レビュー
関西を代表するグルメといえばたこ焼き。そして、関西のオバチャンといえばヒョウ柄。
「サムライカアサン」第5話のキーワードは上記の2つだった。
「オカンのひざ」
ガールフレンドのこずえ(井頭愛海)の家に勉強しにいくたけし(大西風雅)。こずえの弟・ケンジ(石坂大志)は姉をとられて面白くないのか、何かとたけしにつっかかる。
ケンジにドロップキックされたり文句いわれたりしても怒らずにこやかなたけし。家でよい子に苛立っているときとちょっと違う感じである。ただ、そもそもお人よしの両親から生まれた彼。基本的には素直な優しい子なのだろう。なお、邪険にされてノリツッコミで返すあたりも、間違いなく彼のオカンから受け継いだDNAだ。
その後もなんやかんやと邪魔しにくるケンジ。そんな彼を見て、他の子がオカンのひざに座ると面白くなかった幼少時代をたけしは思い出す。そして、こずえとケンジを自分の家に誘った。
伊佐木家にやってきたたけしたち。ここでもケンジは生意気な態度。しかし、たこ焼きを作るよい子(城島茂)を前に次第に心を開いていく。
姉がたけしの話ばかりでおもろうない、だからめっちゃ嫌い!というケンジ。よい子は、たけしのことを話すお姉ちゃんは泣いてるか、怒ってるか?と問いかける。「笑ってる」と答えるケンジに「笑顔って素敵やし、笑えるってとっても幸せなこと」だとよい子は話す。そう、ケンジだって本当はお姉ちゃんに笑っていてほしい。よい子の話でようやく気付いたらしい彼。よい子が作ったたこ焼きを「めっちゃうまい!」と喜ぶのだった。
よい子の膝に座ってはしゃぐケンジを見たたけしは「オカンの魔法の椅子や」とつぶやく。そう、母親のひざは子どもを笑顔にする特別な場所なのだ。
帰るころには「おばちゃん、また来てもいい?」とすっかりニコニコ顔になったケンジ。その後、よい子はたけしに「お母ちゃんのひざ、あいてますよ」とちょっと悪ノリ。「アホか」とたけしに拒まれても、「照れただけ アホかアホかも好きのうち」と前向き俳句でのりきってしまう。本当に素敵なオカンだ。
「オカン三者面談」
三者面談を翌日に控えたたけし。漫才師の道へ進むと決めている彼だったが、親から進路について反対されている友人の話を聞いて不安を覚えていく。家に帰ると、「明日の三者面談どうしよか~」「悩むよな~」と両親の声が聞こえてくる。やっぱり父と母も悩んでいるのか…と気落ちしかけるたけし。
しかし、部屋の中を見たたけしがあげた声は「服かい!」
そう、よい子は明日着ていく服に迷っていたのだ。畳に並んでいたのはヒョウ柄の服の数々。よくここまでヒョウばかり集めたな…と感心するコレクションである。
ヒョウ柄の全身タイツを手にして「思っていることをちゃんとしゃべれるか心配」とこぼすよい子。面談にその服はどうなのか?というのはともかく、息子の進路に対する真剣な思いもあるようだ。
翌日はついに三者面談の日。よい子に漫才師になるのを反対される夢で目覚めて不安を覚えるたけし。一方よい子はオーソドックスなスーツ姿。「真面目な話せんとあかんからな」とあえて地味に決めたらしい。ただ、「お母ちゃんカラー入れてこ」と気になる言葉を残した。
放課後、面談にのぞむたけしとよい子。しかし、たけしの進路を担任は否定。芸人になってちやほやされたいかもしれないが、そんな甘くはない。就職か進学したほうがいい…と言われてしまう。
しかし、よい子は違った。息子がやりたいのは楽しい気持ちを引き出す素敵な仕事だと思う。ちやほやされたい気持ちがあるとしても、信じてあげるのは純粋な思いだけでいい…と担任に反論。そして、「厳しい現実を教えてあげるのも大人の役目だ」という担任に思いきり啖呵を切った。
「現実なんて自分で見て感じなわからんでしょうが!違いますか?」
帰り道、改めて「堅実に就職とかしてほしいんちゃう?」と問いかけるたけし。しかし、よい子はそんな息子の背中をどついた。
「これから自由な発想していかなあかん人間が、そんなしょうもないところでつまずいててどうするの。たけしはたけしの人生を一生懸命やったらええの。お母ちゃんは一生懸命あんたの味方をするんやから」
「だから、ノープログラムやで」と最後だけちょっとズッコケたよい子。しかし、彼女は親の役目をしっかりわかっている、とても優しく賢い母親。ウザいときもあるけれど、息子の夢を踏みにじるようなことなんてするわけがない。いつだってたけしの一番の味方なのだから。
その後、よい子は息子にまさかの真実を明かす。三者面談を乗りきるため、実は下にヒョウ柄全身タイツを着こんでいたのだ。シックなスーツ姿も素敵だったけど、ヒョウ柄のほうがやっぱりよい子らしい。
* * *
たけしやケンジを愛情で包み込んでいくよい子が素晴らしかったこの5話。そして、一つどうにも気になったのが、よい子が作ったたこ無し・ウインナーとチーズたっぷりのたこ焼き。本当に美味しそうで、ぜひどこかでレシピなど公開してくれないかと願っている。
「サムライカアサン」第5話ストーリー
『オカンのひざ』
初めてこずえ(井頭愛海)の家を訪れたたけし(大西風雅)は、こずえの弟・ケンジ(石坂大志)に何かと敵視される。たけしは一計を案じ、ケンジをよい子(城島茂)に預けることに。「その気持ちわかるわ~」、よい子はケンジの嫉妬心に大いに共感して…!?
『オカン三者面談』
卒業後の進路を「お笑い養成所」と決めたたけしだったが、かんたろう(リョウ)や友達が親から手堅い選択を勧められていると知り、三者面談を控えて心は揺れる。一方、よい子はジョージ(有野晋哉)と、面談に着ていく服選びに余念がないが…。
(文:田下愛)
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