『アタシ、キレイ?』中村優一×瀬戸祐介対談|防護服にマスク、メイキング生配信も…コロナ禍だからこそ生まれた映画の裏側に迫る
——お二人は今作が初対面だったということですが、共演されてみてお互いについてどう思いましたか?
中村:瀬戸さんは、こちらに息を合わせてくれる方ですね。ワンカットでの撮影って、僕らがどれだけ息を合わせられるかにもかかっていたと思うので、本当に相手役が瀬戸さんでよかったなと思います。
瀬戸:そもそも優一くんがいろんな人に声をかけて実現した作品だと思っていますし、今こうやってお話されているのを聞いていても、本作に対する熱意をすごく感じます。だから、そんな優一くんと共演できたことはすごくうれしかったですし、優一くんは人としてとても惹かれるものがあるなと思いました。
——ヨリコさんもお二人の相性を見越してキャスティングされたのかもしれないですね。
中村:そうかもしれないですね。……ただ、一箇所だけすごく苦しかったことがあって。
瀬戸:え、なんだろう。
中村:僕が瀬戸さんをおんぶするシーンがあったじゃないですか。僕、自分より大きい人をおんぶした経験がなくて。しかも瀬戸さんは足が長いから、背負うと足が地面に付きそうになっていて、そのシーンだけは瀬戸さんを恨みましたね(笑)。
瀬戸:僕もそのシーンは本当に痺れました(笑)。しかも終盤のシーンで、優一くんはすでに体力的にボロボロな状態だったんですよ。このあとおんぶあるけど大丈夫かな?と心配してしまうぐらい。さらに、おんぶのシーンはリハーサルでもやっていなくて、一発本番で。
中村:倒れているところからおんぶするのがすごく大変だったんですけど、持ち上げるときに、瀬戸さんがつま先に力を入れて、持ち上げやすいようにしてくれて。瀬戸さん、優しいなぁと。
瀬戸:あとは、少しでも背負いやすいように体固くしたほうがいいかなとか考えていましたね。優一くんは大変だったと思うんですけど、そのシーンは心と心が通じあったなと感じました!
中村:あはは!
瀬戸:でもさ、途中で一度落としたよね?(笑)
中村:はい。もうダメだって思って、一度地面に置きました(笑)。もしあそこでNGを出してやり直しになっても、たぶんできなかったと思うんです。体力的にも。だから、この一回にかけないとって考えていました。
瀬戸:そのプレッシャーがやばい。背中から気迫を感じていました。終盤のシーンなので、そこら中に血糊とかが飛び散っている状態なんですよ。もう一度最初からやるとなったら、床をきれいにするところから全部やり直しなので。血飛沫が飛んだ障子も張り直しですし(笑)。今思い返しても興奮しますね。
中村:この作品を経験しちゃうと、普通の現場が物足りなくなってくるんですよ。
瀬戸:めちゃくちゃわかります。こんなにカット割るんですか?みたいな(笑)。
——お二人がそんな渾身の力を込めて挑んだ本作ですが、ついに2021年11月27日(土)に開催される「DOKUSOフェス2021」で初公開となりますね。
中村:本当に楽しみなんですよ。実は僕たちも、まだできあがったものを観ていないので、この「DOKUSOフェス」で皆さんと同じように初めて観ることになります。当時のいろいろな思い出を思い返しながら観たいなと。そして、たぶんあらすじや生配信の様子を見ただけでは、どのような作品になっているかが伝わりきっていないと思うので、ぜひご覧いただいて皆さんから感想をもらえたら嬉しいです。
瀬戸:撮影時の生配信をご覧になっていた方にはぜひ観ていただきたいですし、僕自身もワンカットで撮る作品というのは初めてだったので、これを機に“ワンカット俳優”になりたいですね。僕らにはノウハウがあるので!
中村:ワンカット俳優は面白いな(笑)。でもたしかにそうですよね。準備にこれぐらいかかって、撤収もあるから体力はこのぐらいでコントロールして……とか考えられる。
瀬戸:バラシまで含めてワンカットですから!
中村:あはは! でも本当に、コロナ禍になってこの先どうなっていくかわからない状況で、今僕たちがやれることを、と思い立ってスタートした作品なので、やっと皆さんに観ていただけるというのがうれしいです。この作品の世界観を思いっきり楽しんでいただけたらと思います。
(撮影:大塚秀美、取材・文:榎本麻紀恵)
ーーーーー
cinemas PLUS コミュニティを作りました!
・お気に入りの著者をフォロー&記事のブックマーク
・ムビチケや独占試写会プレゼントのご案内
・週2回メルマガ配信
今後もコミュニティ会員限定のプレゼントやイベントを企画予定!
コミュニティ登録はこちらから↓
https://cinema.ne.jp/auth/register
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。