2022年01月02日

<新作レビュー>『マークスマン』リーアム・ニーソン、イーストウッド映画の魂を踏襲したアクション・ロードムービー!

<新作レビュー>『マークスマン』リーアム・ニーソン、イーストウッド映画の魂を踏襲したアクション・ロードムービー!



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■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

いつのまにかタフガイなオヤジと化して数々のハード・アクション映画に主演し続けるリーアム・ニーソンですが、ここにまた1本、新たな魅力ある快作が登場!

メキシコ国境付近の牧場からシカゴまで、麻薬カルテルの魔手から逃れながらメキシコ人の子ども(母親は麻薬カルテルの凶弾で死亡)を送り届ける羽目になる牧場主が今回の彼の役柄です。

『96時間』3部作あたりからすると年々枯れオヤジ的な味わい深さを好ましく醸し出しつつ、元狙撃兵としての凄みを巧まずして身体全体で発してしまう主人公のリアリティは、やはりリーアム・ニーソンならではの賜物といっても過言ではないでしょう。



初老の男と少年のぎこちない交流と友情、ロード・ムービーの韻を踏んだ展開の妙味、元狙撃兵という設定を活かしたクライマックス、伏線の張り方も絶妙です。さらに嬉しいのは、監督が数々のクリント・イーストウッド映画のプロデューサーで、彼が主演した『人生の特等席』(12)で監督デビューも果たしたロバート・ロレンツであること!

それゆえか、どこかしらイーストウッド映画の空気感がそこはかとなく漂っていると感じてしまうのは、贔屓の引き倒しでしょうか?

(劇中、少年がテレビで見ている映画が1968年度テッド・ポスト監督のイーストウッド主演『奴らを高く吊るせ!』なのも渋すぎる!)



いずれにしても、かつてサム・ペキンパーをはじめとする錚々たる映画監督たちが愛し、その舞台にし続けてきたメキシコ国境系映画の魂を踏襲する新作を、2022年の正月から見られる快感よ!

(そういえば1月14日より公開されるロレンツ監督の師匠イーストウッド監督・主演映画『クライ・マッチョ』もまた、メキシコを舞台にしたロード・ムービーの快作です)

ふと、クリント・イーストウッド監督映画にリーアム・ニーソンが出演したら、さぞ面白かろうと思わず想像してしまいました!

(文:増當竜也)

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