映画『99.9』、ドラマからのファン必見「7つ」の理由
理由3:事件に隠された事実を探るミステリー
理由2では「99.9」らしさのコミカルな部分を炙り出したが、シリアス面(つまるところ事件の事実)に関しても「99.9」らしさから脱線することなく、そこに存在している。
「99.9」ではトリックというわけではないが、隠された事実を深山の洞察力や事務所メンバーの執念で炙り出していく展開が多かった。
今回の『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』においては、15年前に起きた「天華村毒物ワイン殺人事件」の事実に迫っていく。ただ事実に迫ったり、真犯人的な人物が炙り出されて終わりではない。
その事件の裏で悲劇の渦に巻き込まれた人物たちの人間ドラマもしっかりと描かれる。シリアスな事件の事実と人間ドラマが、コミカルさと融合し「99.9」でしか表現できない独特の空気感を醸成している。
理由4:深山の洞察力を活かす
「99.9」の魅力の一面として「深山の魅力×演じる松本潤の魅力」は大きな比重を占める。ドラマで描かれた深山が弁護士になった過去の事実には悲しさもあったが、深山という人物自体は至って明るくポジティブだ。今回も深山のパーソナリティには一点の曇りもなく、時にお寒いギャグを挟みながら類稀な洞察力で事件の事実へ迫っていく。
事件の事実には容易に辿り着けず、事務所自体がピンチに陥るような展開もあったが深山は至って冷静。そのピンチも糧として事件の事実に迫る執念に、ドラマファンあらばハラハラドキドキ感よりも絶対的な安心感と信頼感を持って応援する気持ちとなるはずだ。
理由5:佐田が相変わらず佐田
「99.9」においてもう一つ大きな魅力として君臨するのは、間違いなくて「佐田の魅力×演じる香川照之の魅力」である。
特に「99.9」はTBS日曜劇場の枠で放送されていたこともあり、香川照之はこの枠の常連だ。「半沢直樹」「ルーズベルトゲーム」「小さな巨人」「日本沈没」と、印象的な演技を我々視聴者に残してきた。
どの演技もコミカルさとシリアスさの融合であったが、「99.9」の佐田はドラマの時からどう見てもコミカルよりのシーンが目立つ。それが佐田の佐田らしさたる所以であり、『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』においても健在だ。
「佐田が相変わらず佐田」という表現については、きちんと言語化しろと思われるかもしれないが、ドラマファンであれば、言おうとしていることは伝わるはずだ。
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(C)2021「99.9 THE MOVIE」製作委員会