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映画『99.9』松本潤が魅せる、深山大翔のキャラクター像


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“成長しない主人公”がこんなにも魅力的なことがあっただろうか。

TBSの大人気ドラマシリーズ「99.9」がスペシャルドラマと映画『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』で帰ってきた。
「99.9」は裁判有罪率が99.9%とされる刑事事件に、残りの0.1%に隠された事実を追い求めていくストーリー。個性的なキャラクターたちや物語が進むリズム感、そしてお決まりの名(迷)オヤジギャグで人気を得ている。

その「99.9」シリーズの主人公が、弁護士である「深山大翔」(松本潤)である。深山大翔はある意味、主人公らしくない主人公として物語を彩っている。

本記事では0.1%の事実をとことん追い求める型破りな弁護士、深山大翔の魅力を紐解いていく。

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型破りな男・深山大翔とは


「99.9」シリーズの主人公、深山大翔(みやま ひろと)は刑事事件を中心に請け負う弁護士。斑目法律事務所の刑事事件専門ルームにて活躍している。

そんな深山の特徴は、事件に対するしつこさとも言えるような“執念”である。
事実を見つけるために事件の再現をしてみたり、花が飾られている花瓶の水を飲んでみたり……もはや変人の域に達していると言っても過言ではない。

そんな変人ともいえる深山だが、我々視聴者を惹きつけて離さない確かな魅力がある。

深山大翔の魅力

1:成長しない“安心感”


深山は主人公にしては珍しく、成長しない人物である。ドラマの第1話から今まで「事実だけを追い求める」という姿勢が揺るいだことは一度もないのだ。

たとえば少年漫画を読んでいると、主人公は成長するものだという考えが染みついてしまう。もちろん少年漫画の主人公は最初から確固たる芯を持っていることが多いのだが、主人公の成長を楽しむことも醍醐味の1つだろう。

一方で深山はずっと変わらない。「成長しない」と聞くとマイナスのようにも思えるかもしれないが、深山の姿勢はとにかく一貫している。正しさだけでは救われないような世界で、深山だけは変わらないということは、私たちに安心感を与えてくれる。

また深山のスタンスが一貫して変わらないからこそ、彼が強い感情や信念を見せる瞬間にどうしようもなく惹かれるのかもしれない。

2:誰よりも縁の下にいる人間


深山はその型破りな言動から変人扱いされている。そのため周りにいる人間はいつも、深山に振り回されている。そんなわちゃわちゃ感も「99.9」シリーズの魅力である。

変人・深山を周りの人間が支えているようにも見えるが、深山は誰よりも縁の下の力持ちなのだ。

SEASON Ⅰではパラリーガルたちメンバーが深山の姿勢を懐疑的に見ていた。だが彼と共に捜査を進めるにつれて、深山の「事実」だけを求める姿を理解して協力するようになる。

また深山の相棒である歴代ヒロインの立花彩乃(榮倉奈々)や尾崎舞子(木村文乃)も同様だった。深山と出会った段階では彼の弁護士としてのスタンスを疑っていたが、深山と弁護をともにするにつれて、弁護士としても人間としても成長していく。

成長するのは仲間の弁護士たちだけではない。ドラマで敵対していた検察官や裁判官も、深山と関わるうちに自らの向き合い方を見直すようになる。

深山とともに事件に関わる佐田篤弘(香川照之)は日頃から弁護方針を巡って彼とケンカしているが、深山の事実だけを求める方針が正しい場合もあると知って以降は手を焼きつつも一目置いている。何よりも、佐田自身の刑事弁護への向き合い方も徐々に変わっていくのだ。

話が進むにつれて、深山と出会った化学反応によってそれぞれのキャラクターたちが成長し物語を彩っていく。深山は物語を引っ張る存在であると同時に、キャラクターたちの成長を支える縁の下の力持ちのような人間なのだ。

3:名(迷)オヤジギャグ


深山を語るうえで外せないのが、事件の決定的な糸口を掴んだ瞬間に飛び出る“オヤジギャグ”だ。深山のオヤジギャグは、深山の変人らしさを作り出している。

またオヤジギャグだけでなく、普段の深山は掴み所のない性格である。佐田をからかってみたり、パラリーガルの明石達也(片桐仁)をいじってみたり……。「99.9%有罪が確定する」という難事件に挑むという題材なのに、ドラマ全体はコミカルで必要以上の重さがない。

事件の糸口を掴んだ瞬間、他作品ならカッコ良い決め台詞が飛び出すような場面でオヤジギャグが登場するのである。

寒いオヤジギャグや深山の変人らしさは、ドラマの題材を損なうことのないバランスで組み込まれているため、視聴者の「99.9」への期待感を裏切ることは決してない。

それどころか、いつの間にか深山のオヤジギャグを楽しみにしている自分がいることに気づくのだ。

間違いなく、松本潤の代表作



ドラマ「99.9」の第1話が放送されたとき、「これは松本潤の代表作になるに違いない」と確信した。コミカルなテンポで進む物語や独特なオヤジギャグ、深山大翔というキャラクター……そのすべてのマッチングが松本潤と噛み合っていた。

嵐のメンバーの中でもダントツでラブストーリーものへの出演が多く、他のメンバーから「嵐のラブストーリーコンテンツ」と言われるほど。「花より男子」シリーズや『陽だまりの彼女』などで実績を積んでいた分、リーガルドラマでの主演はより印象的だった。

だが、今となっては深山大翔というキャラクターは松本潤以外に演じられないと思っている。(本人は自分以外が演じる深山大翔も見てみたいらしいが……)

主人公の成長物語ではないうえに、型破りで変人という深山の役を、松本潤は絶妙な加減で演じている。

物語の中心は事件の関係者であり、さらに深山は個性的すぎるメンバーに囲まれている。深山の成長に物語の軸が置かれていない以上、うっかりすると主人公らしさが薄れてしまう可能性もある。しかし、深山大翔はしっかりと主人公として立っているのだ。それは松本潤の演技や彼が醸し出す風格のおかげだろう。


ドラマでも映画でも深山大翔はいつも通りそこに立っている。松本潤が作る深山大翔を、何度だって楽しみたくなる魅力が確かにあるのだ。

(文:谷口仁菜)

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