『真夜中乙女戦争』における永瀬廉「3つ」の魅力


2.モノローグの絶望感の滲む語り



『真夜中乙女戦争』は原作が小説であるがゆえに、冒頭が永瀬廉の独白パートから始まる。

「真夜中を愛するものは乙女である。真夜中を憎む者もまた乙女である。乙女は女だけではない。男だって乙女である」

「真夜中乙女戦争」原作より

この詩的なモノローグこそ『真夜中乙女戦争』のテーマであり、舞台となる東京を一望できるカメラワークも印象に残る。そして何より永瀬廉の落ち着いた心地良い語りが、物語の幕開けにピッタリとはまる。このとき、表情は見えなくとも永瀬廉はすでに「私」であった。筆者は既に原作を読んでいた、という背景を差し引いてもあのモノローグは世界に幸福を見出している者の語りではないと感じた。

そしてその後も前半は永瀬廉の過去を振り返る語りと映像が交互に切り替わり、黒服と出会うまでは主人公だけをカメラが追いながら物語が展開していく。この「声が形どる絶望感」を見事に演じきったからこそ、後半のさまざまな人との出会いで変わっていく主人公の姿がより一層光って見えるのだろう。ジャニーズが誇る、顔の造形美を封印しての演技でも100点満点で観るものを魅了した永瀬廉の声の良さにはぜひ注目したいところだ。

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(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会

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