「私の正しいお兄ちゃん」第5話レビュー:ついに捜査の手が海利に迫る!その時、理世は……(※ストーリーネタバレあり)
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古川雄大主演の「私の正しいお兄ちゃん」(フジテレビ系)が2022年1月10日(月)より放送スタート。
モリエサトシによる同名漫画を原作とした、ジェットコースター・クライムサスペンス&ラブドラマで、ヒロインを山谷花純が務める。
本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「私の正しいお兄ちゃん」第5話レビュー
兄の正己(長谷川純)は理世(山谷花純)が思っているような人間じゃなかった……。絶望の淵で理世が縋ったのは、自分が側にいてくれるだけで構わないと言ってくれた海利(古川雄大)。二人はついに身も心も結ばれ、「誰かを起こしたくなくて息をひそめる」ような幸せを一身に享受する。しかし、第5話のタイトル「束の間の幸せ」が物語るように、二人の穏やかな日々は突然終わりを迎えた。
2年前に富山で見つかった遺体は身元不明で処理されていたが、立花(堀井新太)と理世の証言により失踪した徳本正己のものである可能性が浮上し、再捜査が始まる。そして、富山県警の刑事・佐久間(飯田基祐)は関係者を洗い出し、ある人物に目をつけた。正己の失踪直後、富山を離れた海利だ。
佐久間は海利に接触。遺体の似顔絵を渡され、正己ではないかと尋ねられた海利は「お互い富山を離れた後もしばらく連絡を取っていたので、その遺体が正己なわけありません」と咄嗟に否定するも、動揺を見破られてさらに疑いは深まる。
海利から話を聞き、ようやく手に入れた幸せが壊れてしまうことを恐れる理世。そんな理世の不安定な姿を見て、ずっとそばにいるという約束を守ろうと必死になる海利だが、まだ彼女が自分の殺した正己の妹であることを知らない。
しかし、警察は遺体の身元を特定するために理世にDNA鑑定を依頼。理世の身の安全を守るために名前を伏せた状態ではあるが、事情聴取で正己に妹がいたことを海利に話す。これによって、海利が自分自身の罪を正当化していた「この人間が死んでも誰も悲しまない」という理由が崩れてしまった。
「悲しむ人間がいるなら、僕は罪を償わなければならないんじゃないのか?」
そんな海利に「その人が妹を切り捨てたように、妹もその人のことを切り捨てているかもしれない」と、あたかも他人事のように語る理世。しかし、正己は本当に理世を切り捨てていたのだろうか。海利の話によれば、正己はずっと理世からもらったフェルトの怪獣を大事に持っていた。彼もまた理世と同じように、妹と再会する日を夢見ていたのかもしれない。
大切な人がそばにいる幸せを噛み締める理世と海利の日々が続いてほしいと願うのと同時に、殺されてしまった正己の思いを含めた真実が知りたくなる。そんな視聴者の揺れ動く気持ちを反映させているような人物が立花だ。立花は理世の幸せを願いながらも、刑事として容疑者の一人である海利に疑いの目を向けなければならない。
しかし、不自然すぎるほど理世を見守る立花の行動に疑問を持った海利は一つの真実に辿り着いてしまう。それは理世が正己の妹ではないかということだ。
最愛の人の、最愛の人の命を奪ってしまった罪と海利はどう向き合って行くのだろうか。
(文:苫とり子)
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