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2022年01月17日

「DCU」第1話レビュー:阿部寛と横浜流星の新バディが早々に決裂。最終回ばりの展開に驚きを隠せない(※ストーリーネタバレあり)

「DCU」第1話レビュー:阿部寛と横浜流星の新バディが早々に決裂。最終回ばりの展開に驚きを隠せない(※ストーリーネタバレあり)


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阿部寛が主演をつとめるTBS系日曜劇場「DCU」が2022年1月16日放映スタートした。

TBS×ハリウッド大手プロダクションの共同制作となる本作は、水中の捜査に特化したスペシャリスト集団「DCU(Deep Crime Unit)」の活躍を描く“ウォーターミステリー”。真実を突き詰めるまで諦めないDCUの隊長・新名正義を阿部寛、新名のバディとなる隊員ダイバー・瀬能を横浜流星が演じる。

本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「DCU」第1話レビュー



瞬間最高視聴率40.1%を記録した「半沢直樹」や映画化決定で話題となっている「TOKYO MER~走る緊急救命室~」など、大人の視聴者層をターゲットとした重厚な作品を輩出し続けるTBS日曜劇場。

その枠で2022年のトップを飾る、阿部寛主演のドラマ「DCU」がスタートした。海上保安庁全面協力のもとで撮影。さらにはハリウッド大手制作プロダクションとの共同制作という気合いの入った企画に注目が集まっていた。

DCUとはDeep Crime Unit(潜水特殊捜査隊)の略称で、水中の捜査に特化した架空の組織。地上の事件に比べれば解決率が低い水中事件や水難事故を解明することで、さらなる国内の治安向上を目的として発足された。

そんなDCUの隊長に選ばれたのが、阿部寛演じる新名正義だ。第1話では、DCU発足と同時に起きた事件の全貌が明らかになるとともに、新名が率いるチームの関係性が少しずつ見えてきた。



水中捜査のスペシャリスト集団であるDCUのメンバーは、副隊長の西野斗真(高橋光臣)、中堅隊長の森田七雄(岡崎体育)、大友裕也(有輝/土佐兄弟)、成合隆子(中村アン)、そして若手隊員の瀬能陽生(横浜流星)と新名を含めた6人。どうやら密かに派閥ができているようで、森田と大友は海保のエリートである西野が新名よりも隊長に相応しいと感じていた。

目的のためなら手段を選ばない男で、空気を一切読まず、発足したばかりのDCUに不信感を抱く県警の人間にも歯向かう。そんな新名が隊長に選ばれたのは、海上保安庁の警備救難部部長である佐久間雄二(佃典彦)がゴリ押ししたからだと噂されていたからだ。

そんな中、陽生と隆子だけは新名を一心に慕っているが、それには15年前の事件が関係していた。

当時、海保のダイバーだった新名は佐久間から、海保と東都重工が共同で進めてきた船の自動運行システムの情報を外部にリークした東都重工海洋研究所に所属する瀬能博士の身柄を確保するよう命令を受ける。しかし、瀬能博士の潜伏する船は爆発。その直前、海に投げ込まれた瀬能博士の息子が幼き日の陽生だった。

新名が陽生を救い出した後に海の中へ潜ると、当時バディを組んでいた隆子の兄・淳(吉川晃司)が何かを探しているところを発見する。それは瀬能博士が所持していた鍵。実は海保の中に瀬能博士と通じるスパイがいると見られており、新名は淳に「お前がスパイだったのか」と詰め寄る。だが、真実が明らかにならないまま、淳は海の中に沈み込み殉職。事故現場で新名が少年を救ったという美談だけが一人歩きしていた。



命を救ってくれただけではなく、自分を海保に入れるよう推薦してくれた恩人として、新名に絶大の信頼を寄せる陽生は初回から大活躍。DCUにとって最初の任務となったのは、群馬県のダム湖に遺体を遺棄した人間を見つけること。5年前に会社のお金300億を横領し、国外逃亡していた京国建設前社長・毛利の頭蓋骨の一部が見つかったのだ。

まず京国建設の現社長を務める小山内正一(中村芝翫)が容疑者として挙がるも、彼は毛利が殺されたと見られる1ヶ月前にはトンネル建設事業の視察でサンフランシスコにいたため反抗は不可能。次にちょうど1ヶ月前に事件周辺の監視カメラに写っていた小山内の秘書・若林朱里(高梨臨)に疑いがかかる。事情を聞くと、彼女はダムの近くにある老舗釜飯屋の主人に会いに行っていたという。その釜飯屋は建設されたダムへ沈んだ後、新たに作られたものだった。

さらに捜査の結果、釜飯屋の息子だった野田浩正(宮野真守)が京国建設の元社員で、彼もまた会社のお金を使い込んでロシア出張中に失踪したことが明らかに。実はダムの建設に反対しており、その活動資金に当てるための犯行だったことも分かる。

新名たちは野田が故郷を沈めた毛利を恨み、日本に帰ってきて犯行に及んだのではないかと踏んで捜査を進めるが、真実はもっと複雑だった。



結果的にダムで見つかったのは1ヶ月前に殺された遺体ではなく、5年前のものだったのだ。しかも、遺体の身元が新名の推理と陽生の活躍により野田であったことが判明する。裏金を使ってダム計画を進めていた小山内の不正を明らかにしようとしていた矢先、野田は小山内に殺された。釜飯屋の窯に隠された遺体は、そこにあった泥炭に守られ腐敗しなかったという。

見事に真実を明らかにした新名と陽生。絆で結ばれた最強のバディが誕生かと思いきや、ラストで最終回ばりの衝撃的な展開が待ち受けていた。



15年前の事件について何も覚えていなかった陽生だが、なぜか突然に一部の記憶を取り戻す。そこでは自分を助け出した後、新名に向かって「お前がスパイだったのか」と詰め寄る淳の姿が。そう、冒頭で流れた映像とは真逆に新名が裏切り者として描かれているのだ。

このことをきっかけに誕生したばかりのバディが決裂という驚愕の展開に驚きを隠せない。何より阿部寛の不敵な笑みが印象的で、新名が完全に白だと言い切れないのが面白いところ。果たして新名は正義のヒーローか、それとも……?

(文:苫とり子)

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