特撮向上委員会
パンドラの箱を開けた『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』への想いと渡部秀への感謝
パンドラの箱を開けた『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』への想いと渡部秀への感謝
→写真をすべて見る(全11枚)
■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
ついに見てしまいました。『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』。
内容には一切触れません。というか、触れたくないという言い方が正しいかもしれません。
最高だったとか感動したという感想をいくら並べてみても、ただただ安っぽく聞こえてしまうので、そんなことも言いたくありません。
制作されると初めて聞いた時にはうれしかったのと同時に、アンクを復活させるのはパンドラの箱を開けるようなものなので、緊張感にも似たものも感じました。
そして一体どうなるのかということも、まったく想像がつきませんでした。
しかし、昨年秋に流れた特報では、映司とアンクが向き合ってる姿が確かに映しだされていて、楽しみな反面、これは生半可な気持ちでは見ることはできないなと腹をくくりました。
「復活のコアメダル」の上映時間は60分弱だったんですが、秒単位で調整してるのかと思うほど緻密な構成で、大袈裟ではなく1秒も余すことなく脳に刻みたい、そう思いました。
どこをどう切り取ってもエモい。
エモいなーと浸ってる間に次のエモがやってくる。
オリジナルのキャストさんが再集結してることって、本来であればそれだけでうれしかったりしますし、当然エモいわけなんですが、再集結してるエモさが小さく感じるほど、他のエモさがあまりにも大きい。
「はい、10年経ったから新作作りましたよ」って感じではなく、あたかも本編の最終回の時にはすでにこの作品を作ることが決まっていて、まるで全員が「復活のコアメダル」に向けてじっくり役作りをされていたかのような自然さ。
同窓会みたく久しぶりに大集合、お祭りわっしょい的な作品も好きなんですが、今作はそんなカラッとしたものではなく、とても湿度が高いものでした。
キャストさん方のあまりにも変わらぬ容姿に本当に10年経ったのかと疑いつつも、確実に10年という期間を使って無意識に、そして自動的に「オーズ」という作品が自分の中で熟成されてきたからこそ、こんなに魂を揺さぶられたんだと思います。
あと、田﨑竜太監督によるところもかなり大きいかと。
田﨑監督といえば「オーズ」のパイロット監督であり、最終回も演出されていて、当然、勝手はすべて熟知されてるわけです。
なので、端々の演出やアングルなども含めて、「オーズ」の世界にどっぷり浸からせてくれて、忘れていた当時の感覚なんかも蘇るなど、琴線に触れまくりました。
公開日の初回に見に行ったんですが、客席はびっしりの満席。
コロナ禍で混雑を避けてたこともあって、満席の中で映画を見るのは、ひょっとするとコロナ禍以前振りかもしれません。
驚くのはお客さんの層。
土曜日の映画館、仮面ライダーの映画。
今までの経験からいくと、大人向けのVシネクストであっても子供の姿を見たりしたものですが、僕が行った映画館には見た限り子供はいませんでした。
かくいう自分も、子供を家に置いて一人で鑑賞。
勝手に、生半可な気持ちでは見てはいけないと決めつけていきました。
そんな風に思って来られたかは知りませんが、僕のように一人で見に来てたパパらしき人も見受けられました。
鑑賞中、感情が爆発して涙を流していると両隣の人もハンカチで目を押さえていて、通路をはさんだ向こう側の人なんかは嗚咽を抑えていました。
普通の映画ならそんな人がいると鬱陶しくて仕方がないと思うんですが、この映画を見れば「そら、そうなってもおかしくないよね」と気になることはありませんでした。
昨年の秋のTAMASHII NATIONSのときに渡部秀さんと高田里穂さんにお話を伺ったんですが、「復活のコアメダル」は渡部秀さんがかなりの熱量を持って各方面に働きかけていたそうなんです。
プロデューサー的な役割もされ、当然映司をどう見せるかも含めて、渡部秀さんの情熱の高さがなければここまでのクオリティの高さには到達できなかったでしょうし、そもそも制作もされていなかったかもしれません。
渡部秀さん、ありがとうございました。
(文:篠宮暁)
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
第248回:「50×45 感謝祭 Anniversary LIVE & SHOW」の裏側で起っていたこと。そこから感じたリバイス愛
第247回:『機界戦隊ゼンカイジャー』最終回によせて、心からの感謝の言葉
第246回:『仮面ライダーリバイス The Mystery(ザ・ミステリー)』の3つの魅力
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典】も公開中!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
2022 石森プロ・バンダイ・東映ビデオ・東映 (C) 石森プロ・東映