(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
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映画コラム

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2022年02月16日

<解説>『X-MEN』が再注目されるワケとは?シリーズ復活に関する「3つ」のポイント

<解説>『X-MEN』が再注目されるワケとは?シリーズ復活に関する「3つ」のポイント

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先日、マーベル・スタジオの最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の特別映像が解禁されました!

予告編を見た熱心なファンからは、早速、X-MENシリーズとの関わりを指摘する声が上がっています。
 
今回の記事では、改めて、X-MENシリーズについて振り返りながら、シリーズの存在が今回の最新作にどのような影響を与えていくのか、予想される内容について解説していきます。

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X-MENとは


『X-MEN:ダーク・フェニックス』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

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X-MENとは、突如、超能力に目覚めた人々=ミュータントが戦いを繰り広げる物語。
人類との共存を目指すプロフェッサーX陣営と、反乱を目的とするマグニートー陣営に分かれ、様々なドラマが描かれていきます。

特に多民族国家・アメリカを反映するように人種問題やマイノリティといった題材をテーマにした作風が特徴的。
第二次世界大戦やベトナム戦争などの史実を背景にした前日譚シリーズ、人気キャラ・ウルヴァリンやデッドプールを主役にしたスピンオフシリーズなども製作され、人気を集めました。

また、近年、映画ファンに支持されているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とは、物語や世界観が繋がっていないのもポイント。

これまでのX-MENシリーズは、MCUのマーベル・スタジオとは異なる製作会社・20世紀フォックスが権利を持っていたため、アベンジャーズなどのキャラクターたちとは合流が出来なかったという大人の事情がありました。
(日本を代表する東映の特撮ヒーローで表せば、仮面ライダーとスーパー戦隊、ジャンプ漫画で言えば、ワンピースと鬼滅の刃といった形でおおまかな括りは同じだけれど、物語は別物といった感じでしょうか。)

しかし、2019年にマーベル・スタジオと同じ親会社であるウォルト・ディズニー・スタジオに買収されたことから、状況は一変。結果として、アベンジャーズとX-MENのメンバーが合流することも可能になったのです。

※以下の文章ではディズニープラスで配信中のドラマ『ワンダヴィジョン』のネタバレが含まれています。

マルチバースが切り拓くマーベルの未来


(C)2021 CTMG. (C) & TM 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

これまで、様々なヒーローたちの活躍が語られ、ことあるごとに彼らの物語が交錯してきたMCU。

現在公開中の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも、スパイダーマンの物語に『ドクター・ストレンジ』の主人公が登場するなどの試みがなされていますが、近年では、より広範囲の作品が繋がる“マルチバース”という概念が導入されるようになりました。

マルチバースとは多元宇宙論を意味し、この設定によって異なる世界観の物語も合流することが可能に!!
現在公開中の『スパイダーマン:ー・ウェイ・ホーム』では、MCUの第1作『アイアンマン』以前に作られた『スパイダーマン』シリーズや『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの敵役たちも登場することになったのです。

特別映像が解禁されたドクター・ストレンジ最新作では、タイトルに“マルチバース”が使われていること、配信ドラマ「ワンダヴィジョン」の主役・ワンダが登場することで、X-MENシリーズの合流が期待されています。



実は原作のワンダはX-MENのキャラクターであり、シリーズを代表する悪役・マグニートーの娘。

過去のMCUでは、その設定を外したキャラクターとして描かれてきましたが、「ワンダヴィジョン」では、X-MENシリーズを思わせる様々な小ネタが盛り込まれていました。

マグニートーの超能力を想起させるようにワンダが警察官たちの銃を念力で奪い取るシーンがあったり、映画『X-メン』に登場する“エリス島”を思わせる謎の標識が登場していたりと、その要素は多数!

特に、X-MENシリーズでクイックシルバー役を演じたエヴァン・ピーターズが類似の役柄で再登場する展開には、世界中のマーベルファンが沸きました。

X-MENシリーズの存在を「これでもか」と匂わせていた「ワンダヴィジョン」の続編ともなるシリーズ最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』だけに、劇中では本格的な合流が描かれるのではと期待されているわけです。

ちなみに、今回公開された特別映像では、X-MENを代表するキャラクター・プロフェッサーXを想起させる謎の人物の存在も示唆されており、そのことからも、ファンの間ではX-MENシリーズが大きな関わりを持つのではと予想されています。

X-MENシリーズの可能性



これまで、人種差別やマイノリティの苦悩、価値観の違いから生まれる争いなど、社会的かつ深いテーマを描き、人気を博してきたX-MENシリーズ。
しかし、20世紀フォックスの権利がディズニーに買収され、これまでの制作体制でシリーズを続行することが不可になったため、『X-MEN:ダーク・フェニックス』が実質的な完結編となりました。


『X-MEN:ダーク・フェニックス』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

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本作の冒頭では、“X-MEN”という呼称そのものが男性権威的な組織の象徴であり、女性を苦しめているではないかという問題定義がなされます。
そのため、過去作史上もっとも女性キャラクターの活躍に力の入ったシリーズの意欲作だったのですが、2部作から1作に変更になったことや、同時期に制作された女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』の影響からクライマックスを変更するなど、様々な不運が続いてしまいます。

そのため、テーマ性においては、作り手も不完全燃焼と言わざる作品になっていたのも事実でした。


(C)2021 20th Century Studios. (C)2021 MARVEL.

続くシリーズ最終作であり、本来であれば、新シリーズの始まりになることも予定されていた作品が『ニュー・ミュータント』。

本作は度重なる製作の延期やコロナ禍による上映の延期、アクション映画としての印象が少し薄まった作風から、大衆の評価が強く得られない作品となってしまいました。

しかし、同性間の関係性などで従来のジェンダー観に囚われない物語を描いていたり、タイトルからも“MEN”を排していたりと、シリーズの新たな方向性を示す意味で、優れた作品となっていました。

このことから、もし今後X-MENシリーズが続行するとなれば、描かれる題材は現実の社会問題に根差したものになるのではないでしょうか。

時代を経て、アップデートされてきたアメコミヒーローたちの物語は、今後どうなっていくのか。

もし興味を持った方は、MCUの世界観と共にX-MENシリーズにも挑戦していただきたいです。

(文:大矢哲紀)

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