『ナイル殺人事件』レビューのついでにアガサ映像作品リストも作ってみた


アガサ・クリスティ作品、長期テレビシリーズ


 
さて、ここで長期テレビシリーズをご紹介しておきましょう。

★『名探偵ポワロ』シーズン1~13(1989~2013)


およそ四半世紀にわたって、ほとんど全てのポアロ小説を映像化した画期的なTVシリーズ。主演のデヴィッド・スーシェは「もっとも原作に近いポアロ」として、多くのファンからリスペクトされ続けています。アガサ・ファンならずとも、いつか全70話を制覇してもらいたい逸品です。

★ミス・マープル・シリーズ


ロンドンから25マイルほど離れたセント・メアリ・ミード村で静かに暮らす老嬢ながら、名探偵顔負けの頭脳明晰な推理で難事件を次々と解決するジェーン・マープル(アガサの祖母がモデルと言われています)を主人公にしたもので、長期ドラマ・シリーズとしては、以下の2作があります。

◎『ミス・マープル』シリーズ(84~92)


ジョーン・ヒクソンがミス・マープルに扮して、、長篇12作をすべてドラマ化。ヒクソンは生前のアガサから「年をとった暁には、ミス・マープルを演じてほしい」と言われていたという逸話も残されています。

◎『アガサ・クリスティーのミス・マープル』(06~14)


シーズン1~3までジェラルディン・マキュークイーアン、シーズン4~6をジュリア・マッケンジーが務めました。「親指のうずき」「シタフォードの秘密」「無実はさいなむ」「ゼロ時間へ」「殺人は容易だ」「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか」「チムニーズ館の秘密」「蒼ざめた馬」など、マープル・シリーズではない小説も導入されています。

★「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」(04~05/全39回)


こちらはポアロ&ミス・マープル作品を日本でTVアニメ・シリーズ化したもので、ポアロに里見浩太朗、ミス・マープルに八千草薫、さらには毎回のゲストも実に豪華な声優キャステング作品でした。また、両者を結びつけるオリジナル・キャラクターとして、マープルの甥の娘でポアロ事務所の助手を務めるメイベル・ウエストという少女が登場します。

★「トミーとタペンス」シリーズ


夫婦で探偵もしくは諜報部員というユニークな設定のシリーズは大きく2本、TVシリーズ化されています。

◎「おしどり探偵」(83~84・英TV)


ジェームズ・ワーウィック&フランチェスカ・アニスの共演で全10話が製作。ちなみにこの本放送が始まる1週間前に、同じスタッフ&キャストでTVムービー「諜報機関」(83)が放映されています。

◎「アガサ・クリスティー トミーとタペンス―2人で探偵を―」(15/英TV)


デヴィッド・ウォリアムス&ジェシカ・レインの競演で、「秘密機関」と「NかMか」を3話ずつ、全6回で放送しました。

★「アガサ・クリスティー 名探偵ヤルセン」(21/TV)


こちらは実にユニークな作品で、ポアロ・シリーズにたびたび登場する良き友人の推理作家アリアドニ・オリヴァが創作したキャラクターを主人公にした、いわばアガサ作品のスピンオフともいえる作品なのでした。ちょうど現在AXNミステリーチャンネルで放送中なので、お見逃しなく!

 
他にも「アガサ・クリスティーのフレンチ・ミステリー」シリーズなど、世界中でアガサ作品は映像化されているようですが、もう追いきれないのでこのへんで。

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