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2022年03月14日

「真犯人フラグ」真相編第10話徹底考察!:涙と絶望のクライマックス……最後まで凌介は良い奴だった(※ストーリーネタバレあり)

「真犯人フラグ」真相編第10話徹底考察!:涙と絶望のクライマックス……最後まで凌介は良い奴だった(※ストーリーネタバレあり)



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西島秀俊主演の新日曜ドラマ(日本テレビ系)「真犯人フラグ」が2021年10月10日(日)放送スタート。2022年1月9日から真相編が開始される。

秋元康が企画及び原作、「あなたの番です」制作スタッフが手掛ける本作は、平凡なサラリーマンが家族の失踪を機に日本中の注目を集め、“真犯人フラグ”をたてられながらも、真実を追い求めていくノンストップの考察ミステリー。

本記事では、真相編第10話をもとにcinemas PLUSのドラマライターが考察を重ねていく。

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「真犯人フラグ」真相編10話終了時点での考察

真犯人は、被害者の最も近い場所にいる人間だ。黒幕は、絶対に怪しまれない場所でほくそ笑んでいる。

ミステリーのお決まり、常套手段、定番の流れ……と言ってしまえばそれまでだが、まさか……の結末だった。ここまで約半年の間、本当の黒幕は誰なのかを予想してきたが、まったくと言っていいほど筆者の予想はかすってもいなかった。完敗である。

「なんだかんだ言いつつ瑞穂(芳根京子)に違いない」と思いながら、今夜の最終回を見る直前には「実は凌介(西島秀俊)に惚れていた日野(迫田孝也)の仕業では……!?」と考えるに至っていた。すっかり朝の情報番組「スッキリ!」(日テレ)内で行われていた考察に引っ張られてしまっている。



筆者がギリギリまで瑞穂を怪しんでいた理由は、3年前にはすでに瑞穂と真帆(宮沢りえ)は知り合っており、一緒に占いにまで行っている事実があったからである。

自身の姉にまつわる、林(深水元基)への個人的な恨みがあったからこそ、瑞穂にも真帆に対する”殺害の動機”があったわけだ。林が真帆に本気で惚れさえしなければ、林は予定通り瑞穂の姉と婚約していたはずなのだから。

実際のところ、瑞穂は林と真帆がホテルで会っている現場を目撃しており、たまたま撮影した二人の写真をネットに流している。

しかし、瑞穂は黒幕ではなかった。あと一歩のところで一線を越えそうになったが、たまたま亀田運輸で凌介と同じ部署になったことで、真帆に対する復讐心を保つことができなかった。

その一線を、早々に超えていた人物がいる。

それが、今回の事件の発端をつくった人物であり、すべての鍵を握る黒幕だ。



河村(田中哲司)は、ずっと凌介に嫉妬していた。

学生時代はずっと文才で負け続け、真帆を取られたことで恋愛にも負けた。何ひとつ、凌介に勝てる要素が見つけられなかった。自分はこんなにも苦しんでいるのに、凌介は涼しい顔で、大した努力もなく、自分の一番欲しいものを易々と手にしていく。

歪んだ嫉妬心は静かに燃え続け、彼に、復讐のきっかけを与えた。

真帆と林が一晩の過ちを犯した夜、大物政治家のゴシップを追っていた河村は、たまたまその現場を目撃してしまった。その証拠を使って、かつて意中の相手だった真帆を自分のものにしようと企んだのだ。

すべては、凌介に対する嫉妬心と復讐心のために起こした事件だった。

SNS上にアップされていた小説は、河村が書いたもの。河村自身のPCに入っていたデータを、一星(佐野勇斗)が発見し、逮捕される前に瑞穂に託していた。

一星や菱田朋子(桜井ユキ)たちを脅していたのも河村、林を殺したのも河村、真帆の指輪を廃墟に置いたのも河村。流星群の写真を凌介に送ったり、真帆の声で電話をしてきたりしたのも河村の仕業だった。盗んだ相良家のホームビデオから音声を切り出したらしい。

すべては、真帆が生きていると見せかけるための工作だった。

そう、真帆は亡くなっていた。

とっくの昔に、河村の手によって殺されていたのだ。

嫉妬心がここまでのことをさせるのか。すべてのことを知っていながら、ずっと隣で手を貸し続ける。憔悴し切る親友の顔を見ながら、彼はどんなことを考えていたのだろう……。最終回を見たあとに第1話を見たら、あまりのサイコパスっぷりに震え上がるかもしれない。

親友に裏切られたと知ったら、最愛の妻を殺されていたと知ったら、気が狂ってもおかしくなさそうだが……。凌介は、最後まで良い奴だった。河村のことを責めず、許すこともしない。目の前にある現状を受け入れ、残された子どもたちのためにも強く生きようとする姿が、たったひとつの希望と言えるかもしれない。

個人的には、シリアルキラー的結末を迎えたドラマ「あなたの番です」よりも、今作のほうが好きかもしれない。なんとも絶望的な結末だが、そこにはちゃんと理由があった。「殺したいから殺した」ではなく、ちゃんと理由があっての行動だった。凌介にとっては、少しも救いにはならないだろうけれど。

約半年。心ゆくまで考察を楽しませてもらった。ぜひ本作の制作陣に対しては、また時を挟んで、考察の盛り上がるミステリードラマを期待したい。


(文:北村有)

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