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2021年11月07日

<真犯人フラグ>1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<真犯人フラグ>1話~10話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】




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西島秀俊主演の新日曜ドラマ(日本テレビ系)「真犯人フラグ」が2021年10月10日(日)放送スタートした。

秋元康が企画及び原作、「あなたの番です」制作スタッフが手掛ける本作は、平凡なサラリーマンが家族の失踪を機に日本中の注目を集め、“真犯人フラグ”をたてられながらも、真実を追い求めていくノンストップの考察ミステリー。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれを集約。1記事で1~10話までの感想を読むことができる。

→「真犯人フラグ 真相編」(11話~)の考察記事はこちら


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もくじ

・第1話ストーリー&考察

・第2話ストーリー&考察

・第3話ストーリー&考察

・第4話ストーリー&考察

・第5話ストーリー&考察

・第6話ストーリー&考察

・第7話ストーリー&考察

・第8話ストーリー&考察

・第9話ストーリー&考察

・第10話ストーリー&考察

・「真犯人フラグ」作品情報

→「真犯人フラグ 真相編」(11話~)の考察はこちら

第1話ストーリー&考察

第1話のストーリー


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中堅の運送会社・亀田運輸のカスタマーサービス部に勤務する相良凌介(西島秀俊)は、妻の真帆(宮沢りえ)、高校2年生の娘・光莉(原菜乃華)、小学4年生の息子・篤斗(小林優仁)の4人家族。一家は団地住まいだが、建築中のマイホームの完成を心待ちにしていた。

ある雨の日、凌介の部署に配達中のトラックが事故に遭ったという連絡が入る。このままでは配達が滞ってしまうため、凌介は事後処理に追われるものの、部下の瑞穂(芳根京子)のサポートで事なきを得る。

その晩、凌介が帰宅すると、家に誰もいなかった。真帆と光莉の携帯に連絡しても、つながらない。3人で映画にでも行ったのか…? 凌介は、大学時代の友人・河村(田中哲司)からの誘いを思い出す。凌介たちと同じサークルだった日野(迫田孝也)が店を出したので、開店祝いでサークル仲間が集まることになっていたのだ。凌介は、日野の店へ向かう。

凌介が店に着くと、すでに他の友人たちは帰った後で日野が片付けをしていた。学生時代に戻った気分になり、はしゃぐ凌介と日野。日野は、おどける凌介と写真を撮る。そこに河村も合流。河村は今最も売れている週刊誌「週刊追求」の編集長。

3人で楽しく飲み、深夜、帰宅した凌介は異変に気づく。真帆たちは、まだ帰っていない。すぐさま真帆の母・志乃生(丘みつ子)に連絡するが、3人は実家にも行っていなかった。

夜が明けても、真帆たちは帰ってこない。真帆が出かける前に炊飯器のタイマーをかけていったらしく、前日の夜にご飯が炊けていたと気づく凌介。帰って夕飯を用意するはずだったのだ…!

凌介は警察に届け出る。しかし、家出の可能性もあり緊急性が認められないと言われてしまう。凌介は真帆のパート先や光莉と篤斗の学校を訪ねて周囲の人々に話を聞いて回るものの、手掛かりはつかめない。

困り果てた凌介は、河村に相談。事件性を感じた河村は「記事にすれば注目されて警察も動くかも」と、週刊追求で記事にすることを提案。戸惑いつつも、凌介はその提案に乗る。河村の手腕で、真帆たちの失踪は事件として注目され、凌介に同情の声が集まる。

しかし、あるSNSの投稿をキッカケに、凌介は“悲劇の夫”から一転、“疑惑の夫”へ…! 愛する家族を取り戻すため、“真犯人”と“世間の目”との闘いが始まる―――!!

第1話の時点での考察



1話を観た直後の感想を一言で申し上げよう。

「みんな怪しい!!!!!!!!!!」

そう、登場人物、全員怪しいのである。本作は秋元康企画・原案。社会現象を巻き起こした「あなたの番です」(19)制作チームが再結集して作り上げた、完全オリジナルミステリーである。ちょっとやそっとでは推理なんてできない。一筋縄ではいかん。

1話のあらすじを辿りながら、筆者的・怪しい人物を考察していこう。

※ドラマ「あなたの番です」「天国と地獄」ネタバレも含みます※

※閲覧の際はご注意ください※

怪しい人たち1:相良家


愛する家族と幸せに暮らす相良凌介(西島秀俊)が主人公。運送会社・亀田運輸のカスタマーサービス部に勤務している。友人のバーで飲んでいた一夜にして、相良家の妻・娘・息子が失踪してしまう事件が……!



相良凌介は朗らかでお人好しなキャラクターで、信号無視もできなさそうな善人に見える。(冒頭で「犯人に見える人が犯人とは限らないよね、真犯人はこれ見て笑ってるかもよ」と言うシーンは、ちょっとだけサイコパスっぽかったけれど……)

しかし、とあるSNSの投稿が引き金となり「家族失踪事件の犯人は夫じゃないか?」と疑惑がかけられてしまう。

凌介を演じるのは、今作で日テレ連ドラ初主演となる西島秀俊。第1話放送直前の「見どころ&ヒント大放出スペシャル」では、ひたすら自身の潔白を主張していた。「俺が犯人だったら一番びっくり!」と言っていたが、筆者もそう思う。凌介が犯人とはとても思えない。

「あなたの番です」で例えたら、西島秀俊は田中圭のポジションだ。愛する家族を第一に考え、行方を探すために全力で行動するはず。現時点では、彼が犯人である説は薄いはず。



相良凌介の妻・真帆を演じるのは宮沢りえ。直近だと映画​​『湯を沸かすほどの熱い愛』『人間失格 太宰治と3人の女たち』などに出演する、言わずもがなの名女優である。第1話の時点で娘・息子とともに失踪してしまう役柄だ。

「あなたの番です」でいうと、宮沢りえは原田知世のポジション。「一夜にして家族が失踪」と聞くと、どうしても家出オチを想像してしまう。しかし、自作自演なんて、そんな安易な脚本であるはずがない! たとえ最初のきっかけは家出だったとしても、途中から事情が変わり、どこかで拘束されている可能性もある。

引っかかったシーンとしては、出社する凌介を真帆が見送るとき、やけに傘が長く映されていたシーン、凌介がいつも晩酌に飲むであろうビールが全部切れていたシーン、そして夕方18:00に炊けるようにセットされていた炊飯器のシーン。失踪した金曜日当日、パート早番だったにも関わらず「遅番だ」と嘘をついていたのも気になる。

凌介の娘・光莉(原菜乃華)と、息子・篤斗(小林優仁)についても触れておこう。

二人とも天真爛漫で絵に描いたような可愛らしい子供たちだ。犯人フラグを立てられる理由はない。光莉役の原菜乃華は、直近だとドラマ「ナイト・ドクター」で岸優太演じる深澤新の妹・心美役を演じていた。また篤斗役の小林優仁も、大河ドラマ「青天を衝け」で吉沢亮演じる渋沢栄一の幼少期に抜擢されたことで話題を呼んでいる。どちらも将来有望な若手役者であることを付け加えておこう。


怪しい人たち2:亀田運輸


凌介が働く亀田運輸に焦点を当てよう。凌介に対しネチネチと嫌味が絶えないカスタマーサービス部の部長・太田黒芳春(正名僕蔵)や、配達員の望月鼓太朗(坂東龍汰)などがいるが、最も怪しいのは凌介の部下にあたる二宮瑞穂(芳根京子)だ。



持ち前のクレバーさでクレーム処理などの雑務をテキパキとこなす才女。配達中トラックが事故を起こしてしまった時も、鮮やかに処理していた。

相良家が失踪してしまった事件(通称:炊飯器失踪事件)を知るや否や、「仕事があったらどんどん振ってくださいね!」と親身になってくれる。いきなり家族が消えてしまった凌介からすると、心配してくれるだけでありがたいだろう。しかし、視聴者からすると怪しさ満点である。



これは共演者たちも語っていることだが、なぜ瑞穂は凌介に対し親切な姿勢を示してくれるのか? 何か特別な事情があるに違いない(ちなみに西島秀俊は「瑞穂は凌介の生き別れた妹だと思う」と推理を披露している)。

瑞穂を演じる芳根京子のポジションは、「あなたの番です」でいうと西野七瀬・木村多江・山田真歩あたりだろうか(序盤こそ彼女たちは推理を手伝ってくれたけれど、最終的には……)。

それはそうと、瑞穂が凌介に貸した会社のノベルティっぽいボールペンを、凌介がずっと胸ポケットに挿しているのが妙に気になった。結果、それが原因となり、「真犯人は夫疑惑」が浮上してしまうことに……。

瑞穂は事件解明のために手を貸してくれる立ち位置にはいるものの、客観的に見れば「近しい人間こそ最も怪しい」のである。要注意人物として覚えておきたい。




怪しい人たち3: プロキシマ


「プロキシマ」というITベンチャーも登場する。若くして起業した橘一星(佐野勇斗)もゴリゴリに怪しい人物のひとり。なんといっても、先日行われた「#みんなの真犯人フラグ」(視聴者が思う”最も怪しい人物”を決める事前投票)において、彼は一位に輝いている。

第1話の時点ではそこまで凌介たちとの接点が見られないものの、いちいち怪しそうな雰囲気を出す点が気になった。凌介を真犯人に仕立て上げたアンチコメントを、彼が率先して書き込んでいる可能性もあるのでは(意味深にスマホを見ているシーンが実に怪しかった)?

一星のポジションは、「あなたの番です」で例えると横浜流星にあたるだろうか……? しかし、彼は「反撃編」からの登場だった。

「真犯人フラグ」の公式サイトTOPページにあるメインビジュアルにも、顔を塗りつぶされている人物がいる。おそらく、2クール目から登場するシークレットキャラクターがいるのだ(「真犯人フラグ」も「あなたの番です」同様2クール放送)。犯人だと決めるのは時期尚早かもしれないが、しかし……。

ちなみに橘一星を演じる佐野勇斗は、ドラマ「ドラゴン桜2」「TOKYO MER」でもメインキャラクターとして出演。3クール連続で日曜放送ドラマに登場していることになる。ゴリゴリに売れているし、ゴリゴリに怪しい。


怪しい人たち4: 週刊追及



相良家は、夫・凌介が友人と飲みに出た一夜にして失踪してしまった。その友人が、田中哲司演じる河村俊夫と、迫田孝也演じる日野渉。河村は「週刊追及」という週刊誌の編集長をしている。

河村は真帆とも接点があるため、凌介を心配し、記事を出すことを提案。なんとも週刊誌の編集長らしい行動だが、「真帆のことを知っている」点が怪しく思えるポイントである。仮に、河村と真帆が不倫関係にあったとしたら、二人で新しい家庭を築くために凌介を出し抜いている可能性もある。

河村を演じる田中哲司は「あなたの番です」にも出演していた。「反撃編」から登場する、事件解明に深く関係する人物だ。本作でも同じように”重要な”役割となるのだろうか。

もう一人の友人・日野渉も怪しい。明るく人当たりの良い性格だが、彼のSNS投稿によって凌介に疑惑の目が向けられることになってしまった。これも思惑のひとつだとしたら……?

それに、日野役を演じる迫田孝也はドラマ「天国と地獄」(2021)で真犯人役だった。ゴリゴリに怪しい。河村と同じように、真帆と不倫関係だったとしたら、どうだろう……?

ちなみに、公式サイトの相関図を見ると、河村と太田黒部長(亀田運輸)の人物紹介欄にだけ「独身、離婚歴なし。」と表記がある。独身であることを明記するだけでなく、離婚歴まで付記されているのは理由があるのか? 些細なことだが、気になる。


怪しい人たち5:YouTuber&菱田家


ぷろびんこと徳竹肇はYouTuberだ。柄本時生が演じる彼は、いわゆる「雑食系YouTuber」として活動している。

動画の再生回数のことしか考えていない男。「炊飯器失踪事件」が起こるや否や、再生回数が稼げることを見越して考察動画をアップし始める。こういう野次馬キャラが真犯人である線は限りなく薄い。しかし「あなたの番です」の片桐仁や筧美和子的ポジションにも思えてくる……(真犯人ではないが、何かしら手を汚すキャラクター)。事件と全く関係ないとも言えないだろう。

実際にぷろびんのYouTubeチャンネルが開設されている点も、芸が込んでいる。第1話放送前に視聴したところ、内容は「1万円分のもやし(333袋分)を食べ切るまで帰れません」だった。300の壁を越えた時点で食べ過ぎによる急性胃腸炎が発覚し、1日入院している。編集も「雑食系」っぽくてリアルだった。ご興味あればご視聴あれ。

また、真帆のママ友である菱田朋子(桜井ユキ)も怪しい。お互いに同い年の子どもがいることから真帆と仲良くなったシングルマザーだ。失踪当日の金曜日にメッセージアプリで真帆とやりとりしていることがわかったが、どうも表情が怪しい。息子のキヨくんの様子もおかしかった。

あと、凌介のスマホに菱田朋子の番号が登録されているようなのだが、奥さんのママ友の番号を個人的に登録しておくのは、夫として一般的なのだろうか……?

【関連記事】怪しいママ友:菱田朋子役「桜井ユキ」単独インタビュー


怪しい人たち6:刑事&住宅メーカー&そのほか


失踪事件について捜査に乗り出す刑事や、相良家のマイホーム建築に尽力してくれる住宅メーカーの担当者、たくさんの猫を飼っている神出鬼没な”猫おばさん”、事件当日に凌介に接触してくる”謎の女”など、怪しい人物はほかにもたくさんいる。

その中でも、「あなたの番です」で注目を浴びた奈緒ポジションに近い”謎の女”=本木陽香(生駒里奈)に触れておこう。



失踪当日の金曜日、凌介に対し「先生!」と呼びかけてきた女性。

「酔っ払ってるからって駅のホームに放置するなんてひどいですよ〜」
「らっきょう、持って帰りました?」

人違いな上に、意味のわからないことを連ね、さっさと去っていってしまった。怪しい。

ちなみに「あなたの番です」に西野七瀬が出演していた影響により、生駒里奈を真犯人説に推す声が多いようだ。視聴者の事前投票でも彼女は2位にランクインしている。

しかし、私はあえて「本木陽香はまったく無関係説」を推すことにしよう。

「あなたの番です」の奈緒だって、あれだけ怪しさ満点だったにも関わらず、蓋を開けたら何の関係もない人物だった(少なくとも事件そのものには)。それでいうなら安藤政信ポジションでもある。行動や言動がひたすら怪しいだけで、おそらく彼女は真犯人ではない!

* * *

第1話のあらすじを振り返りながら、ざざっと、怪しく思える登場人物に触れた。

ラストでは、おそらく篤斗だと思われる身体の部位(肩〜腕?)が凌介宛に送られてくるという衝撃シーンが。これで家出の線は薄くなったか? あの部位は本当に篤斗なのだろうか?

結局のところ、全員が怪しく思えてきて仕方がない。ドラマ制作陣の手のひらで泳がされている気しかしないが、思う存分、泳がされようじゃないか。このドラマ、おもしろ〜〜!

※この記事は「真犯人フラグ」の各話を1つにまとめたものです。

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