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2022年04月13日

「明日、私は誰かのカノジョ」第1話レビュー:吉川愛、楽駆らキャストの演技や描写に感じる原作への愛(※ストーリーネタバレあり)

「明日、私は誰かのカノジョ」第1話レビュー:吉川愛、楽駆らキャストの演技や描写に感じる原作への愛(※ストーリーネタバレあり)


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累計発行部数300万部突破したをのひなおの人気漫画「明日、私は誰かのカノジョ」(マンガアプリ「サイコミ」で連載中)がMBS/TBSドラマイズムにてドラマ化。2022年4月12日放送スタートした。

悩みを抱えて生きる5人の少女を描いた本作。一週間に一回レンタル彼女としてお金を稼ぐ「雪」や、孤独を抱えて寂しさを男で紛らわす「リナ」、見た目に固執して整形を繰り返す「彩」、周りに流されず、“自分”を持っていると語る「萌」、夜の街で“今”を生きる「ゆあ」らが各章で主人公となり物語が進む。

本記事では、その第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「明日、私は誰かのカノジョ」第1話レビュー

約3年前に連載が始まるやいなや、SNSを中心に反響が広がり、今や累計発行部数300万部を超える人気コミック「明日、私は誰かのカノジョ」。通称「明日カノ」がドラマ化されると聞いたとき、多くの人はまずキャストが気になったと思う。主人公の雪を演じるのは?ゆあてゃは?ホストのハルピは?

それほどまでに一人ひとりのキャラクターが個性的で読者に愛されている作品だからこそ、実写化には賛否両論の声が挙がった。しかし、ついに放送されたドラマの第1話は、そんな明日カノファンを安心・納得させるクオリティの高い仕上がりになっていたはずだ。

物語が幕を開け、今日もレンタル彼女になるべく顔の傷痕をメイクで覆い隠す雪(吉川愛)、男性と腕を組んで歩く雪(横田真悠)、美容整形外科でカウンセリングを受ける彩(宇垣美里)、ホストクラブでひと時の夢を買うゆあ(齊藤なぎさ)、行きつけのバーでお酒を仰ぐ萌(箭内夢菜)が映し出される。

その時、雪の声で流れていたナレーションを紹介したい。

「今、この東京でたった一人生きていくためにどれだけのお金が必要か。恵まれた環境か、強い意志。そのどちらかがなければ、普通の生活さえままならないのが現実。そんな中でも誰かと繋がっていたいと願い、理想の自分であろうと希望を抱き、自分が主人公になれる居場所を求め、自分の存在価値を探し続ける」

少し長いこの文章をここに記したのは、ドラマの制作スタッフが原作を大切にしてくれていると感じたからだ。「明日カノ」に登場する5人の主人公たちはけっして愚かではなく、こんなに人が溢れているのに、私は誰にも必要とされていないんじゃないかと時折目まいがしそうな東京で、1日1日を生き抜くためにもがいている。それを理解してくれているだけで、本作のキャラクターに自己投影し、深く共感している人たちも救われるのではないか。

さて、大学生の雪とサラリーマンの辻壮太(楽駆)が“レンタル彼女”と“客”として出会う場面が描かれた第1話だが、ビジュアルの作り込みだけではなく、雪を演じる吉川愛と壮太を演じる楽駆の演技力が光る。

とっさに彼女がいると友達に嘘をついてしまい、Wデートで彼女のふりをしてほしいと雪に依頼する壮太。手を繋いでデート以上のことを求める客とは違い、壮太は無茶なお願いもしないし、雪に対しても紳士的な態度を取る。でも彼は、自分とは異なる環境で育った相手の気持ちを想像する力がない。

なぜ映画の主人公が親にひどい態度を取るのか、なぜ雪が通常のバイトより高時給のレンタル彼女として働く必要があるのか。優しいからといって人を傷つけないわけじゃない。壮太の中にある無自覚な悪を楽駆は演技力で視聴者に見せつける。

また、吉川愛もミステリアスな空気を纏っている大学生の雪と、どんな客に対しても笑顔を振りまくレンタル彼女の“雪”の違いだけではなく、最初に壮太の友達の前で完璧な彼女を演じている時の表情と、傷痕を見られて思わず本音をぶつけてしまった後から壮太に見せる、素に近い表情の差を画面に映し出していた。

とにかく描写がリアルで、この世界のどこかに実在しているんじゃないかと思わせる「明日カノ」のキャラクター。それを確信に変えていく役者の演技力に期待が高まる走り出しだった。

(文:苫とり子)

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(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS

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