「先生のおとりよせ」第2話レビュー:T・Oさんとは正反対!だけど、向井理が演じるキャラはどれも逸品(※ストーリーネタバレあり)
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向井理×北村有起哉がタッグを組む、新感覚グルメドラマ「先生のおとりよせ」が2022年4月8日よりスタートする。
中村明日美子、榎田ユウリの共著による同名作で、向井はドSで無愛想官能小説家・榎本遥華を、北村はフェミニンでドMな漫画家・中田みるくをそれぞれ演じる。
本記事では、第2話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「先生のおとりよせ」第2話レビュー
ⒸAN,YE(L)/TX本稿はドラマ「先生のおとりよせ」第2話のレビューだが、まず4月13日に放送された「悪女(わる)」(日本テレビ系)はみなさんご覧になっただろうか。
同作は三流大学を四流の成績で卒業し、運よく大手IT企業に入社した落ちこぼれの新入社員・田中麻理鈴(今田美桜)が会社の最下層からステップアップを目指していく物語だ。そんな麻理鈴のモチベーションとなっている憧れの人“T・Oさん”を本作の主演を務める向井理が演じているのだが、第1話放送後、そのあまりのかっこよさが話題になった。
スカイダイビングに挑戦するが、直前で怖気づいてしまうヒロインを「見たことない景色、見たくない?」と勇気づける向井理。涙をそっとハンカチで拭ってくれる向井理。「(空が飛べたのだから)もう何だってできる」と爽やかな笑顔で励ます向井理……。まさに理想の王子様!たしかに、今期は他のドラマにも出演していたな。何やらドSな官能小説家を演じているらしい。絶対かっこいいに決まってる!
そうワクワクしながら「先生のおとりよせ」を第2話からご覧になった方は、寒暖差で風邪を引いてしまったかもしれない。本作で向井理が演じる主人公・榎村遥華は、偏屈でいじわるな大人気ない男だからだ。
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前回、美少女漫画家の中田みるく(北村有起哉)と共同で作品をつくることになった榎村。編集長・九堂今日子(橋本マナミ)の魅力に屈してコラボを受け入れてしまった二人だが、やはり馬が合わない。売り言葉に買い言葉。冷静な態度で中田に言い返した直後、思わずイライラを物にぶつけて壊してしまう向井理のコミカルな動きに笑ってしまう。
何より完全分業で作品づくりを進めていきたい榎村と、プロットから一緒に考えていきたい中田。両者一歩も譲らず、なかなか作業が進まない。そんな中、九堂は二人の心の支えである“おとりよせ”の宅配を停止。
中田は自分だけでもおとりよせを復活させてくれと頼みに行くのだが、そこで榎村の意外な過去を知ることに(話は逸れるが、この時ぶつかったのは「ソロ活女子のススメ2」で江口のりこ演じる五月女恵!江口と向井は「悪女(わる)」でも共演している)。
榎村は以前にも他の作家と共同で作品をつくったことがあり、その際、何の相談もなく自分のパートを大幅に削られたという。だから今回のコラボにも後ろ向きだったのだ。
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そんな榎村を説得(服従?)するべく、中田は自分がとりよせた“あるもの”をもって彼の家を訪ねる。中田はもう一度コラボについて話し合うことを条件に、有名も有名、洋菓子・CLUB HARIE(クラブハリエ)のバームクーヘンを榎村へおすそ分けすることにした。
あれだけツンケンしていたのに、おとりよせを前にした榎村はもうニッコニコ。中田に対して嬉しそうにうんちくを語る榎村は一見熟した大人なようで、無邪気な子どもっぽさもあり、だんだん可愛く見えてくる。
「中田先生と榎村先生はどちらも素晴らしい逸品。でもね。二人が組めば、それはもう別格の絶品になると思うんです!」
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九堂編集長の言葉通り、ドSな官能小説家とドMな美少女漫画家、一見正反対の二人が共に作品を生み出すことには何か意味があるはず。バームクーヘンを食べた時だって、「ねっとり、しっとり。陶酔するほど柔らかみを帯びている!」と官能的な食レポを披露した榎村に対して、中田は「私もこんなふわふわなキャラクターいつか描きたい!」と美少女漫画家らしいキュートな感想を語っていた。
他者の存在が新たな視点を生む。向井理が演じる榎村も一人でいればただ嫌味な男だが、同じおとりよせが大好きな北村有起哉演じる中田を組み合わせたら途端に愛らしいキャラクターになるのだから。
そのことに、榎村はバームクーヘンにAceh Coffee(アチェ コーヒー)のジャコウネコの糞から採られた「コピ・ルアク」と呼ばれるコーヒーを合わせて気づく。まさに逸品と逸品のコラボを堪能する榎村。その時、何気なく中田が語った「ネコの糞の実を最初に食べた人がいるわけでしょ。(中略)きっとありったけの勇気を振り絞ったんじゃないかなって」という言葉に心を動かされる。
いよいよ、第3話からは前途多難な二人の作品づくりがスタート!「悪女」とは正反対な顔を見せる向井理と、そんな彼の様々な表情をさらに引き出す北村有起哉のかけあいをずっと見ていたい。
(文:苫とり子)
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