『バブル』日本のアニメ映画史上最高峰の“体験”ができる「5つ」の理由
2:まさかの「HiGH&LOW」の影響も!
本作ではアジア人前人未到の全米チャンピオンに輝いた、日本のパルクールアスリートのZENが協力をしている。荒木監督は、そのZENのパルクールの映像から、飛ぶ瞬間に加え、着地までを徹底的に研究し、リアリティーと重力を感じる動きをアニメに取り込んだ。しかも、その著作「FRY」からZENというその人の精神性を、主人公であるヒビキというキャラクターに反映しているそうだ。
さらに、そのZENが出演している「HiGH&LOW」シリーズも荒木監督は観ており、ドラマのファーストシーズンで佐野玲於とそのチームが「V字になった木組を横回転しながらくぐり抜ける」シーンも観ながら作業をしていたこともあったという。
そのためと言うべきか、本作はまるで「HiGH&LOW」シリーズのアクションがアニメで観られたような興奮もある。
なお、『バブル』の製作を務めた和田丈嗣によると、東京を舞台にしたパルクールのアニメの作業は「進撃の巨人」よりも大変だったそうだ。それは「東京の現実をベースにした舞台を作り、そこをコースにするという作業が、現実をベースにしてるからこそ、検証作業も含めて美術チームにとってはかなりのチャレンジだった」からなのだとか。
荒木監督自身も、取材をもとに3Dモデルを作成する作業に苦労していたという。ドローン会社に建物を上から撮った写真をたくさん撮影してもらい、美術担当スタッフに参考画像を渡していたこともあっただそうだ。アクロバティックなパルクールの動きのアニメだけでも大変な上に、「現実と地続き」な舞台だからこその苦労も大きかったのだ。
実写である「HiGH&LOW」における、生身の人間が繰り出すパルクールも、もちろん生半可な努力でなし得るものではない。
さらに、『バブル』では実写を参考にしながらも、膨大かつ複雑な作業を経た、アニメならではの瞬きするのも惜しい超絶的なパルクールを実現している。
さらに物語上でも、チーム内での仲間意識、リーダー的なキャラへの感情、ほかチームとのライバル関係が、かなりの尊みをもって描かれる様も、「HiGH&LOW」と『バブル』は似ていたりもする。『バブル』はアニメ版「HiGH&LOW」と言っても過言ではない。いや本当に。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)2022「バブル」製作委員会