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2022年05月22日

関ジャニ∞「KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT」の魅力|成熟と挑戦が交わる意欲作

関ジャニ∞「KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT」の魅力|成熟と挑戦が交わる意欲作



関ジャニ∞の5年ぶりとなるアリーナライブツアー「KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT」のDVD、Blu-Rayが5月18日にリリースされた。

ライブ映像のほか特典映像として、マルチアングル、MCダイジェストなどがついて初回生産限定盤、ライブドキュメント、テレビ朝日ドリームフェスティバル2021関ジャムFESの模様も収録されている完全生産限定盤などが発売されたが、今回はライブ本編に絞ってその魅力に迫ってみたい。

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オープニング1曲目から最高の一言



オープニングを飾ったのは「Re:LIVE」

2020年にリリースされたこの曲はファンである“eighter”から歌詞やエピソードを募集し、それらをもとに関ジャニ∞のメンバーが作詞を行っている。いわば関ジャニ∞とファンによる「共作」だ。

絆やつながりをテーマとした曲が、コロナ禍を挟んで、1年9ヶ月ぶりに生で会うことになったファンとの再会を噛みしめるような選曲にグッと来る。

よく分からないが、「おかえりー!!」と叫びたくなるような衝動に駆られる(ちなみに筆者はライブに行ったにも関わらず、映像を観ながら感極まってしまった)。
 

セットリストが絶妙



2021年11月17日にリリースされたアルバム「8BEAT」をひっさげてのツアーということで、選曲はアルバム中心となっている。フルアルバムとしては約4年5ヶ月ぶりの発売。

豪華なクリエイター陣も話題だったが、4年5ヶ月のあらたな経験を踏まえて、更に音楽の幅が広がっているのがパフォーマンスを目にすると明らかに分かる。

これは推測に過ぎないが、クリエイター陣が関ジャニ∞の良さを引き出そうとした楽曲があったうえで、それを引き立てる演出がきちんとなされている。

楽曲の良さ×パフォーマンスが発揮されていることを強く感じた。今まで、1曲1曲の世界観がここまで際立っていただろうか、と思うほどにステージ上が華やかだ。

既存曲はこれまでと歌割が変わっているが、それに寂しさを感じることはない。エネルギッシュなダンスとコンビネーションで圧倒していく。
 

演出・大倉忠義のセンスと努力と愛



セットリストはもちろんのこと、もう!演出が!どうしよう!最高!

「ひとりにしないよ」のキュートな演出もしかり、モーションキャプチャーを利用した演出など、新しい技術の活用も目立った。

ファンをざわめかせたのは「Let Me Down Easy(レミダン)」である。

どうにか言語化しようと試みたのだが、うまくいかない。ひとつ言えるのは、「全either歓喜」である。

ただ、レミダン演出の難は、客席の中に死角になる場所があるということだ。自席から見えないメンバーがいる、という切なさ。

しかし、ライブ映像ならもれなく全員が観られます。Blu-rayではあろうことか、マルチアングルがあるのでぜひ、そちらで観てほしい。

また、現在の関ジャニ∞の魅力のひとつといえば、バンドである。1~2曲程度ではなく、かなりガッツリとやる。ライブ本編の約半分がバンド形式のときもあった。



今回の公演でもバンド演奏パートはあったのだが、そのステージ転換がえげつない。

曲間。スクリーンに、目の前に立ちはだかる白い壁を、服を汚しながらも壊す5人の姿が映し出される。壁を壊した先にあったのはバンドセット。

映像が終わると、ステージ上高い位置から横山裕のトランペットの音が響き渡る。セットが回転し、中央からはドラムを叩く大倉忠義、続いて高い位置からギターの安田章大、ステージセンターでベースの丸山隆平、キーボードの村上信五の音が重なっていく。

ステージ転換があまりにダイナミックで「え……これはもしかしてドーム公演を見据えての演出?もしかして、ドームの追加公演ある?」と思ってしまった。(ドーム追加公演はなかった)

 
ライブの演出は大倉が担当している。ファンが観たい関ジャニ∞がなんたるかを熟知し、メンバーの良さを知っているからこそのものだと言えるだろう。もちろん、演出に4人がしっかりと応えているのも大きい。

まだまだ新しいものを魅せてくれる関ジャニ∞

最年少の大倉が37歳、最年長の横山が41歳。アラフォーのアイドルグループで、グループとしてもデビュー18周年を迎える。アイドルとしてもベテランの域に入り、成熟しつつあると言えるだろう。

しかし、彼らの魅力のひとつは挑戦を辞めないことだ。現状に満足せず、常に新しいものを見せてくれる。

バンドにがっつりと取り組み始めたときも驚いたけれど、それもすでに関ジャニ∞にとっては外せない強い武器となっている。



今回のツアーでは、横山がギター演奏を披露しており、まだ新しいことに挑戦するのか! と驚かされた(横山はトランペットを担当しているが、それ自体も始めたのは近年である)。

年を重ねると、悲しいことに年齢を理由にしたり、「もう遅いから」「やってもムダだから」と踏み出す勇気さえも捨ててしまう。だが彼らは「年齢? くそくらえ」と言わんばかりに次々と挑戦を続ける。諦めずに武器を増やしていく。

関ジャニ∞をあまり知らず、彼らを「関西のにぎやかな兄ちゃんたち」と認識している人にこそ今回のライブ映像を見てほしい。

目の前に立ちはだかる壁を、何度も自分たちの手で壊し進んできた彼らは強く、魅力的な“最高で最強のアイドル”だ。

(文:ふくだりょうこ)

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