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2022年06月13日

「金田一少年の事件簿」第7話レビュー:後味の悪いラスト。真犯人の演技がよかった

「金田一少年の事件簿」第7話レビュー:後味の悪いラスト。真犯人の演技がよかった


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1995年の初放送以来、幅広い世代の支持を得続けている謎解きミステリードラマの金字塔「金田一少年の事件簿」。週刊少年マガジン(講談社)で連載された原作は、世界(12か国)累計で1億を超える発行部数を誇るメガヒット作。2022年に30周年を迎えた。

新シリーズは、選りすぐりのエピソードを現代の視点で再構築。主役は道枝駿佑(なにわ男子)。堂本剛(1995年/1996年)、松本潤(2001年)、亀梨和也(2005年)、山田涼介(2013年/2014年)と繋がれてきたバトンを受け取り5代目金田一一(はじめ)を襲名する。

本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「金田一少年の事件簿」第7話レビュー

連続事件の疑惑をかけられてしまった一(以下はじめ・道枝駿佑)。逃亡劇の末、行き倒れてしまった。そこに忍び寄る誰か、犯人だったらやばい……! と思ったが、現れたのは佐木(岩﨑大昇)。食べ物を持ってきてくれたのだ。

「僕、先輩のしもべなのでいつでも駆けつけます……!」なんとできる後輩なのか。さらに「美雪のやつどうしてる?」と聞くはじめ。自分で連絡してくださいよと言われるが、その勇気はなさそうで佐木に「この意気地なし!」と言われる。そうだそうだ、もっと言ってやって、佐木!

ひとり自転車に乗りながら「美雪、心配かけてごめん。犯人は必ず俺が見つけてみせる! じっちゃんの名にかけて」というシーンは、原作が漫画だから仕方ないのかもしれないが、一人でしゃべっていてちょっとシュールだった。

ところで、はじめちゃんの両親や家族の影が一切見えないけど、この騒ぎの間どうしてたんだろう。つくづく謎。美雪と家族ぐるみで旅行してたし、いないわけじゃないんだろうけどなぁ。

桂木の次の標的が野中(宮澤エマ)だと気づいて話を聞きに行くが、彼女が聞いていたのは「私で終わりよ」だった。はじめは気をつけるように言うが、野中も殺されてしまう。はじめちゃん、もう少し近くにいれば野中さん死ななくて済んだのでは……追われてるから難しいかもしれないけども。

銃を持っているところ警察と対峙し、胸を撃たれてしまうはじめ。えええとなったが、救急車の中で血だと思っていたのはケチャップだったことがわかる。男の子に頼んで剣持警部(沢村一樹)に渡したメモにオレンジジュースのあぶり出しで「くうほうでうて(空砲で撃て)」と書いていたのだ。あぶり出し、めちゃくちゃ久しぶりに見たな……。

しかし、救急車で搬送されてるのにどうごまかして逃げられたんだろう? 事件の謎と同じくらいミステリーである。ちなみに前回はじめが助けようとして車から落ちちゃった警官、剣持警部に実は助けてくれようとしたことを伝えたらしい。どうしてそれが伝わっていないのか気になってたのでよかった。

事件現場を訪れたはじめは、犯人に気づく。犯人は、現場に眼鏡を落として割ってしまい、それをごまかすために水槽を割り、その場にあった橘の老眼鏡をとっさにかけた。さらに、空調のことで橘(勝矢)から使用人の菊蔵(半海一晃)に電話があったというが、犯人は菊蔵の耳が遠いことを利用し、また彼がドアを開けてくれることに賭け、ドアづたいに移動して足跡を残さず逃げられたのだ(雑技団かよ)。

橘が残した暗号は、指定された人の名前の順に読むと「大時計の中」になることだった。そして犯人は、大時計を狙って現場に訪れた……。

犯人は、都築(A.B.C-Z戸塚祥太)だった。消去法で彼かいつき(渡辺大)だということはわかっていたが、助けてくれたときの笑顔が優しかっただけにショックである。彼はなぜ5人も殺したのか。

都築には、婚約者(小林涼子)がいたが、命に関わる腎臓病だと判明。奇跡的に続きの腎臓が適合し、移植手術をしたが手術は失敗。彼がTVプロデューサーであることに目を付けた医師に、適合する人がいたら優先して移植することを条件に、最低なこととわかりつつ海外からの臓器密輸に手を貸してしまった。TVプロデューサーが海外からのゲストを呼んだということにすれば、何かとやりやすいからだ。

だが、橘がそれに気づき、新作で暴露すると言ったのだ。橘自身は悪行が許せないという理由からであったが、臓器を移植してくれる相手が見つかっていない今つかまったら、彼女(妻?)を助けられない。そうなったら今まで何のために悪事に手を染めてきたのか。都築は橘を殺し、他の人が原稿を手に入れられないようみんな殺したのだ。

みんなを巻き込んだことへの後悔を口にした都築は自ら命を絶ち、残りの腎臓を彼女に移植してくれといい息を引き取った。あ、後味悪……!! 

都築が最後そうしたということはいいと思ってやっていたわけじゃないのだろうが、今回は前回や前々回のように殺された人に落ち度がなく、単に暗号に使われ原稿を手にする可能性があるという理由だけで殺されてしまった。殺された人たちがあまりに不憫すぎる(特にゲストとして呼ばれて原稿を欲しいとも思ってなかった桂木)。都築も、そう思う気持ちがあったなら、ここまでのことをせずに思いとどまれなかったのだろうか。

話自体は後味が悪すぎたが、戸塚くんの前回冒頭の仕事できそうな感じとはじめを助けたときの優しい顔(実際は罪をなすりつけようとしていたわけではあるが)、犯人だとバレたときのサイコっぽい表情、最後自分のしたことの取り返しのつかなさに気づき自殺するところなど、さまざまな表情の使い分けがよかった。

ちなみに戸塚くんは死ぬ役がとても多いらしく、SNSで「やっぱり死ぬ役だった」と言っているファンの方が多くて衝撃的だった。演技が素敵だったのでもっとドラマにでてほしいし、次(の役)こそは生きて幸せになってほしい。

次回は首狩り武者殺人事件。初代金田一でも実写化された物語だが、今回はどんなふうになるのか楽しみだ。

(文:ぐみ)

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