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「やんごとなき一族」最終回:女たちは深山家のヒーローだった…最高のハッピーエンド


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土屋太鳳主演・松下洸平共演の木10ドラマ「やんごとなき一族」が2022年4月にスタート。

原作は講談社『Kiss』で連載中の、こやまゆかりさん作の同名コミック。庶民の家庭から上流社会の一族に嫁ぐことになった主人公が、理不尽な一族のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄(ほんろう)されながらも、夫とともに真正面から立ち向かい奮闘する“アフター・シンデレラ・ストーリー”をお届けします。

本記事では、第11話(最終回)をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「やんごとなき一族」第11話レビュー

毎回楽しませてもらったこの作品、最終回は楽しみだけどすごくさみしい。
この作品と登場人物たちが大好きだった。

記憶喪失になってしまった健太(松下洸平)と別れ、実家の定食屋で働きながら娘の凛を育てる佐都(土屋太鳳)。

圭一(石橋凌)の横暴に、ついに堪忍袋の緒が切れた久美(木村多江)。
「こんな人間の面倒なんか見たくない」「女は役に立たないのでしょう? 私も女ですから」というときの表情がすごくて、さすが木村多江さん……! と思った。

圭一の面倒を見ることを放棄した久美は、佐都の実家「まんぷく屋」を訪れる。新人の店員と間違われてそのまま手伝いをすることになり、手際の良さをほめられて「楽しい、給仕してこんなに感謝されたの初めて」と感激する様子がかわいかった。

そして今度は、なんと美保子(松本若菜)が店に現れる。
「あの時あなたが私を止めてくれなかったら私は豚箱行き。そんなことになったら私の築き上げてきたサクセスストーリーが台無し。そんなことになったら悲劇だわ……」と長々語り出す。

「つまりその、あれよ……あ、ありがとぅ」
「そして……ごめんなさい」

佐都はびっくりして無言になり、美保子はもう1回「あの時あなたが……」から話しはじめるところだった。そりゃみんなびっくりするよ美保子……! ありがとうとごめんなさいが言える人になったんだね美保子……!
感動である。言いなれてなくて&言いづらくて必殺技みたいな言い方になっちゃってるのも愛おしい。

深山家では、健太と久美が話していた。
「佐都さんのやり方は、圭一さんには深山家を破滅させるように感じたのかもしれない。でもこれは破滅ではなくて革命だと思うの」と話す久美。

「ぽっかり穴が空いた感じがする、人生最大の過ちを犯したような」と、いなくなって佐都の大切さに気付く健太。

「待ってるだけじゃ、大事なものは戻ってこないわよ」と言われた健太は、翌日まんぷく屋に訪れた。

「教えてほしいんです、俺と佐都さんのこと。佐都さんと出会ってから俺は変わった、すごく幸せそうだったってみんな言うんです」という健太に「お腹、空きませんか」ともつ煮をふるまう佐都。

「知ってる、この味。家族って味だ。俺好きです、この味。懐かしくて、あったかくて……」
「それ、健太の大好物なの」
「この味もこの店も、あなたのこともきっと特別で大切だった。そう感じるけど思い出せない、ごめんなさい」

「あなたと凛ちゃんのこと思い出したい。例え思い出せなかったとしても、あなたと離れたら後悔する気がするんです。俺と一緒にいて欲しいんです。お願いします」

「今の健太は、私の知ってる健太だよ」
「健太の背負った運命、一緒に背負うからさ」

想いがあふれて止まらない健太に応える佐都。かっこいいな佐都……。
前回は別人のようになってしまった健太が、元の健太に少し近づいていてうれしい。

明人(尾上松也)の策略で、深山家が借金を背負うことになる。
明人がやったと知ってしまった健太は何で……と言う。

「好きで長男に生まれたわけじゃない。お前なんか大嫌いだ」
「お前のことをぶっつぶしてやろうと思ったのに、今さら跡継ぎを譲るなんて、記憶がなくなったからなのか」

そういう明人に、健太は答える。

「これだけは覚えてる、兄貴はずっと優しかった、俺は兄貴が大好きだった」
「兄貴がずっと努力してきたことも知ってる、兄貴が後を継ぎたいんだったら俺は譲りたい」
「でも次の代には兄貴の味わった苦しみを味合わせないでほしい」
跪いてそう訴えた健太。大嫌いに大好きで返せる強さ、それでこそ健太だ。

健太を見て、自分は跡継ぎになりたくないと思った明人。
美保子に会い、「僕は後継ぎになれない。だから別れたほうが……」と言おうとする明人をさえぎる美保子。

「よくよく考えて気づいたの。私は自分でハッピーエンドをもぎ取れる」
「一度しか言わないわ。私は深山家の長男でも王子様でもなく、明人さん、あなたが必要なの。私は深山明人の妻、深山美保子よ」

美保子ーーー!!! かっこいいーーー!!!
かっこよすぎて涙が出てきてしまった。

うっとりして「はい」と言う明人。
それでいいわ〜。これからも私の尻に敷かれてなさい。
は、ハッピーエンド……!

リツコの父・万野誠(石黒賢)は明人と手を組んだと見せかけて、明人のことも裏切っていた。深山家は負債を負うことになってしまった。

だが、ドバイの大富豪・サイード(竹財輝之助)と話がついており、彼を家に招く予定だと言う。久美に女主人としてもてなせと言い「どうせお前にはそれしか脳がないんだからな、ははは」と去っていく圭一、ムカつく~!

サイードが来た日、久美は現れず、佐都が彼をもてなした。

リスクはないか聞いておきたいというサイードの問いに、負債があることを隠して「ない」と答える圭一。だが健太は負債があることを伝え「佐都さんが誠実にもてなしてくれたのにこんな形で汚したくないんです」と言う。

そこへ久美・美保子・リツコ・マダムキリコ(長谷川京子)が登場。
マダムキリコにパパリンと呼ばれ「ぱ、ぱ、ぱ、パパリン?」と困惑する圭一がちょっとかわいい。

女たちは、ここぞとばかりに意見しだす。

リツコ「アップデートが全然できてない」

美保子「それに選民意識が強すぎるんじゃなくって」

久美「私たちはあなたの召使いではございません。クルトンぐらいでいちいち激怒なさらないで」(ここでクルトンの回収……!)

佐都「私たちはもう黙りません。自分のためにも、大事な人のためにも、もうはばかったりしない。私たちはもっと自由に生きられる!」

いいぞ、深山家の女たち……! 佐都は黙ったことない気はするけれども……!

「ビジネスの世界では誠実さのない人間は信用されない」と言うサイードは、健太が深山家の当主になるなら助けると言う。こうして、健太が深山家の当主になった。

サイード、すごくいいことを言っているのだが、竹財輝之助が謎の大富豪を演じている状況が面白すぎて言葉が頭に入ってこない。

八寿子(倍賞美津子)と圭一の会話が印象的だった。

「深山家を守るためにしたことです。私は間違っていない」

「圭一が深山家のためにつとめてきたこと、わかってます。彼女の言う通り、私たちも変わる時が来た。でも、深山家はここにちゃんとある。それでいいでしょう」

佐都の活躍を目の当たりにした健太は「前の俺はあなたと一緒にいられてものすっごく幸せだったんだろうな。あなたと凛ちゃんと一緒に幸せになりたい あなたと家族になりたいんです」と言う。け、健太だ~!!

圭一は姿を消してしまった。出ていかなくてもと思うが……。
なんと彼は、ホームレスして生活していた。きょ、極端だなー!!
捨てられた週刊誌を読んでいると、万野が逮捕されたニュースが載っていた。
また、健太がインタビューされている記事が見て、うれしそうに微笑む圭一。
切ないな……なぜこうなってしまったのか。

そこにやってきたのは久美。「やっと見つけた」と言う。
久美の持ってきたおにぎりをものすごい勢いで食べ、涙する圭一。

「お金を稼ぎはしませんけど、あなたを支えることが私の仕事です」と言う久美に、圭一はおそらくはじめて「ありがとう」と言った。

久美の強い気持ちに感動したし、大切なことにやっと気づいた圭一にも泣けてしまう。久美に鼓舞され、圭一もまんぷく屋に訪れる(もちろん身なりは整えてから)。

もつ煮を食べ、「これが健太の好きな味か」とつぶやく圭一。
「今までのこと、申し訳なかった。健太のこと、深山のこと、よろしく頼みます」
深々と頭を下げる圭一に、この人にもこんなことができるのかと感動した(本日2回目)。

黙るのをやめた深山の女たちは(久美以外今までもあんまり黙ってなかった気もするが)、みんなかっこよくてヒーローみたいだ。どっちが上も下もない、これからはお互い助け合っていけばいい。

健太と佐都の結婚式。美保子はすでに佐都の晴れ姿を見て泣いており、ハンカチを貸す明人に「足、どうしたの?」と聞く。それだよ! みんなそれが気になってたよ! すると明人はスッと立つ。立てるんかーい! まぁ、病気じゃなくてよかった。

すっかり孫にメロメロな圭一と久美、別れた後のほうが仲が良さそうな大介とリツコ。それを茶化す有沙も元気そうだ。夫と一緒でないということは、別れたのだろうか。

白無垢を着た佐都を見る健太は「佐都」と話しかける。
呼び捨てに驚く佐都に「佐都、俺、思い出した!」と言う健太。よかった……!!

全員が幸せになれないものかと思って見てきたこの作品、本当にみんな幸せな状況が実現するとは。佐都って本当にすごい。そしてさとけんたは素晴らしい。

最後、ナンバMG5の難波家のペット・松が登場。出演するのは知っていたが、こういう形とは。引っかかった風船を軽やかに取った佐都を見て「深山の女すっげー」と感心する松。

佐都は「庶民、なめんなよ」と言って物語は終わる。
なんと美しい初回のセリフの回収……!

本当に面白くて楽しみで素晴らしいドラマだった……!
ありがとう、やんごとなき一族。ありがとうさとけんた(そして美保子、みんな)。最高な作品でした!

(文:ぐみ)

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