「純愛ディソナンス」第1話:中島裕翔×吉川愛の矛盾はらんだ魅力に落ちていく
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中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるドラマ「純愛ディソナンス」(フジテレビ)が2022年7月14日スタート。
新任音楽教師と生徒の“純愛”を軸とする本作。高校を舞台にした第1部と大人の人間模様を描く第2部で構成され、タブーと隣合わせにある恋が次第に周囲を巻き込み“ディソナンス”(=不協和音)となっていく様を描く。
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「純愛ディソナンス」第1話レビュー
中島裕翔演じる教師と、吉川愛演じる生徒による禁断の恋を描く「純愛ディソナンス」が始まった。“ディソナンス=不協和音”。純愛×ドロドロの“純ドロ”ストーリーが見どころらしいが、その概念は果たして両立し得るのか。と、少々疑いながら観た第1話。結論からすると、両立できた。めちゃくちゃ両立できてた。
物語は、音楽教師としてとある高校に赴任してきた正樹(中島裕翔)と、夜中の学校に忍び込んだ女子生徒の冴(吉川愛)が出会うところから始まる。どちらも親から所有物のように扱われ、偏った価値観を押し付けられてきた。二人は失踪した前任の音楽教師・小坂(筧美和子)の行方をめぐり、急激に距離を縮めていく。
冴は裏表のある“おもしれー”大人の正樹に、一方の正樹は同じ境遇でも、自分とは違って他人に対する興味を失わない冴に、それぞれ惹かれていくプロセスがとても自然だった。
教師×生徒は年齢差もあって嫌悪感を抱きやすいけど、それが不思議とない。むしろ彼らを取り巻く人間たちが闇の住人すぎて、どうにか二人だけで幸せになって!という気持ちになる。
秀雄(神保悟志)も静(富田靖子)も子供のこと何だと思ってんだ?って感じだし、冴の貯金を盗んだ静の恋人は論外。静さん、また男選び失敗してますよ。
小坂の香水を使っている碓氷(比嘉愛未)とその香りに昔の女を思い出した風の加賀美(眞島秀和)も、裏サイトに小坂の悪口を書き込む教師(上谷圭吾)も、みんながみんな小坂を恨む動機がありそうで怪しすぎる。
もちろん、正樹と冴もキラキラ属性ではない。好青年の皮を被った正樹は打算的で人を見下している節があるし、冴は歪んだ大人たちに泥臭く立ち向かっている強さもあれば、ふとした瞬間に死に近づいてしまう心の闇を持つ。
一方で、どちらも根っこには純粋さがあるような気がするのだ。「純愛ディソナンス」という矛盾した二つの概念を、正樹と冴自身もはらんでいる。その不安定さがいとも簡単に深い闇へと引きずりこみそうで、不安を覚えた。
簡単には共感させてくれない、ミステリアスで儚げな中島裕翔と吉川愛の魅力に私たちも落ちていく。
(文:苫とり子)
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